第15話 歌い女(うたいめ)
【巻ノ一・残頁拾伍:京兆尹・城北防疫告示(残損)】
「城北に瘴気突発、疫病の疑いあり。即日より、城北十三坊を封鎖す。出入りを厳禁し、違う者は格殺勿論とする。
備考:封鎖に派遣した八名の衙役のうち、逃げ帰ったのは三名のみ。残る五名は……生還者の証言によれば、霧の中で『土鍋』と化し、不気味な姿勢で軒下に座り込み、離れるのを拒否したという」――『京兆尹・未発表の公文・丙字号档案』
【司天監内部メモ】
「過濾器」――錬丹術において、毒気や廃カスを吸着させる消耗品。通常は安価な粗陶、木炭、石灰で作られる。だがこれらの材料が不足した時、一部の狂った方士は、より低廉で、より隙間の多い代替品を使用する。
つまり、貧民だ。
†
忘憂閣の大広間は、猛火で煮込まれる肉のスープのように沸き立っていた。
四隅の真鍮の獣首から吐き出される床暖房の熱気が、骨の髄まで気怠く溶かす。サメの絹を被せた数十の提灯が高く吊るされ、大広間全体を淫靡な暗赤色に染めている。溶かしきれないほど濃厚な白粉の香りと、博山炉から幽々と吐き出される、微かな幻覚を誘う紫の煙が混ざり合う。
酔いの回った高官や富商たちが、衣を半ば脱いだ女たちを抱き寄せ、粘りつくような嬌声を上げていた。
誰も、大広間の最も辺鄙で暗い隅など気に留めない。
そこに、秦琴を弾く盲目の歌女が座っていた。
洗い晒された素白の衣。薄っぺらな身体は、この豪奢な空間の中で、ペルシャ絨毯に落ちた黄ばんだ藁半紙のようだ。目障りで、安っぽく、この場にそぐわない死の気配を放っていた。
謝必安は、残り一口となった紫河車(胎盤)漬けの花彫酒の杯を持ち、ふらふらと阿笙の前に歩み寄った。
沈無が刀の柄に手を当て、眉をひそめて後に続く。
骨灰と泥水にまみれた汚い官服。そして死人の山から這い出してきたような恐ろしい形相。すり寄って酒を勧めようとした酔っ払いたちは、酔いが一気に覚め、青ざめて後退りした。
チャリン。
謝必安が無造作に投げた銀塊が空中で弧を描き、阿笙の前にある欠けた欠け碗に正確に飛び込んだ。碗が激しく二度揺れる。
撥が琴の弦の上でピタリと止まった。細い氷が折れるような秦琴の鋭い余韻が、喧騒の中で唐突に消え去る。
阿笙の薄い身体が縮こまった。怯えるウズラのようだ。視力のない眼窩が、不安げに音の方向へ向けられた。
「この曲は冷たすぎる。床暖房の熱気でも抑えきれない。この銷金窟の空気には合わないな」
謝必安は着物の裾をまくり、彼女の前にしゃがみ込んだ。視線を、黒血が滲む目隠しの布の高さに合わせる。
「曲は聴かない。この銀塊で、あんたの物語を買おう。城北の大霧と……地下の心音についてだ」
その時。謝必安の懐の高価な白狐の毛皮が微かに盛り上がった。
純銀色の毛玉が、嫌そうに半分だけ顔を出す。ついて来た異猫、阿奴だ。
盲目の歌女から漂う、安い白粉と血が混じった鉄サビの匂い。
極度の潔癖症である銀猫の機嫌を損ねた。阿奴のオッドアイに嫌悪が走る。喉の奥で低くウゥゥと警告音を漏らした。泥溝に足を踏み入れた貴族の令嬢だ。この汚濁した空気を一呼吸たりとも吸いたくないのか、毛むくじゃらの前足を上げ、パシッと自分のピンク色の鼻先を塞いだ。
