第57 月下奏獣
対象の捕獲から2日後
2日の時間を要した後、漸く対象の無力化に成功。
対象の対話を開始。
「提示する。貴生命体の能力は我々の戦力に大いなる貢献できると判断した。そこで人類を裏切り我々に協力を要請する。」
「確実に負けるって…。」
「こればっかりは覆しようがない単純に数が多すぎんだよ。助けを求めようにもどの国もギリギリだ。」
「なら俺たちがもう少し持ちこたえればいいんじゃねえか?そうしたいが本拠地が要塞をどんどんと投入している今しか瞬間移動で侵入できる手段がねぇんだ。もし向こうが投入しやめたらバリアが張られて侵入できなくなり決定打を失う。」
「…そういうことですか。…それなら方法があります。」
「マジかよ!ツキミちゃん!」
「ええ、方法というには少々力技ですが。とにかく全国民にわたしの声を届けさせてください。」
「分かった。」
「市民達よ!聞こえているか?先の攻防によりようやく敵の根城を掴むことができた。わたし達はこれから奴らの根城を叩き皆の悪夢を終わらせる。そこでわたし達がそこで戦う間皆が奴らからこの国を守ってほしい。武器は無数にある。戦闘を求めない一般市民の皆に戦争を強要するのは国の王として失格なのは分かっている。でも!…それでもわたしはこの国を守りたい!これからも平和な世を共に過ごしたい!まだ未熟で至らないわたしですがどうか共にこの国を守らせてください!…わたしは皆さんがきっと…きっと生きて帰ってくると信じてます!だから皆さんもわたし達を信じて武器を握ってください!…我儘なわたしを願いを…どうかよろしくお願いします!」
ツキミは最初こそ毅然とした態度で話していたが途中から完全に感情が溢れ出し涙で言葉を詰まらせ素の口調になりながら市民に思いを伝えた。
ツキミは天に手を掲げる。
「月よ答えよ!我が国は総てにおいで劣るもの無し!しかして未だ果てには至らず!故に我らは渇き水を欲す!故に飢え血肉を欲す!この渇望を決して止めるな!我ららが求めるのは結果ではなく術!月よ!我らが崇める月よ!我らに術を与え給え!肉を切る術を!血を啜る術を!」
「その術を持って蹂躙をしよう!」
「その術を持って守り抜こう!」
「その術を持って生き抜こう!」
「その術を持って戦い抜こう!」
「その術を持って殺しつくそう!」
「我ら意思を失わず人を失わず獣に成り果てる!月よその様を照覧し導きたまへ!!」
ツキミと大臣達の詠唱を終えると空からまるで流れ星のような光が絶え間なく降り注ぐ。
それは総て刀、槍、弓矢、銃など多種多様な武器たちだった。
これこそ国の最終兵器総ての民が武器を取り一騎当千の英雄となる月下奏獣である。
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わたしは血みどろになった艦内をおぼつかない足取りで歩く。
「はぁ…はぁ…。」
呼吸が乱れて止まらない。
整えたいけれどどうすればいいのか分からない。
「アハッ♪いっぱい死んじゃうねえ。ツキミちゃん。」
そんな声が私の頭に響いた。
わたしの目の前には黒い髪の女の子が立っていた。
背丈も顔も全部わたしだ。
わたしは…彼女の首に…刃を突き立てて…
「アハッ♪いいね。やっぱり生きててよかったって思うよ。ねぇツキミちゃん、あたしの分までその身体でいっぱい、いっぱい、い~っぱい殺してね。せっかく強い身体で生まれたんだもの最強にならなきゃもったいないでしょ。」
「…違います!わたしは…望んでない。…望んで…ないんです。」
そう思い悩んでいるわたしを現実に戻す声が通信機から聞こえた。
「聞こえますか?ツキミさんこちらの準備が整いましたので今から瞬間移動で戻しますね。」
「…はい。ありがとうございます。」
砂漠で遭難してオアシスを見つけたような感覚だった。
いつの間にか私の息は整い始め冷静に何をすべきかを考えることができる。
わたしは刀を握り自分の業に目をそらさないようまっすぐと前を見る。
一方その頃社長室にいたリオは
「熱!やっべ!ミルクごぼした!」
「大丈夫ですか?こちら替えのズボンとパンツです。どうぞ。」
「おお!ありがとう。ミランダさん。」
「着替えるのであれば失礼します。」
ミランダは社長室から出る。
「うわっ。パンツまでいってるよ。シミになるとやだなぁ。」
─街全体を管理できるセキュリティ室─
「ではツキミさん飛ばしますね。」
(といっても会社のどこに飛ばしましょうか。まあリオもいますし社長室でいいですかね。)
「しっかし、俺自分家以外でこんなに脱いだの久しぶりかも。こんなの見られたら変態って思われ…て…?」
「あ。」
「う〜ん。ちょっと待ってほしいかななんか前にもこんな事あったけど今回は別に、あっ、ちょっとま──ぎゃああああああああ!!」
書きました。よろしくお願いします。




