第41話
ジメジメした季節があっという間に過ぎて、茹だるような季節。
ようやく日常が戻ってきた。
正確には、東雲さんが無理し過ぎない日常が始まった。
今まで通り”元気”なんだけど、”元気すぎる”ことはない。
カーテンはちゃんと開いていて、久世さんも知らないうちに週2回に戻っていた。
”笑っているように見える”ではなく、ちゃんと笑ってくれている。
今日は東雲さんのリクエストでオムライスだ。
次はいつでもいいからハンバーグが食べたいって言ってたな。
早めに母さんに美味しい作り方を教えてもらおう。
「プーリーンー」
珍しく東雲さんが仕事部屋から出てきた。
何だかちょっと疲れてるような?
冷蔵庫を開けるとプリンが1個、ちょこんと居座っている。
「次に来るときに買い足しておきましょうか?」
ようやく言えた!
「いーよー、そんなに私を甘やかしてはいけません」
笑顔で怒られてしまった。
「プリンならコンビニで買えるし」
その、スーパー恐怖症は何なのだろう。
「はぁ」
ため息をつきながらプリンとスプーンを手に取る。
仕事中にこんな姿を見るなんて珍しいな。
「どうかしたんですか?」
「実はね私、人と連絡取るのが苦手なんだけどー」
それで在宅ワーク成り立つのだろうか?
「調子を崩してたときに宮内さんから鬼ほどメールが来てたのー」
宮内さん……そういえば福岡に行ったときに高瀬さんが俺と間違えてたな。
聞いてもいいのかな、どうしようかな。




