表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
24/34

第24話 アリスドールなアリア


 俺の目の前には、今「人魚のアリア」がいる。

 さっきまで無個性な人形だったはずの人形が水色髪の美少女に変化したんだ。


「……君は『人魚のアリア』なのか?」


「クスクス、ええそうよ。て言っても本体はマスターの「異空生活」の中でお寝んね中だけどね」


「貴女は……80階層振りですわね。アリアさん」


「お久しぶり。イヤらしいお姉さん。クスクス」


「イヤらしい? 私のことですの?」


 にこやかな笑顔で、宵宮さんに手を振るアリア。


「…………それと………」


〖ピ〜! ピヨピヨ〜! 我は無垢むくなるひよこピヨ。ピヨピヨピヨピヨ……グエップ!?〗

「なにを変な物真似ものまねをしてるのかしら? 渋谷ダンジョンの管理者さん。お久しぶりね。貴方にはお話があるのよ」

〖ピヨ〜! お久しぶりピヨな。アリア……できれば両手を放してほしいピヨ。アリアは相変わらず。力がお強いピヨ。ピヨピヨピヨピギャアアア!!〗

「むんっ!」


 スザクは、アリアに羽根をむしり取られ始めた。






「………そう。バルザロッサがそんなことを言っていたのね。聞けて良かったわ」


「うん、まさか眠りについた君が……」


「クスクス……アリアで良いわよ。マスター」


「じゃあ、アリアで」


「ええ……よろしくマスター」


 現在、アリアと面談中。お互いに知っている情報を話し合っている。


「……まさか眠っていたアリアが、アリスドールになって復活するとは思わなかったよ」


「ええ、アリアもびっくりしてるわ。……バルザロッサ……いいえ、パパはこの展開になることが最初から分かってたんじゃないかしら?」


「バルザロッサさんがかい?」


「ええ、パパは用心深い人だったもの、サンゴがアリアをいつかは裏切ることも分かってて、マスターに、私の命の分霊である「人魚姫の指輪」を託したのよ」


 たしかにバルザロッサさんならやりかねない。

 あの人と一緒にいた時間は少ないけど、切れ者なのは良くしている。


「……うん、たしかに。そして、サンゴが倒されて、アリアが目覚めない時は、君を俺たちに託して渋谷ダンジョンを再攻略する助けてくれる《《なにか》》を残してくれてるのも予想してたんだ」


「そう。それが今のアリアね。……本体の力は使えないけど。マスターとサブマスターの力を合わせた割る2くらいの力は出せるわね。アリスドールシリーズってそういう性能してるもの」


 アリアが説明したように。

 完成したアリスドールの強さは、そのクランメンバーの合計して、割った強さになる。


 それとアリスドールを作り上げて、起動させた存在には逆らうことは決してできない。(スザクは作るのを応援していただけなので、お仕置きで羽根をむしり取られることも可能)


 つまりパーティーメンバーが多いほどアリスドールは強い性能を発揮してくれるんだ。


 ちなみにスザクは俺の守護獣扱いなので、力なの合算にはノーカン。



「仮の身体で目覚めることはできたけど。本来のアリアの力は使えないのが残念ね」


「その代わり、俺や宵宮さんの魔法は使えるんだから良いじゃないか。まぁ、〈水人魚ウォーターマーメイル〉は原初オリジナル魔法だから使えないだろうけど」


「別にいいわ。貴方たちが渋谷ダンジョンを再攻略してくれれば、本体のアリアは目覚めて再生すると思うもの。宵宮ちゃんに、アリアの〈水人魚ウォーターマーメイル〉をプレゼントしてあげるつもりだったもの」


「……そう。それなら良かった」


 宵宮さんに対して、変な恨みとかはなさそうだ。アリアとは、これからのチームとして旅をしていくので、そこら辺が心配だったんだよね。


「それよりも、これからのことを話し合いましょう。残り298階層をどう攻略するかの話し合いを、マスターさん」


「話し合いか。了解、それじゃあモンスター狩りに行った宵宮さんとスザクが帰って来たら行おう」


「あら? 勝手に物事を決めるチームではないのね。……クスクス……良いわね。好きよそういうクラン……クスクス……素敵だわ」


 アリアはコロコロと笑っていた。

 その表情には、どこか暗い印象が見え隠れしていたのを俺は見逃さなかった。




 夜。

 宵宮さんの「天幕」と「結界」を張って、安全な場所での夜食を俺たちは取っていた。


 ちなみにアリアドールの身体でも、アリアは普通に食事を取れるし、身体の構造は人間と同じようにできている。

 

