第27話
半個室に案内されて、お酒と料理が次々と出されていく。
俺がそんな空気を回せるわけもなく、しばしの沈黙。
それを破ったのは某会社の代表取締役、高瀬さんだった。
「東雲さんが家事代行をまた頼んでくれるようになってよかったよ」
「え?常連さんだったんじゃないんですか?」
「井上くんとの間は3ヶ月くらい空いてたんだよ。仕事が立て込んでるって……そういうときこそ頼めばいいのにって言ったんだけどね」
そうなのか。
「宮内さんとも会ってみたかったな」
「オンライン秘書だから私も会ったことないですよー」
「だったらリアルで会ってる井上くんに頼めばいいのに」
「……え?」
「いろんな人に頼ってるのか、頼れていないのか」
「ちゃんと仕事とかはお願いしてますよー」
「そういうのじゃなくてね」
高瀬さんと東雲さんの会話に置いてけぼり感を感じたので、お酒の勢いで聞いてみた!
「あの、えっと、東雲さんはいったいどんな仕事をしてるんですか?」
「え?」
「いや、俺まったく知らないんです」
「言ってなかったっけー?」
何かWeb系?ディレクター?ライター?いろいろしているみたいだ。
せっかく聞けたのに、社会をまだ知らない俺には分からない世界だった。
「男前の久世さんとくっついてくれたら、俺も安心できるんだけどね」
「久世さん結婚してますよー」
「え?そうなの?やっぱり女性が見過ごすはずないか」
「多分ですけどー」
「確かめたんじゃないんだね」
何か珍しい話題になってきたな、と……ふと気付いた。
「あれ?東雲さん、何杯目ですか?」
「へ?」




