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第17話
ゴールデンウィークも終わり、ワイドショーが”静かな退職”や”五月病”で賑わっている頃、東雲さんにも少し異変が起こった。
違和感という方が正しいのだろうか。
作り笑いばかりになってしまったのだ。
いや、普通……普通なんだけど、なんかちょっと……。
「って井上くん、聞いてる?」
「え?あ、はい?なんでしょう」
「ってやっぱり聞いてない!」
と言いながら笑う……笑ってるように見える。
何だろうな、この感じ。
無理、してるよな、たぶん。
「ってことで、次に来てもらうとき久世さんが話したいって」
「え?」
「あれ?久世さん、顔合わせたことあったよね?違ったっけ?」
久世さんは確か、前に母さんの鍋を取りに来たときに鉢合わせした看護師だったよな。穏やかな雰囲気の、清潔感がある、東雲さんと歳が近そうな男性。
「え?なんで?」
素直にそう思った。
「詳しくは久世さんに聞いてー」
「私のせいじゃないもんね」
一周まわって、なんか怖いんですけど。
「ということで、明後日の17時前に久世さん来るからー」
* * *
久世さんと会う時間まで、そのことが頭の中でずっとグルグルしてた。
俺、何かしたっけ。
「ピンポーン」
まさか室内から、このピンポンを聞くことになろうとは……




