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CD時代を以てしても、クラシック音楽史は復元できませんでした。

はーい。きょうはころーんさんと二人で掃除の時間でした。どーもーとてとてとてとて。


二人で散らかしてるわけじゃないんですけどね。でも居間で、なんですか、お菓子くずですね。こういうゴミが多かったです。


ころーんさんが、今日は珍しくコーヒーを淹れてくれる、のはいいですが、ころーんさんは濃いコーヒーは飲めないんだよなあ。


「濃かったらただのカフェイン麻薬じゃないですか」って言ってるけど。


せみころーんさんも、うっすいうっすいアメリカ式コーヒー焙煎ってのはかすかに覚えてるなあ。でも、ああいうコーヒーとは別の焙煎のコーヒーも、普通にちゃんとあるんですよねー。もちろんイタリアみたいに10種も別のが用意されてるってことはなかったけどねえ。


前回が下心のある調性音楽、ってのでねえ。まぁなるほど。心当たりはありますよね。アメリカに行かれた方はね。


国家に応じて文化が変質するんですよね。オーケストレーションだけじゃなくて、その管弦楽でできた作品も、使い方ってのが国家ごとにあるんですよね。


だいたいね、これは今の人にはわからないと思うんだけど、ハイドンの交響曲は、後期や一部の有名作を除いて、何もモダンオケでかかってなかったんですよね。


まずバッハとモーツァルトとベートーヴェンってのが後進諸国の感覚だったらしい。


で、そこにはハイドンもフンメルもクレメンティもない。だから素通りしてたんですよ。トスカニーニは結構やろうとしていたらしい。


で、しまった、100曲以上もあるからモダンオケでやるか、って気が付いた時にはもうピリオドオケの時代になっていた。モダンオケでやった交響曲全集が今や珍品扱いですが、NAXOSはギリギリセーフでした。ほんと。


ぼーっとしてたらNAXOSですらハイドンの交響曲全集はピリオドオケだったかもしれません。


こういう「しまったやっときゃよかった!」ってのがどうして存在するかというと、LP時代では枚数が多すぎてどうやっても無理だったってことが挙げられます。


LPはもちろん長時間収録に特化した後年の小品はありますが、初期のLPは協奏曲か交響曲が一曲はいるくらいでしかなかったんですよ。


となると、LPの時間に合わせて、オーケストラは仕事をしているわけですよね。


合わない作曲家はどうなるのか?もちろん収録できませんし、されませんよ。


こうしてLP時代、日本では昭和の時代ですか、クラシック音楽史は今の高校数学のように刈り取られていったのです。


その刈り取られた山に植樹するような行為が目立つのは1990年代のCD時代からです。


かつてシューマンとグリーグのピアノ協奏曲をLPの裏表にして売るのがはやりましたが、これはちゃんと発案者がいるらしいです。誰か忘れてしまいました。


この、刈り取られていた時代、不幸な作曲家がポーランドにいらっしゃいました。それがカジミェシュ・セロツキさんです。


彼の全盛期の作品はどこを切り取ってもトーンクラスターです。「ニ台のピアノとオーケストラのための音楽」とか「悲しげな幻想曲」とか「ピアノフォニー」とか、ぐわっしゃぐわっしゃぐわっしゃ(ころーんさんの耳にはこう聞こえる)とどこを切り取ってもひたすらにトーンクラスターの洪水です。


あまりにも高度な楽器法のためにマイクにも入らない、LPの音質では入らないんですよね、これ。また社会主義国だったために、良い録音機材と音盤プレス機材もなかったみたいです。


見方によってはルトスワフスキやペンデレツキは確実に凌駕していたはずのセロツキの作品は、母国ポーランド以外ではほとんどLPでは出回ることがありませんでした。楽譜もPWMだったので、PWMがどこにあるか知らない人はまったく楽譜を見ることもできませんでした。


彼が、がんで亡くなってしまったときに、まだ1980年。CDが生まれる前でした。もしCD時代までなんとかたどり着いていたら、これらのトーンクラスター時代の傑作群は再録音できたことでしょう。


前衛の時代も終わり、調性の復権の時代も終わり、何周めだよおい!って突っ込みたくなってきたときに生を受け、トーンクラスターを容赦なくばっしゃばっしゃばっしゃ(せみころーんさんの耳にはこう聞こえる)とつかうレベッカ・サンダースさんは、幸運な人なんだなあと思います。


サンダースさんのクラスター絨毯攻撃は、もうなろうの読者の人には珍しくないでしょう。簡単にCDで手に入りますし、ISSUUでも閲覧が可能です。


Cholerが典型例かな。せみころーんさんはかつて「こういうクラスターの手の使い方がある」と若い作曲家にコーチをしたことがあったそうです。しかし、その若い方は「そんなの知ってる」と一向に取り上げてくれませんでした。そしたらその話をした10年後がサンダースのCholerだったそうです。


「あーあーアドヴァイスを正直に聞いとけばいいのに馬鹿だなあ阿呆だなあ」と、きょうもころーんさんはポテイトゥチップス(ちいさいサイズのくるまえびあじ)をかじってました。


生まれがたった数十年違うだけで、これほどの待遇の差。かたや酒で人生を崩して大きな音楽賞が手に入る直前で逝き、かたやジーメンス音楽賞までたどり着く。運命とは残酷なものですね。

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