第26話
スーツ姿のビジネスマンが行き交う。
やけに綺麗なロビーで真ん中に噴水まである。
スマホいじってたら時間だって潰せるよな。
……何やってんだろ、俺。
ぼーっとスマホをいじる。
ゲーム、サイト、漫画、小説……
途中トイレに行ったときに自分の姿を鏡で見た。
どこからどう見ても大学生だ。
不相応、不釣り合い、なんで俺がここにいるんだろう。
気付けば、そんなことばかり考えていた。
* * *
「お待たせー」
少しウトウトしていたら聞き覚えのある能天気な声が聞こえてきて、その方を見た。
東雲さんと高瀬さんだ。
「意外と時間がかかってしまったね、申し訳ない」
「お詫びと言ってはなんだけど、夕食をご馳走したいんだけど、どうかな?」
相変わらず畳み掛けるように話してくる。
「え、いいんですか?」
俺の方が食いついてしまった。
17時過ぎた頃で、ちょうどお腹が空いてしまって。
「もちろんだよ、東雲さんも行かないかい?」
「久しぶりの、外でのお酒だ!」
「飲み過ぎてはいけないよ、明日は表彰式なんだろう?」
「あ、そうだった」
それから近くのホテルにチェックインして、18時半ごろにあの建物の前で合流した。
「2人とも海鮮は食べられるかな?」
連れて行かれたのは、これまた俺には不釣り合いな料亭で、つい縮こまってしまう。
「高瀬さんは本当にいろんなお店を知っているんですね」と東雲さんが言うと
「まあ、いろんな付き合いがあるから」
「美味しいお酒が飲めたら、私は十分です!」
東雲さん、そんなにお酒が好きだったんだ。
そのわりには空き缶、そんなに残ってないけどな。




