80話 上
「ゆ、勇者?」
「え?勇者のこと知らないの?」
いや、知らないことはないけど…
てか、あれか?神様が言っていた勇者っていうやつか?
「いや知らないことはないですよ。
でも、勇者だっていろいろいるでしょ?詳しく教えてもらってもいいですか?」
「ボクがなんで貴方達に教えなきゃいけないの?」
む、たしかにそうか…
情報というのはタダじゃない。それ相応の対価ぎ必要か…
「そうですね。…僕は君に対価として差出せるものなんてないですよ」
「クロ」
「え?」
「君じゃない。クロ。ボクの名前」
「あー。はい。クロさん。」
「うん。勇者を倒して。それが対価」
「はい?」
勇者を倒す?どういう事だ?
「クロさん。もう少しわかるように説明してもらってもいいですか?」
困惑している僕を見兼ねたのかパフェさんが助け舟を出してくれる
ほら、人って混乱すると思考が停止するって言うの本当だったんだね。
まぁ、今の会話でわかった事が一つ。
クロさんかわいい
え?会話関係ない?うるせーな。いいんだよ
「勇者が暴走して人間を襲いだしたの。ボクは幻影の超能力でなんとか逃げたけど…」
ん?
今新単語でたよ
超能力?
あれですか?さっきのモヤモヤですか?
「超能力ってあの超能力ですか?」
「?」
「この世界に超能力ってあったんですね」
「なにいってるの?あるわけないじゃない。超能力は生まれつき…!?」
どうやらクロさんも気がついたようだ。
そう。この世界にはない。つまりこの世界ではないことを知っている
「クロさんも異世界人なんですね」
「も……ってことは、君達二人も?」
「ええ。わたしはパフェ。こちらの少年がソラ。異世界転生、こっちは転移してきた……前世の記憶も待つ者よ。でも私たちの世界には超能力はなかったは」
少し黙った後、クロさんが口を開いた。
「隠してもしょうがないから、ボクの知ってることをはなすね」
「あぁ、お願いする」
………
彼女の話を整理するとこうだ。
一年前、クロさんと同級生の二人は異世界召喚された。
どうしてそうなったかはわからない。
学校からの下校中にいきなり足ものに魔法陣のようなものが現れて気がつくと石でできた壁に囲まれた部屋にいたらし
曰く、それは勇者召喚の魔法。
勇者の素質があるものを異世界から呼び寄せるもの。
結果。一緒に転移した同級生のうち一人は、スキル【勇者】があったそうだ。
クロさん達は国王の指示でレベル上げをしたり、剣術や魔法の訓練をしたそうだ。
今まで剣など握ったことなどなかった3人は初めは苦戦するも超能力を使い難なく強くなっていった。
どうやらクロさんいた世界には超能力があるらしい
3人もたまたま超能力者だった。
クロさんは先程言及した通り幻影系らしいく、自身や自身が選んだ者や場所を違和感なく隠蔽できるらしい。
この能力のお陰で、勝てそうにない敵にも一旦戦いを挑んでみて、
勝てそうにない時は身をかくしたりしたらしい。
他の2人も強力な超能力を持っていて3人で強力して自分達の力を蓄えていったそうだ。
しかしそんなレベル上げの最中に異変が起きた。
隣国の魔王が他国に宣戦布告したらしい。
それを聞いたクロ達を召喚した国王は次は自分達の国だとあせり、クロ達へ更なるレベル上げを強要したらしい。
魔物討伐だけでの強化はすでに限界が来ていた。新たな魔法を覚えたり、武術を極める必要があった。
しかしそれは一長一短で会得でにるものではない
それを埋めるために国王はある事を強要した。
それは魔王ルシファーが勇者のエルシェさんにおこなった非人道的行為。
国王が金で優秀なスキルを買ったのだ。
買ったスキルを勇者へ集約させる。
それだけ聞けば良いように聞こえるかもしれないが、問題はそのスキルの受け渡し方法。
この世界はスキルが存在する。スキルは基本、自分で磨いて行く必要がある。しかし一つだけ他人に受け渡す事ができる方法がある。
それは渡す側が望めば、
…繋がることでスキルの一部を譲る事ができる。
つまり、この国の国王は、勇者召喚で呼び寄せた異世界の学生を和漢しようとした。
3人の同僚のうち一人は、【勇者】の少年はそれを受け入れた。
まぁ、気持ちは分からなくもない……
だって、男の子だもん!
クロさんともう一人は否定した。
「その時に、私の超能力を使ってすぐに逃げればよかった。」
クロさんは悲しそうにそう言った。
【勇者】の少年は何人ものと交わったそうだ。
レベルは同じはずなのに明らかに動きが良くなっていったらしい
そして、恐れていた事が起きた。
ある日の晩。
勇者の少年は一人別の部屋に、
クロさんともう一人は同じ部屋で休んでいた。
少年がクロさん達の部屋に入って言ったそうだ。
「ねぇ?僕はとっても強いよ?。僕なら君達二人の力を有効活用してあげられるよ?だから僕にくれないかな?
君達も魔物なんかと戦いたくないでしょ?
君たちの為だから……」
そう言ってクロさん達を襲ったそうだ。
あまりの不意打ちに逃れることができずに同級生が捕まった。
そしてクロさんの目の前で犯したそうだ。
「ほら?君のスキルを僕に頂戴」
全てが終わった時、
彼女は自ら死を選んだそうだ。
その様子をみても【勇者】はクロさんを犯そうとしたらしい。
クロさんは超能力を使い勇者から認識されなくなる事で難を逃れこの森に逃げ込んだそうだ。
「つまり、この森にいる魔物って……」
「はい。間違いなく【勇者】ですね」
ですよねー
それで女性冒険者を犯した続けてたんですね
「わかりましまた。まずはその【勇者】と話をしてみます。
お名前聞いてもいいですか?」
「みーつけた」
「!?」
湖の反対側から声が聞こえた。
白いシャツに白っぽいズボン。さらに真っ白なコートを羽織り全身真っ白な少年がいた。
「シロです」
「え?」
「彼の名前です。シロ。
スキル【勇者】を持ち、…ボクの兄です」
シロと呼ばれた少年は湖の上をゆっくりと歩ってこちらへ向かってくる。
その両手には二人の冒険者が握られている
「くろちゃーん。俺ときもちーことしよーよ。
ほらー。この子もきもちすぎてお腹に穴があいちゃったよ」
そう言って両手に持つ冒険者を上に掲げる
ここからでは距離がありよく見えないが、大量の血が流れ続けている
二人ともぐったりした様子で全く動いていない
「クロさん。逃げてください」
「ここは私達が対応します」
「……ソラさん。パフェさん。すみません。」
そう言い残しクロさんは白いモヤに包まれて消えた。
「さて、それでは勇者退治。行きますか!」
「はい。お供します」




