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吾輩はキモオタである〜ネットスラングが異世界では最強禁呪でした〜  作者: qp46


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第2話 王立禁呪管理機構・禁呪課

 王都中央区――第七市場通り


 昼時の大通りは、

 買い物客と冒険者で賑わっていた。


「本日採れたてだよー!」


「安いよ安いよー!」


 平和。


 実に平和な昼下がり。


 ――だった。


 ザワ……


 不意に、

 通行人達の視線が一点へ集まる。


「……え?」


「あれ……」


「黒布……?」


 空気が変わる。


 市場の入口。


 そこに一人の男が立っていた。


 黒い布を首へ巻き。


 漆黒のローブを羽織り。


 胸元には大量の缶バッジ。


 妙に早足で周囲を見回しながら、

 ぶつぶつ何かを呟いている。


「や、やばいぞ……」


「まさか……」


「報告にあった特徴と一致……」


 一人の商人が震え声で呟く。


「《世界崩壊認定危険存在》……」


 その瞬間。


 市場全体に緊張が走った。


 だが。


 当の本人は。


「おぉ……

 異世界飯、めちゃ気になるでござるな……」


 キョロキョロしながら、

 完全に観光気分だった。


「肉串!?

 ファンタジー飯でござる!!」


 目がキラキラしている。


 完全にオタクである。


 だが周囲は違った。


「な、なんだあの落ち着き……」


「まさか既に術式展開済みか……?」


「詠唱が聞き取れない……!」


「高度すぎる……!」


 騎士達がじりじり距離を取る。


 男は露店を見ながら、

 ふと呟いた。


「こういう雑多な空気、

 ちょっとエモいでござるなぁ……」


 ――ゾワッ


 空気が震える。


 次の瞬間。


「うっ……」


 一人の店主が突然涙を流した。


「な、なんだこれ……」


「昔を思い出して……」


「俺……

 なんでこんな頑張って働いてんだっけ……」


 感情が連鎖する。


 泣き始める者。


 抱き合う恋人。


 空を見上げる老人。


 市場全体が異常な感情渦へ飲み込まれていく。


「禁呪だァァァ!!」


「《エモい》が発動したぞ!!」


 騎士が絶叫する。


「避難しろ!!

 精神汚染型だ!!」


「な、なんでござる!?」


 男がようやく異変に気づく。


「吾輩ただ喋っただけでござるが!?」


「無詠唱……!」


「やはり自然会話レベル……!」


 騎士達の顔から血の気が引く。


 その時だった。


「全員下がってください!!」


 凛とした少女の声が響く。


 群衆をかき分け、

 一人の少女が前へ出た。


 銀髪。


 白い法衣。


 胸元には、

 王立禁呪管理機構の紋章。


 少女は真っ直ぐ男を見据える。


「王立禁呪管理機構・禁呪課所属」


 一瞬、

 周囲が静まり返る。


「リリア=マグノリアです」


 男が固まった。


「…………」


「あなたに確認したいことがあります」


 リリアが静かに口を開く。


「先程あなたは、

 “エモい”と発言しましたね?」


 男は数秒黙り込み。


 そして。


「…………」


 スッ……


 静かに眼鏡を押し上げた。


「銀髪美少女……

 白法衣……

 禁呪機関所属……」


 ボソボソ呟き始める。


 騎士達が緊張する。


「ま、まずい……

 新たな禁呪詠唱か……!?」


 次の瞬間。


 男が顔を上げた。


「めちゃくちゃ推せるでござるな!!!!」


 ――静寂


 リリアの顔が引きつる。


「…………え?」


 そして。


 ゴォォォォォッ!!!!


 リリアの背後で、

 魔力が爆発した。

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