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ピアノソナタで6時間?それって

客が耐えられないだろうとおもちゃったせみころーんさんです。はいどーもーとてとて。


きょうは昨日に出てきたカルロ・アレッサンドロ・ランディーニさんの話をします。


この人はイタリア作曲界の超エリート。ミラノからパリ、そこからサンディエゴに移り、片っ端から20世紀音楽の優秀な部分を身に着けていった才人です。


何がすごいって?それはね、イタリアでは例をみないほどの完璧主義だからかな。


イタリアの作曲家ってのはなんだか国民性を反映して、システムから間違ってたり、12音使ってもなんかどっか重複進行があったり、ずぼらというのか剥き出しというのか、「こまけえことはいいんだよ!」ってのが多いんですよね。


メトロノーム指示からありませんでした、なんて例もありました。


しかし、この人は違います。


手で五線書いて、きれーに浄書できるのはこの人くらいしかいませんねえ。


むかし、手で五線を書いて、どこの美術品だよってくらいめっちゃきれいだったのはヴィトルト・ルトスワフスキさんだったとおもいますね。交響曲第3だったかの自筆スコアは見てましたね。


で、


この人の、あまり長くない第3ソナタ(初版)の出来はほんとすごかったですね。ピアノソロで10段まで行くんだけど、ほんとびっくりするほど美しい。


どう?ころーんさんはここまでやられちゃうと弾けないでしょ?さいしょのうちならいけるけど。やっぱマッシミリャーノ・ダメリーニかカルロ・レヴィ・ミンツィじゃないと音にならんのよ。その辺からして普通のイタリア人の作曲家じゃないでしょ。


ランディーニも、調性回帰というか「交響曲ロ調」とかまんまそれって感じの題名で知られてますけど、そっくりそのまんま回帰してしまったという印象はなく、冒頭からぶっ放す。開始15秒でここまで要素を詰め込んじゃうのがやはりイタリアだねえ。日中韓はここまでできない。


ランディーニも調性の復権を信じてはいるんだけど、ピッチやリズムまでそっくりそのまんま使っちゃうか、と思うと妙に外枠は装飾されている。音色的にはちょっと同世代のシャッリーノさんほどではないにせよ、ポリフォニックな思想は豊かで、指揮は大変そう。


少し前に紹介したコッラさんほどストレートには引用できないが、ってとこですねえ。あーでも、近作のAnulus Fibrosus (2017)は結構ストレートにやってますね。近作はね。


ヘブライ語の合唱曲BERESHITってのを発表してるのを見ると、ユダヤ系なんだろうか。いわれてみると、そうかなという気はする。


近作Echoes Unplugged (2016)を聞いてても、いつぞやの強烈な覇気からは、なんか距離を置いた印象があります。ちゃんと来るべき箇所に、穏当に置いているという印象がある。これができるだけでもすごいんだけどね。


でも、この人、実力の割にはCD化はひどく遅く、恵まれなかった印象があるんですよね。


いまでこそ、Stradivariusからリリースされてるし、だれでも知ってます。しかし、同世代のイヴァン・フェデーレさん他に比べると認知が遅れた。


せみころーんさんは、、フェデーレさんよりもランディーニさんのほうが好きだなあ。なんつーか、エクリチュールの切れ味にものすごい集中力がある。LIMEN (2010)もすごいけど、そのちょっと前にセロツキ国際作曲コンペティションで二位になった曲Concerto da camera per 13 archi (現在の題名はMidrash Temurah per 13 archi)も同様の切れ味。半端じゃない。


やっぱ、長大な密度や急激な加速度に興味を抱いた時点で、人気が出なかったのかも知れません。彼の作品は演奏も大変だし。でも、もっと彼の曲はかかってほしいですよね。


こういう分厚いポリフォニックな書式はせみころーんさんの最も好む部分なんだけれど、こういう路線で勝負する作曲家ってのも、もう少数派なんだろうかって思っちゃう。


なんで少数派になるのかって、そりゃめんどくさいからですよ。書くのが。


めんどくさい語法ってのは、どっちみち淘汰されちゃうんだよね。


アルス・スブティリオルって様式が中世の時に一部ではやった(当時聴いてた人数は、ものすごく少なく、1万人を下回るのでは?)んだけど、色の異なるインクを用意するのがめんどくさいという理由で淘汰。


なんで色違いのインクがいるのかというと、色を変えて、長さを変える指示が横行したらしい。その時から楽譜を多色刷りにするってのはあったんだよね。でも淘汰。


もう65歳になる大巨匠なのに、CDがたったの9枚ってのはあまりにも酷。しかもそのうち2枚はライブ盤。


ランディーニの様式は、演奏の困難さから確かに継承する人はすくないのかもしれないけれども、イタリア音楽史に燦然と輝く規範であり続けるのは間違いのないところでしょう。

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