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吾輩はキモオタである〜ネットスラングが異世界では最強禁呪でした〜  作者: qp46


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第16話 既読無視でござる

翌日


「で、

結局薬草採取終わってないんですよね」


リリアが真顔で言った


「そういえばそうでござる」


「全部あなたのせいです」


シロは、

モフモフ姿で薬草袋を咥えていた


「おぉ

シロ有能でござる」


「神獣に薬草採取させないでください」


リリアが頭を抱える


昨日の騒動で、

まともに採取できなかったため


今日は改めて、

森へ入る予定だった


「今日は何も起きませんように……」


リリアが小さく祈る


その時点でフラグだった


森へ向かう途中


街の人達が、

モブ彦へ声を掛けてくる


「救世主様ー!!」


「白狼神様の主だ!!」


「また神獣見せてくれー!!」


完全に変な人気が出ていた


「地獄でござるなぁ」


モブ彦は引いていた


シロは、

嬉しそうに尻尾を振る


モフッ


「かわい〜!!」


子供達が群がった


「元災害級でござる」


「その情報いらないんですよねぇ……」


リリアが疲れ切った顔になる


その時だった


腰の通信魔導具が光る


ピピピピッ!!


リリアの表情が消えた


通信を開く


『至急帰還命令』


『監視対象危険度上昇』


『対象の禁呪発動頻度異常』


『監視強化を――』


ブツッ


通信が切れる


モブ彦が首を傾げた


「なんか怒られてるでござる?」


「……」


リリアは無言だった


「リリアたん?」


「……」


「既読無視でござるなぁ」


ピシッ


リリアが止まる


ゆっくり顔を覆った


「……もう嫌です」


「えっ」


ゴォォォォォォッ!!!!


灰色の魔力が、

周囲へ広がっていく


「禁呪《既読無視》ですよ!!」


「またでござるか!?」


「またです!!」


リリアが絶叫した


その瞬間だった


「……」


周囲の人間達の反応が止まる


「……」


「……」


全員、

モブ彦から視線を逸らした


「えっ」


モブ彦が固まる


近くの屋台へ行く


「おじちゃん、

串焼き一本――」


「……」


完全無視


「怖っ」


さらに


シロまで、

プイッとそっぽを向いた


「シロぉぉぉ!!?」


尻尾だけ揺れる


「裏切られたでござる!!」


「《既読無視》は精神干渉系禁呪です!!」


リリアが頭を抱える


「対象への応答・関心・認識を遮断する危険禁術なんですよ!!」


「現代最強クラスの精神攻撃でござる」


「知りませんよそんな地獄!!」


モブ彦は必死に話しかける


「おーい!!」


「吾輩ここにいるでござるよー!!」


誰も反応しない


精神ダメージが凄かった


「心が折れそうでござる……」


リリアが呆れ顔になる


「自分で発動したんですよ」


その時だった


シロが、

ちらっとモブ彦を見る


「!!」


モブ彦の顔が輝く


「シロ!!

やはり吾輩の味方――」


プイッ


「シロぉぉぉぉ!!!」


リリアが吹き出した


「ふふっ……」


「笑ったでござるな!!」


「……ちょっとだけです」


ようやく少し、

空気が戻る


その頃


遠く離れた聖教国家ニム


神官が震えながら報告する


「周囲との認識断絶現象を確認……」


聖女は静かに目を閉じた


「感情、

精神、

認識……」


小さく呟く


「本当に、

人間の禁呪なのですか……?」

モブ彦

「そういえば、

リリアたんには禁呪あんまり効かないでござるな」


リリア

「効いてますよ!?」


モブ彦

「でも普通に喋れてるでござる」


リリア

「私まで毎回暴走したら、

誰が止めるんですか!!」


モブ彦

「確かに」

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