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もう指揮者の作曲ってのも、今世紀に絶滅するのかもしれない。ヴァイオリニストはさっさと転向してくるのに

ふとフィラデルフィア交響曲ってのを聴いてたら、あることに気が付いたせみころーんさんですどーもー。


高校生の人向けにオーケストラの基本的なことを説明します。


オーケストラの木管楽器の数を見てください。フルートがいるでしょう?2本だと「2管編成」3本だと「3管編成」っていうんですよ。


もちろんフルートの数を上げて10本でびゃーってのもできなくないんですが、エキストラを頼むのが面倒なので、たいてい2か3です。


ここである障害が起きます。


4管編成や5管編成の作品は20世紀にいっぱいあるのにそれどーすんねんってことです。5管編成だったらイーゴリ・ストラヴィンスキィさんの春の祭典があるし、4管編成だと近藤譲さんの「夏に」があります。これってどうするんだってことです。


そうです、できなくなっちゃいます。


このような管弦楽の不毛を除去するために、毎回全部編成を変えてた反骨の巨匠ボグスワフ・シェッフェルさんってひとだっていました。彼のハープ協奏曲第一番は、弦楽器の編成はなんと(16.0.1.4.1.)。こんなの見たことないでしょ?


わたしもびっくりでした。


通常第一ヴァイオリンから12、第二ヴァイオリンは10ってやって2づつ減らすロシア式がヨーロッパに逆輸入されて今に至るのですが。シェッフェルさんのこれは強烈に透明。低弦がなんもないので宙に浮いてます。これでかれは分奏して、16声でヴァイオリンが出てくるわけですから、非常に高密度でした。


多くの現代音楽作曲家の努力もむなしく、現在のオーケストラ曲はたいていが2-3管編成に収まってしまっています。3管編成もオーダーできるかどうかわからないご時世だといわれました。


しかし管弦楽は2管じゃないと何も弾けませんので、ピッコロの入った拡張2管編成(ピッコロがいるが、ほかの木管が全部2)ってのが標準サイズになってきました。


経済難で3管編成すら演奏できないとなると、文化の崩壊だと思われてもおかしくないでしょう。4管編成は考案当初から非現実的だと思われていたらしく、フランスの作曲家たちは大概3管です。


3管なら大丈夫と思われてたわけです。モーリス・ラヴェルさんが3管だし、このサイズを下回るなんてことはないよと。ところが全世界的に古典芸能離れが進み少子化も兼ねているので、地方オーケストラは3管すらそろわない。


こうなると「2管への書き換え」ってのがまた再ブームになる可能性はありますね。イーゴリ・ストラヴィンスキィはペトルーシュカと火の鳥は2管に直している。


将来的には、ストラヴィンスキィの「春の祭典」は5管編成だったが、現在は修正された版で演奏されることが主流である、なんてこともあるのかもしれません。かつて吹奏楽やマンドリンは「オーケストラの代用」として日本で爆発的に広まったわけですが、そのオーケストラ自体がなくなりつつあるという怪談のような話ですわ。


んでね。


なんでこんなにオーケストラの人数がそろわなくなるばかりか、特権的なメディアでも何でもなくなったのか、という話をします。


高校生の人はもう知らないと思いますが、かつての国際作曲コンクールは定期的にオーケストラ作品を公募してたんですよ。タラコーナ国際でもそうよ。一年に一回くらい3管編成で公募できるだけの税収はあるよと。


それが


ね、


全部絶滅してるんです、、、、、


ちょっと考えられない話でしょ?ピアノメーカーはヨーロッパ・中国・オーストラリアにじゃんじゃんできて、むしろクラシック音楽への態度ははるかに向上しつつある。ポピュラー音楽のほうがまずそうになってきている。それなら3管編成で公募するコンクールがなくなるなんてことは、


まず考えられないじゃないですか!でもどんどんなくなってます。バーゼル国際だって「スイスはお金があるから」という評価でした。しかも編成表を見ると「5オクターブのマリンバが使えません」という信じられない文言がある。


これはね、西洋音楽の「規格」に関することなんです。


大体オーケストラは何人でできました?オーボエ2、ホルン2、ファゴット1(高校生のためにバスーン表記をやめてます)、第一ヴァイオリン2、第ニヴァイオリン2、ヴィオラ2、チェロ1、コントラバス1ですよね。


13人です。


そうです。13人もいれば大抵のパートは拾える。西洋音楽は4-5声のミサが原点なので、同時に動くレイヤーは5まで、と決まってるんです。なら「最初から13人でいいだろ」って話になるでしょう。


ヴォルフガング・リームさんの作品は電子音楽を除く全ジャンルに及びますが、一番うまくいってるのはこの手の室内オーケストラなんですよね。「コンチェルト・セラフィン」でも、最初聴いたときはなんでこんなおかしな編成なのかと思うけど、聴き終わると論理的一貫性のある不思議な曲でした。こういう曲は、なろう系読者には一番厳しい作品だと思いますが、一回は聴いてみて。

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