…それは、本当に入れていいのか?/これが私たちの任務です
「じゃあ…何作ろっかぁ?」
「そういや、そこから考えなきゃならないんすよね…」
俺たちは別荘についてすぐ夕食の支度に取りかかっていた。ただ、なんせあまり使うことがない別荘だ、冷蔵庫の中身は当然空だった。…さてさて、どうするかねっと…
「…近くに店ありましたっけ?」
「市場があったはずだよぉ?行ってみるかい?」
どうやら近くに市場があるらしい。とりあえずそこで夕食の買い出しを行うことにした…
…んだが…
「んまぁ~、カオルちゃん!随分とイケメン連れちゃってぇ!」
「いやいやぁ、それほどでもありますよぉ♪」
「よぉ兄ちゃん!どうだい、桜の嬢ちゃん可愛いだろ!?」
「ま、まぁ…そうっすね」
「なんでぇ、歯切れ悪いのぅ!兄ちゃんはあんな可愛い子の彼氏で誇らなあかんで!?」
「…はぁ…」
…めっちゃ絡まれとる。つか、桜家どんだけ有名なんだよ!?カオルさん、地元民に囲まれてるけど!?どんだけ顔広いのこの人!?
「あっちゅん?何してるの行くよ~?」
「あ、はい…」
とりあえず地元民に軽く会釈し、カオルさんの元へ行く。とりあえず、夕飯だ
「カオルさん、何か食べたいものあります?」
「え?う~ん…」
そういや、仮にも俺はカオルさんの彼氏、なら、好きなたべものくらいは知らないとまずいよな、とおもい聞いてみる。…仮にもお嬢様だし、結構いいものを…
「私はぁ、カレーライスがすきだよぉ?」
おぅ、予想を大きく覆してきたぜ!
だが、あまりカオルさんがカレーを食べてる光景見たことないけど…
「これに金平糖を入れたら甘口でおいしいんだよぉ?」
…そういや、大好物は金平糖だったっけか。それで…って
「なんかめっちゃ甘くならないっすかねそれ!?」
「え~…カレーは甘口じゃないと食べられないよ~」
なんかカオルさんが駄々こねてる!?めっちゃ可愛い!!
「でもさすがに金平糖は…」
「ならぁ、今日の夕御飯はカレーにしよぉ?」
「…金平糖入れるんすか?」
「あったり前じゃぁん!」
まぁ、だがカレーという意見には賛成だ。こういう場所では少し多目に作れるものがいいからな
「ま、とりあえずそれにしますか」
「分かったよぉ♪」
そういい俺たちはカレーに使う材料を買い込み、とりあえず別荘へ…
「…」
「?どぉしたのあっちゅん?あっちには何もないよぉ?」
「…気のせいならいいんすけど、なんとなく、見られてる気しませんか?」
そうなのだ。この市場に来てから、なんか俺たちを追う視線がある気がする。だがカオルさんがそんな事を気にするはずもなかった
「まぁいいよぉ♪おっかけさんがいるほど恋は燃えるのだよぉ♪」
…言ってる事の意味が分からなければ、無駄なガッツポーズも暑苦しい。まぁ、カオルさんらしいな
「…そうっすね、じゃ、行きますか」
「はいほーぃ♪」
そして河内たちが市場を去ると…
「…今、淳さん、私たちに気付いてませんでしたか?」
「だいじょーぶ!!おにいちゃんは疑い深いけど、結構めんどくさがりだから!!」
「大丈夫の根拠になってない!?」
淳が見てた方の物陰から蜜柑とコハルが出てきた。彼女らはさっき到着したばかりなのだが、偶然淳とカオルを発見、それ以降尾行し、観察していたのだ
「それにしても、カレー…。お姉さま、またあのこんぺいカレーを作るつもりなのですね…」
「??こんぺいカレー?」
コハルの顔色が悪い。蜜柑はその表情だけで何かに感づいたようだ。…結構はずれ、という事に
「…蜜柑、何とかして阻止するのが私たちの勤めですよ」
「そ、そうだね!!お兄ちゃんを金平糖の恐怖から救わなきゃ!」
そして二人は冷や汗をかきながらそれぞれの兄と姉を追うのだった…




