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香添院 香織

「…じゃあ、またっす」


「…お疲れ?」


とある日の夕暮れ、俺たちは部活が終わりそれぞれの帰宅の途に着く。俺の隣には風が居る。実際毎回こんな感じである。ただ…


「…気になるよな?」


「うん。さっきから誰かついてきてるよね?」


先程から誰かがついてきている。誰かは分からないが…


「…とりあえず…」


「うん」


俺たちはとりあえず歩き出す。行き先は…



「…じゃ」


「そこだね!」


「!!?」


俺たちは近くの公園で足を止め振り替える。…尾行の足はずいぶん近かったため、広い場所に居たら分かるだろうと踏んだためだ。俺たちの跡を追っていたのは…


「あ…あ、の~」


「…女の子?」


そこには随分小さな女の子が立っていた。ただ…髪の毛がとりあえず長い。膝くらいまであるだろうか。それを全くいじらず、まっすぐな辺りがすごい。あれはプールとかで濡らしたら大変だろうなぁ…って、そうじゃなく、あれはうちの制服じゃないが、間違いなく高校の制服だ。たしか未来学院…だったか?そんな子がなんで俺たちを…?


「あっつん、友達?」


「いや、俺には記憶には無いが」


「そ、それはそ、うですよ~?」


「だったら名を名のってくれねぇか?正直困ってんだが」


「あ、す、すいませ、ん!」


目の前の女の子は深々とおじぎをし、挨拶をしてきた


「私の名前は香添院(こうてんいん) 香織(かおり)っていいます!未来学院の三年生です!」


「…3年!?」


年上…だと!?こんなちっこい子が!?


「あ、べ、別にそこは気にしないで!?わ、私は怪しい人じゃないよ!?」


「「いや、堂々とストーカーしてた人間に言われたくは無いっす」」


「だよねー」


…なんだこの人


「…で、貴方達は弓佳の知り合い…ですか?」


「え?あ、はい、そうっすけど…」


弓佳…という事は、阿見津先輩の知り合いか。だとすると幼馴染み的な何かか?


「…弓佳は、元気ですか?」


「は、はい、元気ですよ?今はあたし達が入ってる部活動で部長をやってるんですよ」


「え!?あの弓佳が、ですか!?へぇ…あの子、頑張ってるんだぁ…」


風の言葉を聞いた香添院さんは凄く嬉しそうな感じだ。そういや阿見津先輩が声を無くしたのは中学の時だったか?それなら確かに心配になる気持ちも分かるかも知れない


「…で、香添院さん」


「香織でいいよ?名字長いし…」


「じゃあ、香織さん。なんで阿見津先輩の話を聞くんすか?」


「…実は…」


香織先輩は表情を濁しながらも、続けた


「…弓佳、同窓会を欠席するって言ってたから…」


「同窓会、ですか?」


中学の同窓会を欠席、か。まぁ正直無理もないだろ、いじめられてるんだから。この人はそんな事も分からないのか?


俺はその事にいらつきながらもなんとか言葉を返した


「…それが、何か問題なんすかね?」


「問題だよ!!だって弓佳を無理矢理連れだそうとしてる人たちが居るんだから!」


「…」


どこまで最低なクラスに居たんだ、あの人


だが、香織さんは見た感じ無理矢理連れだそうとしてる風には見えないが…


「じゃあ、香織先輩は何を?」


俺の考えて居たことを風が聞いてくれた。その言葉に香織さんは拳を握りながら答えた


「それは、弓佳に警告だよ。逃げてって」


「でもそんな事、香織さんに出来るんすか?相手は阿見津先輩の来ている学校を知ってる筈っすよね?」


「だったら私が弓佳の近くで弓佳を守る。それが友達だった私の役目だから」


香織さんの目は決意に満ちていた。どうあっても阿見津先輩を守る気らしい。ただ、一人でどうする気なんだ?


「…そこで、なんだけど…」

香織さんがおずおずと俺たちを上目づかいで見てくる。…なーんか嫌な予感…


「…私と一緒に、当日弓佳を守ってくれない、かな?」


「う…」


「え~と…」


言葉に詰まる俺たち。無理もなかった、正直阿見津先輩自身の問題だから俺たちが首を突っ込んでも良いのか、それに…なんか大事になるような予感もしていた。こういう感って当たるんだよなぁ…

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