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第22話
当日は昼食を早めに摂って、12時半に駅で待ち合わせた。余裕を持って向かったのに東雲さんはすでに待ち合わせの場所にいて、俺に気付いたとき、心なしか安心した表情をしたように見えた。
「新幹線のチケットは買ってあるから」
スケジュールは東雲さんのクライアントと久世さんのアドバイスをもとに、東雲さんが作ったらしい。宿泊予定のホテルまで東雲さんが全てネットで予約してあるから安心してって言われた。
俺、足手纏いじゃない?
2人で駅のホームに向かう。
けれどすぐに東雲さんに異変が……
異様にキョロキョロしてるように見えるのだ。
気になったってだけだったけど、久世さんの言葉を思い出した。
”頑張りすぎないように見張ること”
”ついて行ってくれるだけでいい”
「東雲さん、東雲さん」
呼びかけて、はっと俺の方を向く。
「自販機でジュースでも買ってきましょうか?」
柔らかい口調になるよう意識して声をかけた。
「ありがと、お言葉に甘えちゃおうかな」
へにゃっと笑った東雲さんはいつも通りに戻ったようだ。
すぐにオレンジジュースを買っていき、東雲さんも一口だけ飲んでくれた。
新幹線が到着し、指定席に乗り込む。
久世さんの言葉の意味がよく分からなかったけど、俺なりの解釈ができた。
”ひとりにさせないようにしてほしい”
ということだったんじゃないだろうか。