阿奴は阿笙を二度と見ようとせず、全身で嫌悪感を露わにしながら、謝必安の狐の毛皮の奥深くへと乱暴に潜り込んだ。煩わしげに振られる銀色の尻尾の先だけを残し、この専属の乗り物が自分をこんな底辺の場所へ連れてきたことを無言で非難していた。
謝必安はため息をついて首を振るしかない。
一方、歌女は「城北」の二文字を聞いた瞬間、骨と皮ばかりの細い手で秦琴の首を抱きしめた。指の関節が白く死の灰のように強張る。
安い白粉と血の鉄サビの匂いが、彼女の恐怖の呼吸とともに波のように湧き出し、沈無の鼻腔を直撃した。
「霧……あれは、生き物でした……」
阿笙の喉の奥から、カラカラという乾いた嚥下音が漏れた。粗い二つの石が擦れ合うような嗄れ声。背筋が凍るような絶望感が漂っている。
「半月前、霧は城北のドブや廃井戸から湧き出してきました。最初は地面を這う薄い灰色の気で、腐ったリンゴの匂いがしました。私たちの『貧里』では色んな臭いに慣れているので、誰も気に留めませんでした。でも夜になると……霧はどんどん濃くなり、匂いも変わったんです。腐ったリンゴの匂いに、血生臭い鉄の匂いが混じって。むせ返るほど甘くて、甘すぎて頭がくらくらして、吐き気がして……」
「その心音は?」沈無が一歩前に出た。焦るような口調で問い詰める。
「骨の髄から響いてくるような音でした」
阿笙は細い指で琴の共鳴箱を軽く叩いた。ドン、ドン、ドン。鈍い音で、記憶の中の恐怖を再現しようとする。「一度鼓動するたびに、地面にひび割れができました。霧の中の灰色の気は、まるで目を持った虫のようにその隙間から這い出してきて……狂ったように人間の七つの穴へ潜り込んでくるんです」
阿笙の身体の震えがさらに激しくなる。目隠しの黒布から新たな黒血が滲み、青白い頬を伝い落ちた。
「みんな『寒い』と叫び始めました。歯の根が合わないほどに。隣の王のおばさんは、霧が洗濯物を汚したと大声で悪態をついていたのに……突然、声が途絶えました。首を絞められたように。私はもう目がよく見えなくて、壁伝いに手探りで進むしかなくて……その時、手に、灰色の土の塊が触れました」
阿笙は汚れのついた両手を上げ、空中で無力に何かを掴むような仕草をした。
「おばさんは……砕けていました。生きた人間が、乾いた土の破片の山に変わってしまったんです。一滴の血も流さずに」
阿笙の声に、崩壊したような泣き声が混じる。
「私は恐ろしくて、転びながら必死で城外へ逃げました。濃霧の中で、自分の眼球が熱く焼けるのを感じました。熱湯が眼底で煮えたぎっているように。記憶を頼りに城北の鳥居を這い出し、雪の中に倒れ込んだ時……完全に何も見えなくなりました」
「あんたの目は、毒気で燻されて失明したんじゃない」
謝必安は最後まで聞き終え、ゆっくりと立ち上がった。
顔に同情や憐憫の欠片もない。腐った木材を調べる大工か、不良品を査定する窯焼き職人のような、極度の専門性と冷淡さがそこにあった。
「あんたは『窯の火』の余熱で、両目をこんがりと焼き上げられたのさ」
謝必安は、杯の底に残っていた琥珀のように粘りつく紫河車花彫酒を飲み干した。辛味のある泥の匂いが喉の奥で炸裂する。
「生きてあの通りから這い出せたのは、あんたが痩せこけていて、身体に『油』が足りなかったからだ。合格品の燃料になる資格がなかっただけだ」
言い捨てると、白玉の杯を机に放り投げた。カシャンと澄んだ音が響く。
「行くぞ、沈大人。物語を聞き終えたら、下水道の修理だ」
