「少年Rの正体は」
「アレグム団員!王子はどこです!?」
浮上してきた意識のなか、ランソワさんの大きな声が聞こえてきた。驚いたな。ランソワさんのこんなに慌てた声は初めて聞くぞ。
ぼうっとする頭を無視して無理やり目を開けると、目の前にはランソワさんがいた。
「ラ、ランソワさん…?」
そして、俺はハッとする。
そうだ、強盗に襲われたんだった!!
「ランソワさん、俺たち強盗に襲われたんです!!」
「ええそれは聞きました!それで、王子はどこにいるのですか!!」
俺の肩をがっしりと掴んで、ランソワさんが話しかけてくる。
「えっ…?今日は、王子の代わりにここにいるんです。王子はここには居ませんでしたよ?」
そうだ。王子は強盗とはあっていない。城にいるはずだ。
そんなことを話していると、少し離れた所で固まって立っていた、王子の…ラグの友達のヘレナが恐る恐る口を開いた。
「あの…アレグムさん。王子ってもしかして、ラグのことですか…!?」
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目の前で繰り広げられているのは、私の生活とは程遠いものだった。
王子?
それは、この国の王子、レグネス王子のこと?
しかし話を聞いていれば、まるでアレグムさんと行動を共にしていて、しかもここにいつも来ている人物のようだったのだ。
まさか。
「あの…アレグムさん。王子ってもしかして、ラグのことですか…!?」
「…そうだよ。ラグは、彼はレグネス王子だ。」
なんということ!?
つまり私たちはずっと、王子と遊んできたことなる…!
衝撃を受けて再び固まった私を他所に、目の前の会話は再び始まっていた。
「王は、王子は友達の家に泊まると言ったと仰られたのです。」
「つまり、城にはいないのですか?いったいどこに!?」
そこで私は、今絶対に伝えなければならないことを口に出した。
「ラグは、レグネス王子はここに来ました!」
アレグムさんとランソワさんが、驚いた顔で私を見た。
「レグネス王子は、強盗が去ったあとにここに来ました。私が状況を伝えると、そのまま何処かへ行ってしまったんです。」
するとアレグムさんが、まさか、と声を出す。
「強盗を追って、アジトに向かったんじゃあ…!?」
なんだか、とても不味いことになってきた。