〖ヨォ〜! ピヨピヨピヨピヨ〜! 祝っ! 200階層踏破とアリアのパーティー加入を祝って、踊るピヨップ!! ピヨピヨピヨピヨ〜!〗


「プッ! アハハハ!! 良いですわよ。雛鳥〜! どんどん舞うのですわ〜!」


〖任せろピヨップ! 小娘〜! 盛り上げるピヨップ〜! ピヨピヨピヨピヨ〜!〗


 ……こういう安全地帯セーフティーゾーンではない場所の階層で一晩過ごす時、大抵は宵宮さんとスザクが大騒ぎして宴会状態になる。


 酒も飲んでないのにいつも楽しそうに騒げるのは、本当に羨ましい。


「……クスクス……明るくて良いパーティーじゃない。1度目のパーティーとは大違いなのね。マスター」


「……あー、それって、アキラたちのことかい?……まぁ、前のパーティー…………前のクランか」


 アキラたちがどうなったか。

 気にはなるけど、今はダンジョン再攻略中。《《そんな些細なことを気にしている余裕は俺にはないかな》》。


「………ごめんなさい。気に障るようなことを言ってしまったかしら? 助けてもらった分際で、変なことを言ってしまってごめんなさい」


「い、いや、気にしてないよ……それよりも、明日からのアリアのレベリング頑張っていこう。俺たちのパーティーの新戦力として期待してるからさ」


 重い空気になりそうだったので、話題を変えることにした。


「え、えぇ、それは勿論よ。1度目の攻略の時にマスターに殺された過去をすごく恨んではいるけど、今回は違う。マスターはパパとアリアを救ってくれた恩人さんだもの。全力で協力するわ。……クスクス」


「アリア。……あ、ありがとう」


 アキラたちと踏破した1度目のこと、ちゃんと恨んでるんだ。


 ……そうか。各階層の知性あるフロアボスが、やたらと俺に好戦的なのは恨みを抱いているからなんだ。


 ほとんど瞬殺していたから分からなかった、知らなかったんだ。 


〖「ピヨピヨピヨピヨ〜!」〗


 その夜は遅くまで、宵宮さんとスザクの謎ダンスが続き。楽しい歓迎会になった。



「……クスクス、死んで。〈大極炎インフェルノ〉」


【ギュアアア!!!】


「すごい。一瞬で赤狼レッドウルフが焼き焦げた」


「……得意でない火魔法でこの威力。レベルアップしていったらどうなるか想像したくありませんわね」


〖アリアは渋谷ダンジョン五大厄災の中でも、才能はピカ一なんだピヨ。……なにを考えてるのか分からない娘ピヨけど〗


「………クスクス、〈大極炎インフェルノ〉」

〖ピギャアアア!! 我、燃えちゃうピヨップ!!〗

「クスクス〜! なにを言っているのよ。貴方は不死鳥フェニックスなんだから、燃えるわけないでしょう。〈大極炎インフェルノ〉……クスクス」

〖ダメージは喰らうんだピヨ〜!〗


 スザクがアリアとたわむれている。

 早速、パーティーメンバーとコミュニケーションを取るなんて、アリアは意外と積極的な女の子なのかもしれない。


〖ピギャアアア!! 我の身体が燃えているピヨップ〜!〗


 そんな感じで、アリアのレベリングをしながら、俺たちは無理せず数週間かけて225階層まで上っていったんだ。


天照あまてらす陽光ようこう

レベル733

エクストラスキル 陽ノ神楽 天照剣術(免許皆伝) 鳴神自在 異空生活

スキル 模倣 心眼 業物 瞬動 調伏(初級)

火魔法(特級)雷魔法(上級)

土魔法(初級)


宵宮よいみやカノン

レベル731

エクストラスキル 豊穣ノ知 良妻賢母 最愛慈愛

スキル 福音 補助 天幕 結界 

水魔法(特級)風魔法(上級)

光魔法(初級)

回復魔法(特級)


人魚のアリア(アリスドール)

レベル30


スキル 加護

魔法 天照と宵宮の魔法の上級者魔法まで使用可能


スザク(不死鳥フェニックスの雛鳥)

レベル8

スキル 隠密 物真似ものまね 治癒 変身

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