†
忘憂閣の重厚な彫花の紅木の扉を押し開ける。
外の世界と中の軟紅塵は、完全に引き裂かれた二つの極端な空間だった。
建康城の冬の夜に、風花雪月の詩情など微塵もない。骨を刺す寒風が細かな氷の欠片を巻き込み、狂暴な音を立てて無人の通りを吹き抜ける。足の指をへし折るような残酷な底冷えだ。
沈無は、骨がとろけるような床暖房の熱気から出たばかりだ。氷と雪を孕んだ冷風を顔に受け、胃の中で未消化の紫河車花彫酒が一気に逆流した。胎盤の生臭さと泥の匂いが混ざった辛味が脳天を突き抜ける。
思わず腰をかがめ、ゴホッゴホッと乾嘔をした。吐き出した白い息が空中で瞬時に氷晶となる。
「クソみたいな天気だ」
謝必安は分厚い白狐の毛皮の外套をきつく引き寄せた。去り際、腕の傷が癒えていないのを見た蘇小小が、白眼を剥きながら無理やり押し付けてきたものだ。
「皇帝のジジイは今頃、宮中で恒温の『コールドスリープカプセル』を満喫しているってのに。固定給で働く俺たちは、こんな凍えるような真夜中に便所の詰まりを抜きに出なきゃならないんだからな」
二人は朱雀大街を北へ急ぐ。
皇城から遠ざかるにつれ、両側の建物は荒れ果て、冷え切っていた周囲の空気が次第に粘り気を帯びてきた。
城北十三坊の、今にも崩れそうな巨大な石の鳥居の下に立った時。沈無の呼吸が思わず止まった。
鳥居の奥。光の欠片もなく、犬の吠え声も人の声もしない。
そこには溶かしきれないほど巨大な灰色の霧の壁がとぐろを巻き、城北の貧民窟全体を完全に飲み込んでいた。
霧は病的な、ずしりと重い鉛灰色をしている。風のない通りで、ゆっくりと蠢いている。まるで食事中の巨大な軟体動物だ。
腐ったリンゴと鉄サビが混ざった異常に甘く生臭い匂いが、四方八方から顔を打つ。沈無は鼻腔が痺れ、視界がわずかに歪むのを感じた。忘憂閣の最も粗悪な花彫酒の百倍は鼻を突く。土の底から完全に腐りきった巨大な死の気配を透かせていた。
「息を止めろ。すぐに内力で小周天を回せ」
謝必安は顔を曇らせ、懐から朱砂の呪符が描かれた黄色い紙を二枚取り出した。パンッ、パンッと軽い音を立て、自分と沈無の肩にそれぞれ叩きつける。
「いいか、絶対に大きく息を吸い込むな。これはただの毒の瘴気じゃない。皇帝の玉心が燃焼した後に排出される『廃カス』だ。吸い込めば、肺葉が石になるぞ」
二人は肩を並べて鳥居をくぐり、灰色の霧の中へと足を踏み入れた。
視界が一気に圧縮される。三尺先も見えない。霧はずしりと重く、不気味な湿気を帯びて肌に張り付く。冷たく粘りつく骨の灰で全身を包まれたようだ。
周囲は不安になるほど静まり返っている。
その時。
極めて鈍く、テンポの遅い、ドン……ドン……という震動音が、冷たい青石の板から足の裏を伝わってきた。
沈無の心が激しく震えた。
音は巨大だが、ひどく遠くから聞こえる。まるで建康城全体の地下深くに、ゆっくりと鼓動する巨大な心臓が埋まっているようだ。
その音のリズムに合わせ、沈無は自分の胸の心拍が制御を失い、共鳴しようとしていることに気づき恐怖した。血管の中で血液がザーザーと逆流する音が響き、こめかみが張り裂けそうに痛む。視界の縁に不吉な赤い光が滲み始めた。
「心神を保て!」
謝必安が低く叫び、蘇小小に金糸で縫合されたばかりの琉璃の右手で、沈無の背中を叩いた。
