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あーああ、オランダさんは強いなあ、、

サッカーでアディショナルタイム直前で点を取られちゃって、残念な気分のころーんさんです。


きょうはチャイコフスキー国際コンクールの本選会についての話をします。


コントラバスの数が多くないので、オーケストラの音量はあまり大きくならないのですが、ピアニストの音量は確実に下がってますね。これでは将来2000席ホールでは何にも聞こえません。かつてのチャイコフスキーのファイナリストは2000席でも問題なくならせる強面ピアニストがロードローラーのように突っ込んできていたのですが、今回はそれがありませんでした。


まぁ、、予想通りというか、こんなに予選で花を持たされてやってきたファイナリストが本選で名演奏なんてことはありません。安さんもやはり、しんどかったのか長江を鳴らす、という事だけで精一杯。なんとかオーケストラに飲まれずに高速テンポでついていっただけでも大金星、とみるべきでしょう。もうちょっと余裕を与えてひかせたほうがよくなかったか?


シーシキンさんも、見慣れているのでいつもの彼がやってきたという印象以上のものがありませんでした。年齢を考えれば、まぁ許容範囲。これで悪いってことは絶対にないですけど、もうちょっと解釈の余地があるところもすいすい素通りしてしまう。


まだエリミャノフさんのほうが作品に対して誠実で、きめが細かく日本人にはこっちのほうが受けがよろしいのではと思います。コンクール受けする弾き方ってのはありますね。ヴェローナ、ヴィオッティの時も彼ならではのイントネーションが一興で、今回も同じ。


でもどうしても最後は根負け。オーケストラの音に対峙して音楽をつけていく真心があったのはこの人だけですが、燃え上がるようなブラヴォーもなし。客はわかっていってるんですよ。


毎度毎度おんなじコンチェルトで決勝やってるのが、どう考えても問題なんでしょうね。もう聞きなれちゃってるので何にも面白くない。ピアニストのほうが敏感のように感じました。


どうでしょう?オーケストラの水準もこれでよろしいでしょうか?年々基礎力は向上しているという印象なのですが、ホルンのピッチが不揃い。それ以前に、あんまりやりたくなさそうな人もちらほら。


かつてボリス・ベレゾフスキーさんが優勝なされたときに、オーケストラが給与問題でストライキ。そのためにロストフ・シンフォニーというアマチュア以下のオーケストラを無理やり呼び、譜読みすらできない人をメンバーに迎えて、観客は演奏中でも大爆笑ということがございました。


あのころの客は豪快でしたが、今のロシアではこのタイプの人々はいなくなってしまいました。そもそもチャイコフスキー国際コンクールにしては今年の観客は、少なすぎる。


でもですね、わたしはあのロストフの懸命に楽譜を追う姿が印象に残っています。ティンパニは音を外すし、テレビ番組のコントかなんかなのかと思わせる瞬間があったのは事実ですが、音楽院大ホールに招聘された緊張感は漂っておりました。ソ連邦崩壊前夜だったってこともありました。


ところで。


今年はスポンサーマネーがたくさん出たのか、木管楽器部門や金管楽器部門もやっちゃおう、という妙な措置が取られました。


なぜ妙なのでしょうか。


そうです。「木管楽器」はフルートだろうがクラリネットだろうが同一のカテゴリーで処理する、というちょっといい加減にもほどがある措置でしょう。「金管楽器」っていったってユーフォニアムとホルンとでは楽器の成立時期から違う。なんでもいっしょくたにして審査ってのはどうなんでしょう?


チャイコフスキー国際コンクールは公平性に関しては敏感で、声楽に「男声」「女声」とカテゴライズしているのはもうこれだけではないかと思います。トゥールーズでもヴィオッティでもやってません。かつてのピアノ部門は12人も本選に呼びつけて審査結果は深夜の3時を回ってから、という共産主義ならではの真剣さがありました。ところが民主化したとたんにこれ。


こういう「一緒くた審査」がまかり通るのならいっそのこと「弦楽器部門」「鍵盤楽器部門」ってことにして、ファイナリストの数を制限したほうがよかったんじゃないでしょうか。でもこういうことをいうとヴァイオリニストは顔を真っ赤にして怒ります。


今年のヴァイオリン部門は「過去最大の」難易度の易化がみられた回でした。こうすれば優しい人が通るのではないか、と。しかし、運の悪いことに今年はエリザベート国際王妃音楽コンクールはヴァイオリン部門だったのです。音楽性をよく考えて音を聴くタイプはみんなとられてしまいました。


したがって、チャイコフスキーに残されたのは超攻撃派ばっかり。小ホールでそんなに攻撃的に弾いたって感心しないよ、ってタイプがそろってしまいました。


この手の一緒くた審査のコンクールが伸びないのは、誰がどう見たって当たり前。オランダのガウデアムス国際現代音楽演奏コンクールは、アムステルダムの財政難のため、真っ先につぶされてました。

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