冬のごちそー②
「ふ~…結構食べごたえありましたね」
「そりゃあっ、ダチの皆と食べるときの作り方だからっ」
「…今は四人しか居ないから、少しきついよね?」
「すいやせん姉御っ!確かにお嬢たちご学友はちと多すぎやしたかっ!!」
「…姉御じゃないよ?」
とりあえずショー部での夕食を終えた俺たち。…ん~、やべ、腹一杯で眠く…
「横山っ?悪いんだけどなんか毛布とかっ…」
「あぃさぁっ!!」
暦先輩めいれ…指示で横山がすっ飛んでいった。…本当にこよ…巽命なんだな…
「…で」
「…うん」
「…えっ?」
…阿見津先輩も気付いたらしい…暦先輩の発言の意味に。なにさらっと泊まりフラグを発動されてんだ
「…あっ、あははははっ…」
「…さらっと言ったね?」
「…言いましたっすね?」
「…ダメっ?」
暦先輩は阿見津先輩と俺に懇願してきた。…はぁ…断る理由が無いのか苦しいな。とりあえず阿見津先輩に目で確認すると…苦笑い。…って事は、やるしか無いわけね…
「じゃあお嬢、あっしは帰りやすが、何かありやしたらおよびくだせぇ!!」
「うんっ!じゃあっ」
そして横山は俺たちを部室において出ていってしまった。…そこはお嬢を守るから残るみたいな事じゃないのか…
「…とりあえず俺は隅に居るんで」
「…別に気にしなくても…河内君には彼女…カオル先輩が居るんだから、心配してないよ?」
「私もだよっ?」
…二人揃ってそーいう事に無頓着なんだよな
「とにかく、俺はこたつで寝るんで、お二方は持ってきてもらった布団つかって下さい」
「そうかい?」
横山が持ってきた布団は二枚。…まぁ…仕方ないな
「じゃあ、電気消しますね~」
そして電気を消し、こたつに入る。…何でこうなった…本当になんでこうなった…
「…河内君?」
「…は?」
こたつの反対側から足が入ってくる気配。目を凝らしてみると…そこには阿見津先輩が居た。あれ?布団使わないのか?
「…少し、話しよう?」
「俺は別に構わないっすけど…」
そして阿見津先輩は話を切り出す。表情は暗いせいかよく分からないが…
「…来年は、私たちも居なくなるんだよね」
「そりゃあそうっすね…3年っすからね」
「…どうだった?私たちと過ごした1年は?」
たぶん、阿見津先輩がいう私たちというのは今年のショー部の事だろう
「…楽しかったっすよ、去年とはまた違った苦労もありましたが、それがいい刺激でした」
「…そっか。居都留を呼んで正解だったみたいだね?」
「…暦先輩は、また違ったキャラクターでしたからね。いい刺激でしたよ」
「…新入生達も、個性豊かだよね?」
「そうっすね、元気魂と渋み大好き少女、五分咲きながら美しい桜に馬鹿だけど健気な妹…」
「…それに同い年ながら息があわない双子も、ね?」
「…カオルさんや時雨先輩が居た時代とは違うっすよね。全体にまとまりがあるっすよね」
去年との違いというのは、部長の性格があまりにも差異があったからだ。カオルさんは唐突な思い付きから活動をしていたが、今年は阿見津先輩、皆主体で自分から意見は出さなかったのだ
「…私、部長出来たかな?」
「…?出来てたと思いますが…というより、失敗するような役職でもないような…」
「…そうかな?カオル先輩は凄かったよ?…こう…ずばーんって感じ?」
「全然分かんないっすよ」
「…その人が、今は河内君の…」
「?」
…なんか、今の発言って…なんなんだ?
「…阿見津先輩、今…なんて?」
「…何でもないよ?」
阿見津先輩の自分の言葉を飲み込んだ。そしてそのまま会話も無くなり、夜が更けていった…
「むにゃ…出番無かったよぉっ…」
「「!?」」




