第13話
車内の沈黙はあまり気になるタイプじゃないから、少しだけぼーっと景色を見てた。
俺や東雲さんが住んでるこの辺は、都会じゃないけど田舎でもない。交通量も多くはないけど、少なくもない。おしゃれなお店はそんなにないけど、必要なものを買えるだけのお店はある。住みやすい環境なんじゃないかと俺は思ってる。まぁ、そんな中でも一際目立ってるのが、東雲さんが住んでるマンションなんだけど。
「仕事じゃない日にも付き合ってくれるなんて、物好きだよね」
沈黙を破ったのは東雲さんの方だった。
「やっぱり迷惑でしたか?」
「そんなんじゃなくって、こんなおばちゃんと出かけても楽しくないだろうにって思って」
「そんなことないですよ。というかおばちゃんって……東雲さんってそんなに年上なんですか?」
女性には聞きにくい話題だったけど、自然に聞くことが出来たかな。
「井上くんは22歳、だったよね」
「はい」
「………………34歳です」
はい?
え、本当に?
そんなに離れてるの?
そうは見えないんだけど。
アレか、童顔ってやつか!
いや待て。それ、本人に言っていいやつか?
「もう!何か言ってよー」
おっと。
「いや、そうなんだって自己完結してました」
「何それ」
ケタケタと笑う東雲さん。
「じゃあ、東雲さんって血液型は何ですか?いや、当てていいですか?」
「何型だと思う?」
「絶対にAB型ですよね」
「当たりーー」
そうこうしているうちに、最初の目的地ホームセンターに着いた。
駐車場にバックで停める姿はまさに年上女性だ。
俺が知ってる東雲さんの姿じゃない。
平日の午後ということもあり、お客さんは本当に少なかった。
「まずはお鍋だったよね」
片手鍋のコーナーに到着すると、東雲さんがフリーズしてしまった。




