第15話
「家までは運転できるけど、スーパーには行けそうにないかも。ごめんね」
待ち合わせのときの東雲さんと同一人物とは思えない。
「いや、大丈夫ですよ!それより早く東雲さんの家に戻りましょう」
東雲さんちに着いて、荷物を車から全部下ろす。
「ありがとう」
荷物は全部持ちますんで、早く部屋に戻りましょう、と言ってエレベーターへ東雲さんを促す。足取りはしっかりしてる。顔色が悪いのは、疲労感からか。
部屋に入ったところで
「早く横になりましょう」と声をかけ、東雲さんがふらっとベッドに吸い込まれていく。
もう返事をする気力もないのか。
取り急ぎ、冷蔵庫に入れるべきものだけ入れておく。
残りは明日、仕事中に片付けよう。
今は、なるべく早く東雲さんにゆっくりしてもらいたい。
唇をグッと噛み締め、柔らかい口調で声を掛けた。
「東雲さん、今日はありがとうございました」
「本当ごめんね、申し訳ない」
「大丈夫ですよ、あとはゆっくり休んでくださいね」
帰り道、本当に申し訳ないことをしたなと猛省した。
だってすごく楽しかった。
「ただいま」
「おかえり!お鍋買えた?って蒼真ぁ?」
帰り着いてすぐ、自分の部屋のベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。
無理してたのかな。
疲れさせたのかな。
気を遣わせてたのかな。
どうしちゃったんだろう。
母さんが夜ご飯に呼びに来るまで、頭の中で反省の言葉がグルグルしていた。




