第47話
「でも東雲さん的に金銭的な負担が増えるんじゃ」
俺がそう言ったら、久世さんは東雲さんに耳打ちした。
「あーそれなら大丈夫」
そして久世さんは俺の方を向いて
「宮内さんにお願いしていた分を井上くんに回せば、金額的には問題ないってさ。金額は見習いということで……だいたいの金額が今の倍くらいになるね」
「やります」
フルタイムで非正規として仕事をするくらいの金額はもらえるらしい。実家で親のスネをかじってる身としてはすごくありがたい提案だ。
「私も今後のために直接雇用の方法は勉強しておきたいんだよねー。井上くんの次が絶対ないとは言えないし」
もうこのときは、自分の先々のことで頭がいっぱいになっていた。
* * *
「ただいまー」
「おかえり。あら今日も上機嫌ね、何かいいことでもあったのかしら」
「実はね、週5の8時間で家政夫をしてみないかって提案してもらったんだ。パソコンとか諸々の勉強も一緒にさせてくれるし、給料も今の倍、もらえるようになるんだ。もちろんその場でオッケーしたよ」
それを聞いて、母さんはニコッと笑った。
「あらあら、本当に嬉しいのね。蒼真がそんなに喋っちゃうなんて」
「そうかな」
途端に恥ずかしくなってきた。
「でもさ、そしたら家にお金を入れることができるよ!少しだけだけど」
そう言ったら母さんは「あらら」と笑って
「それは貯めたり、NISA?に使ったりしなさい。うちはそんなに苦しくないから」と。
家政夫のことといい、貯蓄の話といい、みんなに支えられてるなぁとしみじみしてしまった。