極めて純粋で冷たい霊力が瞬時に注入され、沈無の危険な生理的共鳴を強引に断ち切る。
「奴のテンポに合わせるな。聴覚を半分塞げ。あれは至穢なる物の震動の反響だ。合わせて鼓動すれば、一炷の香(約三十分)も経たないうちに内臓が血の泥に変わるぞ」
謝必安は眉をひそめ、手元の火打石の微弱なオレンジ色の光を頼りに、警戒しながら通りの両側を見た。
沈無は荒い息を吐き、火の光の暈をたどって視線を向けた。氷の欠片が混ざったような冷気を吸い込む。
通りの両側の軒下、崩れかけた壁の隅。数え切れないほどの人が無造作に「座って」いる。
だが、それはもう人とは呼べないものだった。
沈無は刀の柄を握りしめ、壁の隅に縮こまっている「人」の前に慎重に歩み寄った。ボロボロの綿入れから、城北でよく見かける乞食だと辛うじて判別できる。
沈無は黒い刀の鞘を伸ばし、探るようにその乞食の肩に軽く触れた。
カシャン。
静寂の中に、陶器が砕けるような極めて澄んだ音が響いた。
乞食の肩が、頭の半分ごと、刀の鞘の接触で直接砕け散った。大きな塊となって地面に落ち、無数の灰白色の破片となって飛び散る。
血は噴き出さず、内臓もこぼれ落ちない。
身体の内部は完全に空洞だった。表面の、本来なら人間の皮膚と筋肉であったはずの層は、完全に石灰化し、無数の気孔が空いた極めて粗悪な灰白色の粘土に変わっていた。
そして、その人皮の粘土の内壁には、粘りつく黒いゲル状の物質がびっしりと吸着している。吐き気を催すような腐ったリンゴの甘腥い匂いは、まさにこの黒い粘液から発せられていたのだ。
「こいつら……全員、土鍋になったのか?」沈無の声が震える。刀を握る手の甲に青筋が浮いた。
「俺たち雑項科では、これを『劣悪な窯の皮』と呼ぶ」
謝必安は通りに散乱する陶器の破片を無表情で見下ろした。氷室に十年放置された生鉄のように冷たい声だ。
「国師は建康城の地下に陣法を敷き、皇帝の胸の玉心から過負荷で漏れ出した毒気を、すべて一番標高の低い城北へ排出した。だが毒気は空中に消えたりはしない。必ず入れる容器が必要だ」
謝必安はつま先で砕けた粘土の下顎を無造作に蹴り飛ばした。内側の黒い毒液を見つめる。
「貧民窟の人間は、命が安く、肉体が粗野で、毎日肉体労働をして毛穴が開いている。国師のような狂人の目には、これが最も完璧で、最もコストの低い使い捨ての『過濾器』に映ったのさ。玉心の力が強引に彼らの肉体を『容器化』した。毒気を吸い尽くし、血肉を抜き取られ、人間は陶器のカスに焼かれた。穴を掘る必要もない、埋葬する必要もない。風が吹けば散る……まさに天才的で、人間の心を完全に喪失したエコな設計だ」
沈無は奥歯を噛み締めた。口の中に血の味が広がる。
鏡妖司の千戸として、妖魔鬼怪が人を食う惨状は見慣れている。だが、無数の生きた民を消耗品として扱い、死体すら残さないこの人間性の欠片もない残酷さは、武人としての彼の越えてはならない一線を踏みにじった。
地下から再び、ドン――と、かつてないほど巨大な心音が響いた。
今回の震動は極めて激しい。通りの両側の今にも崩れそうな木造家屋が、ミシミシと苦痛の呻きを上げ、大量の埃と積雪が軒からバサバサと落ちてきた。
前方の灰色の霧が、煮え滾る熱湯のように激しく沸き立った。
「下がれ!」
謝必安は有無を言わさず沈無の襟首を掴み、後ろへ強く引き戻す。
