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第29話
酔っ払いをホテルの部屋に送り届ける。
「明日は表彰式ですから、その前までに準備しててください」
あ、東雲さんってご飯抜いても平気な人だった
「昼食前に来ますからね」
半分寝てるじゃん。
「おやすみなさい」
さて、自分の部屋に入った俺も、さすがに今日は疲れたな。
相変わらずベッドにうつ伏せに飛び込んだ。
東雲さんのいろんなことを知った。
代表取締役なんてすごい人とも繋がりがあって、俺の分からないような仕事をたくさんしてて、思っていた以上に大人だったな……
と考えていたなと思い出したのは翌日の朝だった。
* * *
昼食前に待ち合わせの場所へ行く。安定の5分前行動だ。
俺はいつも通りの格好なのに、
「お待たせー」
遅れてやってきた東雲さんはドレス?正装だった。
俺ってどこまでも学生だな。ついつい比べてしまうよ。
表彰式の東雲さんは堂々としていた。
移動があったり、遠くで見てたりで、前日と同じくらいに疲れていた。
なのに、帰りは少し饒舌な東雲さん。来るときはあんな子猫のような状態だったのに、新幹線で眠ってもいない。
俺は思い出していた……高瀬さんが言っていた
「身体が弱いんだから」
俺はあの時は、ただの体質だと思っていた。




