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どうでもいいおじさん

美少女が言った。

「おじさんってほんとにどうでもいいよね。とてもどうでもいい人間だ」

おじさんはへこんだ。


美少女はとても美しい。

なにしろ透き通るような美少女だ。

まあほんとに透けてはいないけどね。

ハッハッハ。


おじさんが笑っていると、一匹の猫が店先を通りがかった。

美少女はしゃがんで猫をなでた。

猫はにゃあと鳴いた。

おじさんは微笑ましい光景を見てにこにこした。

この光景におじさんはなんのプラスの効果も与えなかった。

おじさんはほんとにどうでもいい存在だ。

そのことに気づいたとき、おじさんは傷ついた。


「君の言うとおりだった」

と、おじさんは反省した。

そして教えてくれた美少女に感謝した。

感謝のしるしとしておいしいコーヒーをいれてあげた。

「苦いの飲めない」

と美少女は言った。

おじさんはへこんだ。



おじさんはうきうきしていた。

今日はピクニックの日だ。

ピクニックっていいよね。

言葉の響きが。

うきうきした言葉だ。

おじさんはうきうきしてタコさんウインナーをたくさんつくった。

大きな弁当箱にたくさん詰めた。

さあ出発だ。

楽しいなあ。

おじさんは店を出た。



おじさんがいないので美少女は店番をした。

猫もいっしょにいた。

お客の少ない店なので、お客はたまにしか来なかった。

「コーヒー」

と、お客は言った。

「はい」

と言って、美少女はコーヒーをいれた。

自分では飲めないコーヒー。

どんな味なのかよくわからなかった。

美少女はお客がコーヒーを飲むのを見ていた。

お客はうなずいてカップを置き、新聞を読んだ。

新聞の天気欄は晴れのち雨だった。



おじさんがずぶぬれで帰ってきた。

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