少し前方の廃棄された古井戸。井戸の縁にある数百斤の青石の板が、耳をつんざくようなガラガラという破砕音とともに、下から強大な力で強引に突き上げられた。
赤ん坊の腕ほどの太さの、全体が半透明の玉のような質感をした「根」が漆黒の井戸の口からゆっくりと姿を現した。中には灰黒色の毒液が流れているのがはっきりと見える。目のない巨大な毒蛇のようだ。
それは濃い灰色の霧の中で、命を持っているかのように微かに身をよじる。表面が心音の鼓動に合わせて発光するたび、井戸の口からシューッという空気の漏れる音が響き、腐ったリンゴの匂いの極めて濃厚な毒霧が大量に吐き出された。
周囲の「粗悪な土鍋」と化した無辜の死骸たちは、間違いなくこの代物の仕業だ。
謝必安の懐に縮こまり、城北の泥で肉球を汚すまいと頑なに顔を出さなかった阿奴が、この奇妙な波動に突然驚いて顔を出した。
狐の毛皮の襟元から頭を突き出す。気怠げだったオッドアイの瞳が瞬時に極めて攻撃的な細い線に収縮し、その半透明の玉の根を凝視した。
皇帝の玉心から漏れ出した力。それは「大妖の内丹」しか食べないこの異猫にとって、世にも稀な満漢全席に匹敵する膨大な霊気を含んでいる。
しかし。それにへばりついた強烈な腐ったリンゴの悪臭と、粘りつく灰黒色の毒液が、重度の潔癖症であるこの食いしん坊を深い絶望のどん底に叩き落とした。
阿奴の目に極度の強欲な光が瞬く。喉の奥から制御不能なゴクリという嚥下音が漏れる。だが近づいた途端、天を衝くような悪臭に燻され、立て続けにえずいた。
全身の銀の毛を逆立て、玉の根に向かって「シャーッ」と威嚇と嫌悪に満ちた声を上げる。
最終的に、ツンデレな理性が食欲に打ち勝った。阿奴は苦しげに顔を背け、鋭い両方の前足で謝必安の襟を引っ掻き、ニャオオと急かすように鳴く。
その目は、専属の二本足の奴隷に向かってこう怒鳴っているようだった。
『何ボーッとしてるのよ! さっさとこの「肥溜めに落ちた特上和牛」を綺麗に洗って切り分けなさいよ!』
謝必安に阿奴の小芝居に付き合っている暇はない。全神経を集中させ、目の前の異相を警戒している。
「これが、あの心音の発生源か?」沈無は長刀を強く握りしめた。掌は滑りつくような冷や汗でびっしょりだ。目の前に現れたのがこれほど細い根の先だけだとしても、そこから放たれる陰邪な気配は、魂の底からの窒息感をもたらした。
「発生源だと?」
謝必安は顔を上げ、空気中に毒気を漏らし続けている玉の根を見た。青白い顔は、今や黒い水が滴り落ちそうなほどに沈み込んでいる。
分厚い包帯が巻かれた右手で口と鼻を強く覆い、自嘲と諦めに満ちた苦笑いを漏らした。
「沈大人、楽観的すぎる。その哀れな安堵は引っ込めておけ」
「こんなものは『水道管』にすらなりゃしない。これは皇帝の腐りゆく玉心が地脈に沿って伸ばした、ただの『毛細血管』の一本に過ぎないんだ」
謝必安は底なしの古井戸を凝視した。その視線は地層を突き抜け、この城のとうの昔に腐り切った土台を見透かしている。
「よく考えてみろ……たかが一本の毛細血管でさえ、地下の凄まじい圧力で破裂し、強引に地面へ突き出してきているんだぞ……」
謝必安は振り返り、沈無の驚愕した顔を見た。一字一字を噛み締めるように言う。
「皇宮の地下に埋まっている『メインパイプ』の圧力は、一体どれほどの限界に達していると思う?」




