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第35話

東雲さんの様子は月曜も変化はなく、水曜日、

「ピンポーン」

「井上くん?」

またこの流れだけど、今回は久世さんに会いたかった!


「久世さん……」

「まあ、今日の帰りにまた話そう」

と久世さんが鍵を開けて室内に入っていく。

相変わらず空気がどんよりしている。


「東雲さん、カーテン開けようね」

今日は慣れた声かけで久世さんがカーテンを開ける。


「……」


ちょっと待って!東雲さん泣いてるじゃん!


「どうしたの」

と久世さんは優しくなだめながら、ベッドに横になってる東雲さんに視線を合わせるようしゃがんだ。

「……」

東雲さんは泣き止む様子はない。俺も流石に釘付けでフリーズしてしまう。


そんなとき久世さんがこちらを見て、極めて優しく

「井上くんは仕事して大丈夫だよ」と。

「あ、はい。分かりました」

俺にはそう言うことと、仕事をすること、それしか出来ない。


仕事の間に東雲さんの様子を見ていたら、泣き止んでたり、ベッドに腰掛けたり、しばらくしたら笑顔も見えたりしてた。

なんだよ。


* * *


「それじゃあ、井上くんに話した後の様子は、また明日教えるからね」

帰り際、相変わらず俺とタイミングを被してきた久世さんが東雲さんにそう声かけた。


すごく不安そうだ。

東雲さんのその様子に、つい口が滑った。


「あ、俺、事情分からなくても大丈夫ですよ」


そしたら東雲さんが驚いた後すぐに壊れそうな笑顔を見せた。


「久世さんにいろいろ聞いていいからね」


「さあ行こうか」

久世さんに言われ、東雲さんちを後にした。

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