「コーヒーは飲んでいなかったよ」
夜そして悪天候のなか、外に出ている村人は一人として居なかった。天気の悪いときは早く寝るのが一番!とか、そんなものだろう。俺の住んでた頃はそんなもんだったから。
そのお陰で、人目を気にせず目的地まで一気に着くことができた。
「ここか。」
俺の目の前には、そこそこ大きい建物。
俺が昔お世話になってました、村役場だ。
中からは、微かに何者かが暴れているような音や声が聞こえてくる。こういう場合は、裏からまわって登場した方がいいのだが、めんどくさいので正面から堂々と入る。
「こんばんはー。ボスはいますかー?」
中では乱闘があったらしく、数人の人が倒れて気絶していた。所々怪我をしていたが、命の心配はなさそうだ。
そして荒らされた部屋の中、立っている強盗たちの淀んだ気配に囲まれるようにしてかろうじて立っていた者がいた。
村長かなにかだろう、一人の老人だった。
「じいちゃん、休んどいていいよ。俺が全部終わらせるから。」
俺が笑って声をかけると、まだ周りに強盗たちがいるにも関わらずその場にヘトッと座り込んだ。
「何だお前は?大人しくしてないと、こいつらみたいになんぞ!!」
と、強盗のうち一人が、倒れている村人たちを顎で示しながら挑発してきた。
…さっきの町の方の仲間たちと同じ反応をしている。面白味が無いなコイツら。
よし、一人残してさっさと殺ってしまおう。
幸い、そこで座り込んでるじいちゃん意外は意識がないくらい大人しくしている。少し暴れても大丈夫だろう。
俺は両手を武器へと変えた。
右側には剣を
左手には斧を。
「ばっ、化物だ!!」
それを合図に、俺は強盗たちへと襲い掛かった。
“化物だ!”っていつも同じ台詞だから、たまには“うおー!すげぇ、かっこいー!”とか言われてみたいもんだな。
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それから数分間、俺は強盗を千切っては投げ…ではなくて、滅多切りにした。ボスらしい奴が見当たらない。どいつだろう、まさかもう殺ってしまったのだろうか。
「ボス、逃げてくだせぇ!!」
強盗の一人の男が、髭のモッサリとした中年の奴に言う。
成程、そいつがボスね。
ボスは分かったので、俺は迷うことなく次々と強盗たちを潰していく。
あと二人…一人…よし!終わり。
ところが後ろを振り向くと、そこにはじいちゃんを人質にした、強盗のボスがいたのだ。
「動くなよ!俺がいなくなるまでに動くと、こいつの息の根が止まるぞ!?」
「…ちっ。」
俺は思わず舌打ちをする。男の持っていた武器が、普通の強盗の奴らが持っていたような武器ではなくて拳銃だったのだ。拳銃はそこそこレアで、普通の武器屋にはまずない。
ちなみに、俺の苦手なタイプの武器である。弾に身体を撃たれると、死にそうなほど痛むのだ。
死なないけどね。




