第6話 マジ聖女wwwガチ恋不可避でござる
「なんで戻ってきたァァァァ!!!」
会議室へ絶叫が響く
モブ彦は困ったように頭を掻いた
「いや、
普通に壁際へ移動しただけでござるが……」
「《ROMる》を移動感覚で使うなァ!!」
騎士達が半泣きになる
リリアも深くため息を吐いた
「あなた……
本当に何も分かってないんですね」
「だからそう言ってるでござる」
モブ彦が肩を落とす
「吾輩、
いわゆるキモオタでござるよ?」
「……キモオタ」
リリアが小さく復唱した
「なんなんですかそれ」
「推しを愛し、
日々を静かに生きる民でござる」
「全然静かじゃないでしょうあなた」
「理不尽でござる」
騎士団長が険しい顔で前へ出る
「これ以上は危険だ」
剣が抜かれる
「対象を強制封印する」
空気が張り詰めた
だが
「待ってください」
リリアが前へ出る
「……リリア監視官?」
「今ここで刺激すれば、
さらに禁呪が発動する危険があります」
「しかし!!」
「だから私が監視します」
全員が固まった
「…………は?」
「同行監視です」
リリアは真っ直ぐ前を見たまま続ける
「対象の発言傾向、
禁呪発動条件、
感情変化を直接観測する」
「危険すぎる!!」
「現在、
最も対象との接触経験があるのは私です」
騎士達がざわつく
モブ彦はキョトンとしていた
「つまり……
リリアたんと旅するってことでござる?」
「その呼び方やめなさい!!」
「すまんでござる」
騎士団長が険しい顔で唸る
「……本気か?」
「はい」
リリアは迷わず頷いた
「それに」
一瞬だけ、
モブ彦を見る
「本当に悪人には見えませんでしたから」
「…………」
モブ彦が固まる
数秒後
スッ……
眼鏡のない顔へ、
癖のように手をやった
「リリアたん、
マジ聖女www
ガチ恋不可避でござる……」
リリアの顔色が変わる
「えっ――」
ゴォォォォォッ!!!!
神々しい光が会議室を包み込んだ
「《ガチ恋》!!」
リリアが反射的に叫ぶ
「対象への異常執着を引き起こす、
精神汚染型禁呪です!!」
「また新規禁呪ゥゥゥ!!」
「だから喋るなって言ってるでしょうがァァァ!!」
モブ彦が半泣きになる
「いや、
褒めただけでござるぅぅぅ!!」
会議室は今日も地獄だった




