第48話
「ピンポーン」
「はーい」
「お邪魔します」
久世さんと話をしてすぐ東雲さんが手続きをしてくれたおかげで、俺は週5の10時から18時になった。時間が短すぎないですか?と思ったけど、東雲さんが「朝が弱いから」ということだったので、しょうがなく折れた感じだ。俺としては高い給料をもらうのだから、8時とか9時からでも平気だったんだけどね。
ちなみに久世さんは火曜と木曜の10時半から11時半に来るらしい。そのときは2人で仕事部屋に入って何か話をしている。俺もまだよく分からない。
午前中になるべく家事の仕事をする。昼食は2人分用意して一緒に食べる。
東雲さんの仕事が今は忙しくないということだったので、午後にのんびりパソコンの操作を教わるという感じだ。東雲さんが準備してくれたノートパソコンを使って、まずはビジネス文書の作り方、エクセルで自分の勤務時間に何をしたかの記録の表を一緒に作った。
東雲さんは謎に教え方がうまくて、説明の内容もすんなり頭に入る。
1時間ごとに東雲さんが「疲れたーーー」と言って休憩に入るので、その間に俺はメモを見直して、なるべく早く東雲さんの力になりたいと思っている。
そうして茹だるような暑さも東雲さんちのエアコンが効いた部屋で過ごし、気がついたら、紅葉が綺麗な季節になりました。とニュースで言っていた。
「井上くんもだいぶパソコン操作に慣れてきたね」
東雲さんが笑顔で褒めてくれて、素直に嬉しかった。
努力の甲斐がある。単純だけど。
こんな穏やかな日が続くと思っていた。




