第64話 代償の力
「はぁ!」
シブキは檻にいる兵士を槍で振るう。
離れた所にいる騎士がボウガンを撃とうと構える。
それに気づいたシブキは槍を投げる。
「あっ!」
「はい、ざんねーん。」
騎士達は動きが突然機敏になりシブキを取り囲みもみくちゃにする。
「クソッ!難しいな相手が少し離れた所にいるとつい投げちまうな。」
シブキはイラつきながら牢屋を蹴る
「後敵が絶妙な強さしてやがる。倒せなくなはないが1体、1体意識を割かないとやられるくらいの調整しやがって。あれのせいで囲まれると焦って判断が鈍る。」
「まあそういうふうに強さ調節したからね。」
その後
「はぁ…はぁ…、どのくらいたった。6時間くらいだね。」
「もうそんなにか!」
「あっ、でもここと向こうの時間は全くもって違うから安心して。僕の匙加減で1日を1秒にすることだって出来るから。」
「マジで何でもありなんだなあんたは。」
さらに2時間経過
「…あと少しだったろっ!クソッ!」
最後の数人でシブキは槍を投げてしまい倒された。
(嫌な癖がつき始めてるそうなる前に何とか成功した体験を得ないとどんどん悪化していく気がする。)
授業開始から10時間経過
「…はぁ…はぁ…。」
「おめでとー!いやぁ思いのほか早かったねこの調子ならきっと掴めるよ。」
「…はぁ…はぁ…。」
「疲れてるねー。麦茶いる?」
「…もらう…。」
休憩も兼ねてお茶を飲みながら考えていた。
(できる気がしない。)
シブキが心の中で発した第一声だった。
シブキの心を埋め尽くした感情は達成感と喜びではなく挫折と徒労だった。
今回の成功はシブキにとってまぐれの成功体験ではなかった。
自身の実力が100%反映された結果出会った。
しかしそれがシブキの心を追い詰めた。
まぐれであれば自分の中の足りない何かがまだあるのだろうと思える気になった。
(始めて高難易度ゲームでパリィをした感じだ。やったーみたいな感じじゃなくてこれを毎回やるのか…?みたいな感覚だ…。)
さらに3日が経過
シブキは今たまに掴めずにいた。
「どうすればいいんだ!」
成功した回数も少ないわけではないがそのどれもがギリギリの勝利である。
続けて来たが一向に改善ができない現状にシブキの心は限界に達していた。
そしてその怒りの矛先は騎士とルールに向いた。
「そもそもこいつらが変な強さしてるのが悪いんだよ!こっちは1人のうえに意味わからん縛りプレイまでしてんだぞ!なら少しオレにその分有利になってもいいじゃ──ん!?」
「なっなんだ?今の。」
「おーい!おやつ買ってきたよ~。君の大好きなシナモン入りの─おっ?」
ユースの前には騎士を全滅させたシブキの姿が映った。
これまでシブキが全員倒した回数は決して少なくはない。
だが今回の彼は息切れをしていないどこか余裕を感じさせる立ち姿であった。
「ようこそ。どうだった?」
「最っ高に気持ちがいい!一日のストレスが全部消えたようなそんな感じがする!」
「代償の力。これがあるかないかで戦闘の幅がぐんと広がる。制限してるのに幅が広がるのは妙な話だけどね。」
「これが?」
「多分こんなに自分を縛ってるからもう少し有利になってもいいじゃん!みたいな事思ったでしょ?それが大事なんだ。イマジナリウムは創造の力、自分が強いと思えば思うほどイマジナリウムはそれに応える。」
「あんたも何かやってるのか?」
「もちろん僕の場合は悪としか戦わないを代償にしてるその時僕は無敵の力を持っていて僕は悪への攻撃は一切効かないようになってるんだ。」
「そんな無茶苦茶な理由で馬鹿みたいな能力になってるのかよ…。」
「あと君が最初に戦ったトルボだっけ。あれも結構な代償を捧げててね。…あれは韋駄天の能力を走る事のみにしか使わないように制限した代わりにめちゃくちゃな速さを得る事が出来てるんだ。」
「へー。まあ君の場合今後戦う時ずっと槍を投げるのを制限するのはもったいないから。少し工夫を入れてもいいかもね。」
「…工夫かぁ。」
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(想定する。彼は恐らく身体強化の魔術で力を高めていると。…であれば。)
ホバのハンマーに電気が流れる。
「っ!」
シブキは槍でホバの攻撃を受ける。
それを想定していたホバは槍を通してシブキに電気を流す。
(的中した。案の定弾くことが出来た。おまけに間合いも取っている。これなら──)
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じゃあ、相手が能力を使った時に槍投げを解禁するってのはどうだ?
いいと思うよ。
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「喰らいやがれ!」
「っ!?…ばかな。」
弾かれた槍は驚異的な速さでホバの胸に直撃する。
「これが代償だ思い知れバーカ!」
書きましたよろしくお願いします。




