こういうのって、だれも日本では聞かないし、日本初演ってあるんやろうか?
はーい。きょうはすらあっーしゅさんの収録音源だよー。昨日はちょっとへこんだけど、まあええわ、Li HaoranとYang Su-Hanは残念やったな。
さてとっと。
ほれ、なろう系の読者でも「チャイコフスキー」って名前くらいは知っとるやろ?小学生でも習うやろ。(あれ?今は中学生か?まあええわ、義務教育ではやるはず)
つまり、どこの国にも「国民楽派」というのがある。日本なら伊福部昭、中国なら冼星海、アメリカならエドワード・マクダウェル、ブラジルならエクトル・ヴィラ=ロボスと。
つまりや、どんな国にも、我こそは国父や!ってのがおんねん。
でね、フィリピンは?答えられるか?
これは大学生でもわからんやろ。大学院生でも半分わからんと思うわ。
で、フィリピンの「国民楽派」てのがね、おる。
Nicanor Abelardoさんや!!
もちろん、彼は19世紀の生まれで、フィリピンの植民地政策の関係もあって、フィリピン土着の音楽を作る人物ではなかった。しかし、フィリピン初のクラシック音楽の作曲家になるべく努力したんや。
まぁ聞いてみろや。Youtubeぽちっと。
Nocturne in C-sharp minor No.1。1921年の作品。
どうや!
、、、なんや、、、
これ今検索して聞いとるやつ、わろとるやろ。
なんでわらうんや!
、、、、、、そうや。ショパンの幻想即興曲とノクターンの第二番を掛け合わせただけ、それだけや。
これができるだけでも、フィリピンは、大騒ぎやったんや。
誰もがこんな時期を通る。これほどではないにせよ、アントン・ルビンシテインの初期作品も似たように、西洋の中心地への憧憬を全く隠さない現実賛美のピアノ曲を書いていた。
植民地化を経て、西洋音楽が持ち込まれ、西洋風のエクリチュールを埋め込まれたことに対し、批判の声はあるかもしれん。
でもね、こういう音楽が間違ってるってことではないのよ。西洋音楽を学ぶのなら、通らなきゃいけない道なんだよね。
オーストラリアだろうがアルゼンチンだろうが、みんなこうやって通ってきてるんだよね。通らなかった国はインドとアフリカの極貧国だけだといわれている。中近東ですら、西洋音楽を通った。
彼の出世作らしいNasaan Ka, Irog?も、もう山田耕筰と同レヴェルのロマン派賛美音楽。これ聞いてると、征服されちゃって開国しましたという哀愁がなんとなーく漂ってるような気がした。
Nicanor Abelardo門下生に、Antonino Buenaventuraがおって、そいつはJenő Takácsに師事したみたいだけど、フィリピン現代音楽がハンガリー風に染め上げられていったなんてことは、ないと思う。
Panoramas (1932)になると、フィリピンの土着の音を真似しようとチェレスタを入れたり、フルートに民族楽器の音をそのまんま入れたりと随分と進歩したんやなと思う。
楽譜を見てると、これだれが印刷したのか知らんが、変なフォントだよねーーーー。
でさー
やっっっぱ、ダイナミックスが欠けたまんまなんだよね。
これホント多いのよ。どこの国でも。
フィリピンがどうとかいう問題やない。アマチュアの人、素人の人、勉強中の人、信じられないくらいダイナミックスが落ちるんだよね。
最後のほうになると、ちょっと反省したのか申し訳程度に指示するんだけど、それまで気が付かないのかな?
自由な組曲、のつもりなんだろうけど、構成感もなんもなくて、アメリカ合衆国におったほれ、あのチャールズ・トムリンソン・グリフスってのをもっと世俗的にしたようなそんな書式やなあ。
フィリピンでは、そりゃ西洋音楽の中心地のことなんかなんもわからん、わからんので自由に書いちゃったってのがこうなる、というのは興味深い。
この男も、調性音楽は半壊する、くらいのことはつかめたんやな。それはよーわかる。しかし、全体的なこのディテールの甘さはなあ、、教えてくれる人がおらんかったんやろうか。
Concerto for piano and orchestra in B-flat minorも、まぁほとんどチャイコフスキー。でも日本の歌謡曲の暗さをもっと深くしたような音色になるのはなんでやろ?でも、この人の旋律は、なぜかよくできている。
で、やはり、アジア人ならではというか、、、対旋律らしきものはなんもなし。単に旋律の伴奏付けやってるだけ。ティンパニで八分音符刻みのどんどんどんどんどんどんどんってのが、すごい場違いなんだけど、この人は本気でこれやってるんだよねー。
このコンチェルト、アメリカの一流どころの交響楽団、そうやなボストン交響楽団あたりでまともなピアニストを擁して聞いてみたいなあ。誰かやるやつおらんやろうか?結構アメリカはフィリピン移民もおるし、意外にも客を集めるイベントになると思うで!んじゃ(ぶつっっっっっっ!!)
厳密にはロシアではアントン・ルビンシテインのほうが国父の位置に属しますが、実は改宗正教徒でモルドヴァ人です。日本なら、ロシアの国父はチャイコフスキー、といっても間違いとはみなされないでしょう。




