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吾輩はキモオタである〜ネットスラングが異世界では最強禁呪でした〜  作者: qp46


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第4話 新規確認禁呪

 王立禁呪管理機構――中央本部


 最上階・特別危険対策会議室


「……以上が、

 第七市場通りにおける被害報告です」


 部屋の空気は重かった。


 巨大モニターには、

 半壊した市場の映像。


 泣き崩れる騎士。


 光り続ける石畳。


 そして。


 中心でオロオロしている、

 一人の黒ローブ男。


「だから吾輩、

 本当にただ喋っただけでござるって!!」


 バァン!!


 机を叩く音が響く。


「黙れ災厄!!」


 怒鳴ったのは、

 筋骨隆々の騎士団長だった。


「貴様が現れてから僅か十分!!

 市場一区画が壊滅したのだぞ!!」


「不可抗力でござる!!」


「なお悪いわ!!」


 会議室に怒号が飛ぶ。


 だが。


 その中で一人だけ、

 黙って資料を見ている少女がいた。


 リリア=マグノリア。


 禁呪課所属・特級監視官。


「…………」


 彼女の前には、

 緊急更新された危険指定資料。


【新規確認禁呪】


《ビジュつよつよ》

危険度:A


《てぇてぇ》

危険度:SS


《ガチ恋》

危険度:測定不能


「増えてる……」


 リリアが頭を抱える。


「なんで会話するたび新禁呪が増えるんですか……」


「吾輩にも分からんでござるよ!?」


 黒ローブの男――モブ彦が叫ぶ。


「というか、

 なんで拘束されてるのでござるか!」


 ギチギチに封印鎖で縛られている。


 しかも周囲には、

 十重以上の魔法障壁。


 騎士達は全員、

 極度に警戒していた。


「対象発言を確認次第、

 即座に口封じを行え」


「筆談を推奨します」


「だが文字でも発動の可能性が……」


「終わってる……」


 現場騎士達が疲弊している。


 その時。


「失礼します!!」


 会議室の扉が開く。


 一人の女性職員が駆け込んできた。


「緊急報告です!!

 対象が市場で発した“リリアたん”という単語についてですが――」


「…………」


 会議室が静まり返る。


「現在、

 若年層女性の間で急速に使用例が確認されています!!」


「は?」


「“たん付け文化”が感染しています!!」


 ザワッ


「馬鹿な……」


「言語汚染だと……!?」


「たった一日で……!?」


 リリアが青ざめる。


「そんな……

 ただの愛称でしょう……!?」


 全員がゆっくり彼女を見る。


「…………」


「え?」


 騎士団長が低い声で言った。


「“ただの”ではない」


 資料が机へ叩きつけられる。


【推定効果】


対象への親近感増幅

距離感錯覚

集団愛称定着現象


危険度:B+


「十分禁呪です」


「なんでござるかこの世界」


 モブ彦が真顔で呟く。


 その時だった。


 リリアと目が合う。


「…………」


「…………」


 数秒の沈黙。


 そしてモブ彦が、

 ボソッと呟いた。


「今日もリリアたん、

 ビジュつよつよでござるな……」


 瞬間。


 ドゴォォォォォン!!!!


 会議室の天井が吹き飛んだ。


「また新禁呪ゥゥゥ!!」


「記録班急げェェェ!!」


「対象を黙らせろォォ!!」


 だが。


 吹き荒れる暴風の中。


 リリアだけは、

 なぜか少しだけ顔を赤くしていた。

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