クミチョー
「よぉ坊主、元気にしてたか?」
「…あんた、暦先輩の部下の…」
とある日の放課後。今日は部活が休みのため帰宅の最中だ。その道中で意外な人物と遭遇、…横山だ。彼は俺を見つけるなり笑顔で近づいてきた。…まるであの事件が無かったかのように
「そういや今日はお嬢が一緒ではないんだな?」
「…別に、帰り道も一緒じゃないし、暦先輩は基本一人で帰りたがる人だからな」
「それはお前たちが冷たいからじゃないのか?」
「どっからその言いがかりになる!?」
そんなやりとりをしてると、遠くからなにやら呼ぶ声が聞こえてきた。…ん?
「アニキー!!」
「お前、外ではその呼び名で呼ぶなって何度いったら分かるんだ、このボケがぁっ!!」
「す、すいやせんアニ…横山さんっ!!」
どうやら今走ってきた若い兄さんも横山と同じ巽組の一員らしい。…アニキ、か
「で、どうした?見た感じ慌ててるように見えたが…」
「あ、はい!あんですね、最近また入団希望がいらしやしてね、是非とも姉御に会わせてほしいって聞かないんです!どうしやすか?」
姉御…多分暦先輩の事だろう。…本当に組長なんだな、あの人
団員の質問に、横山は険しいかおをして言う
「ダメだ。そんな簡単にお嬢に会えるくらいなら誰も苦労しない。それはお前も分かってるだろ!」
「た、確かにそうっすっ!!すいやせん、こんな簡単な事を聞いちまって!」
「だが団員になるのは許可だ。ダチは多い方がいい、というのがお嬢の信条だからな」
「うぃっす!!そう伝えてくるっす!!」
そして若い男は来た道を猛ダッシュで戻っていく。横山はため息をつきながら
「…最近多いんだ、お嬢に会わせてくれって輩が」
「…そんだけ憧れの的なんすかね?俺たちから見たら慌てんぼうの女の子っすけど…」
「学校ではそう演じてるのだろう。名を暦居都留と偽るようにな。だが我らのお嬢、巽御劔は違う。凛としてて、全てに置いて秀ている。何よりあの腕っぷしじゃ並みの男なら触れることも叶わないだろう。それくらい無敵の組長なのだ。我らの、憧れなのだ」
「…」
横山が話すのはあくまで巽と言う人の話と言うのは俺も頭では理解しているのだが、ただ、それが暦先輩と言うのも分かりだしていた。…暦先輩は、すごい
「だから坊主」
すると、横山が真剣な表情で俺に向き直ってきた。俺は気圧されつつも、そちらに向く
「…なんすか」
「…どうか、お嬢を嫌いにならないでくれ」
「?は?ち、ちょ…」
横山はそれを言うとそのまま立ち去ってしまった。…最後の言葉の意味は、どういう…




