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第43話 vsアメリカ代表

 本戦はトーナメント形式ではなく、総当たり戦である。

 合計、七回のバトルを行い、その勝率で優勝者を決めるというものだ。

 万が一、同率一位が生まれてしまった場合は再戦を行うというルールになっている。魔王杯のように優勝者が二人にならないように配慮した結果である。



 シンの初戦の相手は開催国であるアメリカ代表の選手だった。

 プロバスケット選手顔負けの長身である彼が装着するシエルデヴァイスはやけに小さく見えた。



「「侵略アンヴァズィオン!」」



 予習のお陰で彼の契約カードについては理解している。

 強力なカードである事に間違いないが【魅惑の小悪魔】は絶対に負けないと確信していた。

 セオリー通りにランク破まで進化させて、いつも通りの戦法を選択する。



「俺は【魅惑の魔物】で【死者祭宴ししゃさいえん御子神みこがみ】を攻撃」

「これが"毒刺突兎スティンガー・ラビット"か。いくよ、ランクアップ・ファイティング・エヴォリューション!!」



 アメリカ代表のメイソンの呼吸が乱れ、契約モンスターであるボロボロの布を纏うガイコツが震え始める。

 やがて、彼のモンスターは繭に包まれ、真の姿を現わした。

 その姿は右手にはロッドを、左手にはドクロを持ち、所々が破れているドレスを身に纏った女性型モンスターだった。



「君とは相性が良くないけど、最後まで足掻かせて貰う。【冥府めいふ女神めがみ】の効果発動!」



 息を切らしながら命令を下すメイソンに従い、女性型モンスターがロッドを床に突き刺すと床が澱み、溢れ出るように数々の朽ち果てたモンスターが出現した。



「僕の【冥府の女神】はこれまでに倒してきたモンスターの骨を使役する」



 人型や獣型のガイコツを止めどなく出現させ、その圧倒的な数で相手を倒し切るのがメイソンの戦い方だ。

 彼に勝つ為には【冥府の女神】まで進化させない事が重要になる。

 しかし、それはまともに勝つ方法であり、初戦の対戦相手であるシンと【魅惑の魔物】はまともではないのだ。



「俺は【魅惑の魔物】の効果発動。これで俺のモンスターは攻撃対象にならない」

「そうするよね……。でも降伏サレンダーはしないよ。開催国アメリカ代表として華々しく散る事にするよ」

「格好良いな。【魅惑の魔物】で攻撃!」



 神をも恐れぬ悪魔はその毒を持つ尻尾で立て続けに攻撃を行い、【冥府の女神】を地に沈めた。



「骨の軍隊には圧倒されました」

「初戦を黒星発進は痛いけど仕方ないね。良いバトルだった」

「ランク急のカードを使って身体は平気ですか?」

「僕は何ともないよ。シエル症候群シンドロームは謎の多い病気だけど、怖がっていたら何も出来ないからね。次のバトルも全力で行かせて貰うよ」



 男前の青年と別れたシンは大スクリーンに表示され続けている対戦表に白星が付いた事を確認し、次のバトルが始まるまで別の選手の試合を観戦する事にした。

 真っ先に向ったのはフランス代表選手がバトルしているリングだ。

 情報収集を兼ねているがそれよりもシンが確認したかった事は使用しているカードについてだった。



 フランス代表選手は魔王杯にも参加していたAimeeエメである。

 あの時は他者のカードを使用してシンと共に優勝を果たしているが今回は自分自身のカードで参戦していた。

 そのカードを所有している事が話題となり、Aimeeエメもまた一気に知名度を上げている。

【死者祭宴の小神】→【死者祭宴の御子神】→【冥府の女神】

ランク:序→破→急

カテゴリー:godゴッド

モチーフ:女神 ミクトランシワトル

効果:これまでに倒してきたモンスターの骨を使役する。1ターンで複数回の攻撃が可能だが、個々のモンスターの効果やスキルを使用する事はできない。

契約者:アメリカ人 メイソン選手

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