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崩落

「…ふぅ…」


「大丈夫か、コハル?」


「…大丈夫、ですよ…」


ステージの穴に落ちてからしばらく進んでいた俺たちだったが、どうも出口が見えてこず今は道半ばで休憩していた。…今は電池節約の為ライトを消しているから表情は見えないが声音と握っている手の力からすこし疲れの色は濃そうだ。…カオルさんと違ってコハルは若干華奢なイメージがあるから心配だ


「本当に大丈夫か?」


「だから…くどいですよ」


怒っているようだが、やはり声音はすこし弱い。…うーん…


「…先輩」


「ん?」


「…先輩は、お姉さまの事はどれくらい好きなんですか?」


「…は?」


…話が唐突すぎる気がするんだが…


「…まぁ、普通に好きだが…言葉で表すのはすこし難しいな」


「…そんな中途半端な気持ちでお姉さまと付き合ってるんですか?」


「い、いや、中途半端って…そりゃ失礼だぞ」


「私は真面目に聞いてるんです。お姉さまのどこが好きなんですか!?」


…凄く怒っていらっしゃる…だが、何で今そのネタで怒ってるんだ?


「…貴方、自分の今の行動が軽率だというのは分からないんですか?」


「は?で、でもこんな暗い中ではぐれたら…」


「私は、お姉さまの全てを肯定してる訳じゃないんです。…それは、淳先輩、貴方と付き合った事です」


「…それは、俺がカオルさんに不釣り合いだからか?」


「違いますよ。…私は、今までずっと姉の影に隠れてました。学力だって、名声だって、常に姉が居たからこその私でした。確かに姉は出来る人です。だから私はお姉さまが好きです…ですけど…」


すると、コハルの声音が震え出した。…泣いてる?


「だからと言って私は、私の心は姉の影には隠せません!!淳先輩が、私は、私はっ…」


そして…



「大好きなんですよっっ!!!」


叫んだ、コハルが、力の限り…。そしてコハルが俺の手を振り払い、走り去ってしまう。…こんな暗い中で、まずいだろ!?


「お、おいコハルっ!!コハルーっ!!」


叫んだ、力の限り。だが、足音は止まない。…このままだと完全に居場所が分からなくなる。基本はまっすぐしか進んでないが、たしか他に道も…


「…っつ!!」


驚いてる場合じゃない!!俺は携帯のライトを使い、コハルが行ったであろう道を急いだ…



「…まずい…まずいぞ…」


電池は残り一本。…もって10分か。だがコハルは見つからない…こんなとこではぐれたら、かなりやばいのに…!!


「…好きなら、逃げるなよ、コハルっ…」


いまだにコハルの言葉は信じられない。…なんでコハルが?俺とはあまり絡んで無かったと思うが…


「…!?くそっ!!」


そうこうしてるうちに携帯の電池が切れ、ライトが切れる。…辺りは闇、闇、闇だった。…迂濶に動けないが、だからと言ってコハルを放置は…


「…」


…俺のせい、なのか。俺が、ちゃんと答えられなかったから…だから…!!


「…コハルーっ!!」


無駄だとは分かってる。反応するくらいなら逃げはしないだろうからな。…どうする…

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