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しまった頼んどけばよかったでは遅すぎる。

ついこの間、イヴォ・マレクの訃報が入ってきたかと思ったら、今度はエリック・オニャがなくなったと急にメッセージ機能で入ってきてショックの隠せないせみころーんさんです。とててて。


私は顔色が悪かったらしく、随分ところーんさんには気を使っていただきましたが、病気じゃないから大丈夫ですよ。


さてと。


オニャさんは、、随分古くにNouvel Ensemble Moderneをやったんですよね。まだあれがコンクール制度だった時代でしょう。一位を決めてたんですよあれ。過去にはステファーノ・ジェルヴァゾーニが優勝しました。そのときにちょっと風変わりな作曲家が通ったとかいうので話題になりました。


この方はほぼ全作品において、12平均律のみの技法を使いません。じゃぁ微分音だろって話になりますが、自然倍音上の微分音にこだわったという点でジョンストンと共通点が多かったです。


でも、アルゼンチン出身という出自のせいなのか、どこの発祥なのかよくわからない技法を使う謎の作曲家でした。後半生はスイスに住んでいたために、余計わからなくなりました。


Jodeln für Klavier (1996)

ピアノのミュート音を完全に指定するために、前もってピアノの弦の位置に印をつけなければならない。ピアノのミュートオンだけの曲は実は先行例があって、ジェラール・チンスタークが「スオノ・レアレ」でやっているが、先行例模倣という印象を全く感じない。


最初っから気味がかなり悪いが、そのまんまで終わるどころか、余計怖い終わり方。なお、この作品は厳密には「一台のふたを取り外したグランドピアノと3人のピアノ奏者のための」である。ベーゼンドルファーのモデルごとに押さえるミュート位置を全部図示したというのだから、結構な努力家なのだと分かった。


UMS 'n JIP

リコーダーを伴奏に使っているが、これならバスフルートでもあんまり変わらなそうである。おかしいなとおもったら、これは原曲はチェロで、リコーダー版は2018年に作り直したということだそうである。チェロならハーモニクスと通常の奏法なのだろうが、ちょっと控えめすぎる。


DO-UT-DES

ピリオド楽器のために書いていて面白かった。ただ、楽器の特性上ヴォルフガング・フォン・シュヴァイニツほどには微分音は指定できなかったようだ。ハープシコード用の工夫がほしかった。


150作も作品があって、ソロアルバムのためのディスク化はたったの一回。不幸としか言いようがない。一時期日本に住んでいらしたはずですが、そのころにサントリーは声をかけることができなかっただろうか?いろいろと計り知れない損失を感じる方でした。


彼のように特殊な音律を指定する作曲家は、ヨーロッパのように微分音に寛大な国家だとうまくいくのですが、まったく誰もやらない国家だと評価すらされないんですよね。


今でこそ、アメリカは海外から教えに来る人がいて、微分音アウトって環境ではもうなくなりましたが、一昔前は微分音をやってるのはパーチかジョンストンかEasley Blackwoodくらいで、研究者のための音楽って感じだったんですよ。


アメリカも音楽学は盛んで、ちゃんと微分音の作曲家にこれこれこうこうとかあるんですよ。でも専門家しか読まないんですよねそれ。


となると、実際のコンサートホールでかかる現代の音楽はAaron Jay Kernisみたいな「下心のある調性音楽」ってのばっかりになっちゃうんですよ。Kernisはいいですよ。ちゃんと音になってるんですから。そりゃララモエラーだって聞くでしょうよ。


でもねーーー、音にならない「下心のある調性音楽」ってのもいっぱいあるんですよー。


作曲者名は出せませんが、アメリカの底辺の教育とかいうやつですよねー。Naxosだったら二度と来るなとか言われそうなレヴェルの三流どころの「下心のある調性音楽」の楽譜をですね


ころーんさんにぱらっと見せたことがあるんですよね。


「あほか!」


って言われちゃいました。


あほか!ですか。まぁ、そりゃそうでしょうね。ころーんさんくらいの音楽家ですら、すぐわかるずさんさ。


笑い声すら出ないってやつ。アメリカっていっぱい人がいますからね。こういうこともあるんですよ。


で、アメリカがなんじゃこりゃレヴェルの底辺がようやく消えて、よかったよかったとおもったら、今度はヨーロピアニズムの汚染が始まるし、アメリカも想像以上に大変なんだなと思いました。


その「想像以上に大変だった」とき、エリック・オニャさんはJune In Buffaloに招かれました。なんだこの人選はと思いましたが、その年は湯浅譲二さんも招かれており、いつもと毛並みも違って全体的に熱い回だったようです。やはり、自然倍音上の音程を考えてみよう、って話をすると、調性音楽の肯定派閥も、真剣な目になりますよね。


なんてたって調性音楽の肯定派閥の先祖が、まっさきに12平均律でぶち壊した前科があるわけですから。


いなくなってしまってから、しまったでは遅すぎる。もっと早期に評価されることはなかったのかと、ふかーい溜息が出てしまいました。

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