勝負!ラスト…掛け値あり!!
「…ここっすか」
「…ここだよ?」
「おいおい何だよ、ここが不満か!?」
「いや、そんな事無いっす、はい」
俺と阿見津先輩が入った店は時雨先輩の喫茶店だった。…しばらくぶりに来たな
「しっかし、もうそんな時期だったか。社会にでちまったら感覚がにぶっちまってるなぁ!」
「…瞳先輩、コーヒー2杯とパンケーキ2つお願い出来ますか?」
「あいよーっ!」
時雨先輩は勢いよくキッチンに入っていった。…なんか勝手に注文決められたが、まぁいいか
「…河内君と二人きりって、実は意外と私、多い気がするんだ?」
「そう言われればそうっすね。付き合うようになってからはカオルさんとも二人きりにはなるっすけど、部活では阿見津先輩とはよく二人になるっすね」
「…なんか、不思議だね?」
「そうっすね」
「はいよ、パンケーキ2つとコーヒー2つな!」
「はやいっすね」
「それが取り柄だからな!じゃ、ゆっくりしてけよー!」
俺たちに注文したものを持ってくると、時雨先輩はそのまま中に行ってしまった。…自由だなおい
「…河内君、悩んでるでしょ?」
「へ?」
あまりにも唐突ながら的を射た質問に俺は変な声を出してしまった。不覚だ
「ま、まぁ…確かに悩んではいますね。覚悟はしてたんすけど…」
「…私たちが、いなくなる事?」
「そうっすね。それに…憐香も転校らしくて」
「大道寺さんが?それは私も初耳かな?」
「まぁ、あいつは誰にも言わずに居なくなるみたいっす。全く、変わらず意地っ張りっすよ」
「…さすが、ショー部の部員ってだけはあるね?」
「そうっすね」
そして二人で笑い合う。…
「阿見津先輩。…次の部長の指名、先輩がやるんすよね」
「?…そうだけど、それがどうかしたの?」
「…次回の部長の件なんですが…」
「…はい、皆注目~?」
とある日の放課後、俺はしばらくぶりに全員揃った部活に顔を出していた。…まぁ、俺はいつも出てたんだがな
「しばらく振りですわね、こうやって全員が集まるなんて」
「…あぁ、そうだな」
憐香が何気なく呟く一言が何となく胸に刺さる。…やっぱ言う気無しか、本当に面倒な意地だな
「…とりあえず部長、今日は何を?」
ユキが普通に阿見津先輩に今日の活動内容を聞く。それに対し阿見津先輩は少し微笑んで告げた
「…今日は最後の『ショー部の勝負』をやりたいと思うの。…内容は、『校内かくれんぼ』でどうかな?」
「校内かくれんぼ!?ここ広いから楽しそうですー!!」
真っ先にはしゃぎだしたのは真昼。ただ正直俺は驚いていた。…確かに希望高校は広いが…
「…そして、もうチームも考えてあるんだ?見てもらえるかな?」
阿見津先輩は俺たちにそのチーム分けがなされた紙を見せる
Aチーム(鬼側)
河内淳
朝野風
夜羽玲羅
夜羽愛羅
アリス・ミルフォード
桜コハル
Bチーム(逃げ側)
阿見津弓佳
暦居都留
大道寺憐香
讃岐真昼
河内蜜柑
円谷雪
…逃げ側と鬼側を半々ずつに分けたのか…こうなると、鬼側が圧倒的有利な気がするが…それに逃げ側で運動に長けてるのはブラック状態の暦先輩、真昼くらいか。後は皆あんまり…って感じだよな
「…いいの、ユミカ?鬼多いヨ?」
それにアリスが気付いたらしく突っ込んだ。だが阿見津先輩は首を縦に振った
「…私たち、一年生とは絡み少なかったから…こうするしか無かったかな?それに…大道寺さんは河内君を負かしたいみたいだし?」
「私そんな事口にしてませんわよ!?…まぁいいです、こうでも無かったら私、淳に借りを返せませんし…」
「…?」
憐香が何か気になる事を言った気がしたが…まぁいいか
「…じゃ、阿見津先輩、賭けをしませんか?」
「…賭け?」
阿見津先輩が少し驚いた顔をしている。…実際俺たちの中での勝負はそういう何かを賭けるという行為は無かったからだ。…理由は知らんが
「…で、内容はこうっす。勝った方が負けた方の言うことを聞く。シンプルかつベストな案っす」
「…良い案かも。私も河内君にさせたいことあるし…?」
「なんかってなんすか、と言っても教えてくれないんすよね。まぁいいっす、簡単には逃がさないんで、覚悟してください」
「…望むところ」




