勝負!③…夜羽姉妹対ショー部の鬼ごっこ!!夜羽姉妹と河内の運命は…!?
「では…行きますよーっ!!」
「追います」
「…」
…暦ですっ。前回までのあらすじですっ。…とある日の放課後、私たちショー部は夜羽姉妹からの挑戦状を受けてっ、近くの公園に足を運びましたっ。そしてっ、ここで私たちは鬼ごっこの挑戦を受けたんですっ。ショー部が勝てば夜羽姉妹のショー部入りっ、夜羽姉妹が勝てば河内君がハーゲン○ッツを全種類プレゼントするってルールですっ。果たしてっ、この勝負の行方はどうなるのかっ、こうご期待ですっ
…さて、とりあえずはじまったはいいんだが…
「「…」」
…まるで攻めてこない。制限時間は結局俺らのメンバーの人数を考えて20分に変更されてはいるが…そんなに余裕は無いはずだが…
「ふん!!攻めてこないのであれば逃げ切るのも余裕ですわね!私を捕まえるのなんて、おそれ多いのかしら?」
憐香が高飛車全開で挑発をしてしまっている。すると…
「…いきます」
玲羅が、消えた。…へ?消えた?
「憐香、やばい!!」
「え…?」
俺が声をかけた頃には既に手遅れだった。…玲羅は既に、憐香の肩に触れている。…まさに、あっと言う間だ
「…な、な、な…」
憐香が口を震わせている。…よく分かんなかったしな、気持ちは分かる
「…皆、気を付けて、このままじゃ…」
「タッチ♪」
阿見津先輩が皆に指示を出そうとしたとき、後ろから愛羅にタッチされている。…いつの間に…
「…っ」
とりあえず、その場にとどまることが危険だと判断した俺たちは出来る限り夜羽姉妹から距離を取るようにした。…まだ5分しかたってねぇじゃねぇか…
「河内さんっ♪すごいでしょう、玲羅の能力♪」
「私、凄いの」
「…あぁ、まるで化け物だな」
「今度も私たちの番だね♪」
「…!!」
そして玲羅と愛羅は今度は消えず、玲羅は真昼を、愛羅は風を追い出した
「うわわわわぁ!?来ないでぇっ!」
「おとなしく捕まる」
「…ふりきれない…っ!?」
「私、体力には自信があるんだぁ♪…タッチ♪」
…風、アウト。真昼は玲羅から逃げてはいるが、これも時間の問題か…
そして残り5分になった時にはとうとうショー部のメンバーは俺と暦先輩を残し全員捕まってしまった。さっきから夜羽姉妹はずっと走り回ってるが、未だに衰える気配がない。…対して俺はさっきはなんとか愛羅を振り切りはしたが、執拗に追い回されてるおかげで体力がかなり削られている。…やばい
「あはははは♪よく逃げ切れるなぁ♪さすがは男子♪」
「…誉められても捕まってはやらねーよ…」
公園の時計に目をやると、17分が経過している。…後三分か
「…か、河内君っ」
俺の傍に玲羅から逃げた暦先輩がくる。…玲羅は愛羅の所で何やら耳打ち。…2対2なら、正直各個にやられたらおしまいだ。どうする…
「暦先輩、まだ余裕ありますか?」
「えっ?あっ、はいっ」
「…そうっすか、なら…」
俺は暦先輩にあることを耳打ちする。すると暦先輩は顔色を変えながら抗議してくる
「なっ、だ、ダメですよっ!!私がそんなっ…」
「今残ってるのは暦先輩と俺だけっす。…頼みます」
俺が軽く頭を下げると、暦先輩は意を決したように前を向いた。…俺の作戦、はまると良いが…
「…そっちも決まった?覚悟が♪」
「後一分、勝負をする」
「…いいだろう!」
そして玲羅と愛羅が走り出すと同時に俺たちはそれに背を向けて走り出す。…頼む…
「あっつん、何考えてるんだろ…?」
「…ショー部の意地、見せる時だね、河内君」
皆が見守る中、俺たちは公園の角にたどり着く。後ろには玲羅と愛羅…
「今っす!!」
「…らぁぁああああっ!!」
「っがぁっ!!」
「!!?」
「わわわっ!?」
そこで暦先輩が俺を殴り飛ばし…俺はそのまま二人を巻き込み倒れた
「…ってぇ…」
「ちょっ、河内君邪魔っ!」
「…まさかの行動」
「…勝つための、一番早い手段だと思ってな」
俺に巻き込まれて倒れる玲羅と愛羅。俺は当然タッチされてアウトだが、そのせいで二人は動けなかった
「…んーっ、どいてよっ!」
二人は俺をどけて立ち上がる。が時既に遅し…
「…あ!?」
二人が目を時計に向ける。…制限時間の20分が経った。…ということは…
「…俺たちの、勝ちだ」
「「いぇーいっ!!」」
俺と暦先輩を歓喜の輪が包む。…なんだろ、この達成感。鬼ごっこなのにな…
「…これが、ショー部の…河内君のイレギュラーさなんだね?」
「意外、本当に意外。…だからこそ気になる、ですよね、姉さん」
「そうだね、玲羅ちゃん。…河内君!」
「…はい?」
歓喜の輪から抜け出し、俺は二人の前に行く
「私たちの完敗だよー。まさか自分の身体を犠牲にするとはねぇ」
「さすが、ミスターイレギュラー」
「そんな感じで呼ばれたことは無いんだが…褒めてるのか?」
二人は、負けてはいるが笑顔だ。…皮肉ではあるんだろうな
「じゃあ、私たちは負けたから…」
「ショー部に、入る」
「…あ、その話なんだが、お前達の好きにしろって、俺たちの部長からだ」
俺が後ろをちらりと見ると、メンバーの中心にいる阿見津先輩が笑顔で頷いてきた。それを見た玲羅と愛羅は目を見合わせて…
「それでも♪」
「私たちは入る、ショー部に。…よろしくお願いします」
笑顔で頭を下げてきた。その二人を皆で囲み、新しい部員を祝福した。知らぬ間に大所帯になったショー部、だがゆるぐだは変わらないんだろうな…




