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本当の…ワタシ

「…おつかれーす」


「あっ、お疲れさまっ」


「…今日は一人っすか、暦先輩」


「…そうだねっ。何でだろうねっ」


とある日の放課後、俺はいつも通り部室に向かうと、暦先輩だけだった。…なんだろう、この人と二人きりってあったっけか


「…」


「…っ?」


俺が視線を向けると何やらあせるようにこっちを向き笑う。そんな時間がかれこれ10分…挙動不審…


「どうしたんすか、暦先輩。今日はいつにもまして行動が不自然な気がしますが…」


「…そ、そうかなっ?私っていつもこんな感じだと思うよっ?」


…随分と時計をチラチラと見てる気がするんだが、気のせいでは無さそうだ。…用事があるなら帰ればいいのに


「…なにか、用事でもあるんすか?」


「え、えっとっ…用事はあるよっ?…大事な、用事っ」


「だったら帰ったらどうっすか?」


俺がこういうと、暦先輩は焦るように付け加える


「こ、この用事はっ、帰ったらダメなのっ」


「…?いまいち意味がわからないんすけど」


「わ、分からなくていいのっ」


「…そうっすか」


…帰らない用事。まぁ考えられるのは家出とかか?…まさかな。そんな話聞いたこと無いし


「…それにしても」


さっきから妙に騒がしい。廊下からは沢山の足音が聞こえてる。…校舎見学か?


「…っ」


その音に暦先輩が反応してる。…怯えような、だけど、苛立ちの様な、そんな感じなイメージだ


「…暦先輩、さっきからなんなんすかね。さすがに気になるんすけど」


「…」


暦先輩は視線を逸らし、黙ってしまう。…言いたくないなら無理に聞きはしないが…


「…御用だ」


「…は?」


すると急にドアが開き、チンピラっぽい奴が入ってきた。…俺より一回り大きい


「…なんなんすか、学校の関係者じゃなさそうっすけど」


「…私は」


そう男が言おうとした、その時


「黙れっ!!!」


「!?」


「…居都留嬢」


…暦先輩の一声でその場が静まり返る。…ブラック暦か


「…それ以上言うなよ貴様…!!」


「…居都留嬢、まさか誰にも気付かれずに居れるとでも?」


…暦先輩は涙目だ。涙目で、唇をかみながら、男に詰め寄る。…あいつはいったい何者だ?


「…状況が飲み込めないか、坊主」


「…河内。河内淳だ。坊主じゃねぇ」


「ほう、口の聞き方が達者だな坊主。…だが、命は粗末にするもんじゃねぇな」


すると男はポケットから…銃を取り出した。…どうやらエアガン的な生易しいものじゃないらしい。…


「…!!」


「まぁ、今は居都留嬢に免じて撃たぬ」


「当たり前だ貴様!!何故学校まで…そんなに私の生活を壊したいか!!」


暦先輩が激昂している。ブラックとは言え、ここまで怒ってるのは初めて見た…

「知りたいか?この嬢の身の上を」


「なっ…!?」


「…」


身の上、ね。こう言ってる時点で普通じゃないのは想像ついてしまう。大概こんなSPみたいな奴がついてるって事はおそらくどこかの金持ちの娘なんだろう。驚くかよ


「…やめろ、貴様!!」


俺が黙ってるあいだに男は暦先輩の制止をふりきり、口を開く



「暦居都留は仮の名。こいつの本当の名は(たつみ) 御劔(みつるぎ)。巽組暴力団の組長だ」



…その言葉は、俺の予想の遥か上だった…

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