78話 下
短いですね
「森ですね」
「そりゃ森ですもん」
「そうなんですけどね。街とのギャップが…」
街の近くに強力な魔物が出現したという事で僕らは金銭目当てにその依頼を受けた。
で、まぁわかっていたんだけど、街の外壁をくぐるとそこは木、木、木。木だらけだ…
「魔大陸ってどこもこんなんですよね。」
「そうですね。人が住める環境は街かダンジョン内だけですね
全ての街に設置された魔力の吸収装置が街の外壁より先にある空気中の魔力を吸収してしまうので魔法も使えませんね」
「誰がそんなことしたんですか?あまりメリットが見えませんけど…」
自らの住める土地を減らしてまでしてやることだったのだろうか?
僕にはその意図が読めない
「さぁ?わたしにもわかりませんね」
「パフェさんでも知らない事が…」
「ソラくんはわたしをなんだと思ってるんですか?
同じ転生者ですよ?」
「なんでも知ってる天才少女?」
「知ってる事はなんでも知ってるってか?そんなわけでないでしょ
必死に覚えただけですよ。」
「ふぇー。すごいですね」
「むか」
パフェさんが頬を膨らませて先に行ってしまっう
「待ってくださいよー」
「知らなーい」
「それで?魔物ってなんですかね?」
「さぁ?むしろなんだと思いますか?わたしが本で魔大陸の地理を調べた時にはこのあたりはゴブリンとオーガが多いと見ましたが…」
「ゴブリンねぇ…ゴブリンキングとか?」
「ゴブリンで思い出しましたけど、なんで昨夜しなかったんですか?」
「なに、さらっとセクハラ発言してるんですか?
それに、毎晩やってるみたいに言わないでくださいよ」
宿屋で部屋を一つしか借りられなく、仕方なくパフェさんの同じ部屋だった。
部屋にお風呂もシャワーも無いという事で仕方なくお湯で温めたタオルで体を拭くだけで我慢したのだが、
パフェさんはあろうそとか僕の目の前で服を脱ぎ出し慌てて僕が部屋を出ようとすると抱き抱えてホールドされた。
僕自身、転生してからすでに17年が過ぎている。体付きも自分で言うのもあれだが、しっかりしている
まぁ、現代の学生よりも、異世界の方がいいのは当然か…
そんな僕のことを後ろからがっちり抱き抱えて話さないパフェさんってなに?
あ、鬼人でした。
最初のうちはバタバタしてみたが無駄な抵抗と諦め、背中に当たる感覚を味わうことにシフトチェンジ。
朝に至る……
「って、そもそもあんなに締め付けられて身動きできなかったら襲うこともできないですからね?」
「それもそうか…今晩は気をつけよう」
「寝かせてください。切実に願います」
「ははは。」
(背後から3匹)
(匂いにつられたんですかね?)
(どうですかね?)
森を歩くが特に魔物には遭遇せずに太陽が真上まできてしまい
お腹も空いたので休憩がてら街で買ったお弁当を食べているとパフェさんから念話が届いた。
てか、森では報酬系の魔法は使えないのにどうしてわかったんだろう?
(魔法つかえるんですか?)
(使えませんよ。ほら、よく耳をすませてください。足音が聞こえるでしょ?)
聞こえるかな?
よく耳をすませる。
んー。確かになんとなく足音は聞こえるかもしれない。
まぁ、それが何匹いるかまではわからないけど…
(ギリギリまで引きつけて一人で1匹ずつ速攻で倒しましょう。早い方がもう1匹を倒して、遅い方が周囲の警戒で行きましょう)
(はい)
(では、足跡が近づいてきたので、行きますよ)
お弁当を岩のテーブルにおく
はぁー。お昼くらいゆっくり食べたいよ
(3、2、1、…行きます!)
(はい!)
パフェさんは素早く振り向き立てかけてあった杖を手に取り、
ゴブリン3匹に走りだす。
僕は立ち上がりながら岩を借り後方へジャンプする。
その途中で【射出】を使い一気に距離を詰める。
空中で向きを変えながらすれ違い様に驚くゴブリンの顔面を殴る。
【射出】により勢いをつけられた僕の殴りは空中にいるにもかかわらずにゴブリンを吹き飛ばすほどの威力を繰り出す。
「痛ってぇー」
右手の痛みに耐えながら腰の剣を抜刀して先ほど殴ったゴブリンに投擲する。回転する剣はゴブリンの胸に深ぶかと突き刺さる。
と、ここまでが一瞬。
まぁ、左右のゴブリンは状況を掴めていない。
戸惑うゴブリンにパフェさんが後方から杖で強打する
「ゴ?」
3匹目に僕が蹴りを放つが流石に交わされる。
が、その回避先にはパフェさんが先ほど殴ったゴブリンがよろけている。衝突。
2匹がよろけて倒れる。
………
「ごめんなさいね」
パフェさんがゴブリンの頭部を杖で強打。
何度目かの強打でゴブリンは動かなくなった。
【勇者の杖】でゴブリンを撲殺するなんて…
「さて、場所を移しましょうか…」
「そうですね。戦闘音でもっとでてくるかもしれないですし…」
「では、サクッとお弁当等を…あれ?」
ん?なんだろう?
僕もパフェさんのところに戻るとお弁当がなくなったあた。
あれ?確か個々に置いたはずなんだけど…?
「あれ?ぼくのおべ
(静かに…まだいます。それもすごい数…)
(足音ですか?)
(それもありますけど、気配がすごいです。さっきまではお取りだったのでしょうか?今まで気配を完全に消していて、戦闘が始まると同時に一気に距離を詰めて包囲したのでしょう)
ふむ。それはまずくね?
(やられました。もしもの事になったら私の事は殺してください)
(へ?)
(ゴブリンの子産みになるくらいなら死んだ方がましです)
(そんな事には…)
(はい。そうならないように頑張りましょう)
ゾロゾロとゴブリンたちが姿を現わす。
木の影から現れる姿は1匹1匹は弱そうでも数々のいる。
クソ、どいつもこいつもニヤニヤ笑いやがって
魔法が使えればこんなやつら一掃できるのに…
(では、個々に倒しますか…パフェさん。絶対に守ります)
(そうね。私はこんなところで死なない。蹴散らしましょう)
この森はダンジョン化してないので魔力を全て街にとられている
使える魔法は外に魔力を放出しない魔法。
つまり身体強化系の魔物か自分自身の回復魔法だ。
無いものねだりしても仕方ない。
今できる事をしよう
先ほどと同じように【射出】で距離を詰める。しかし今度は1匹1匹に時間をかけてられない。重要なのはスピード。
ゴブリンの頭部に手を乗せて魔法を発動。
【ファイアボール】
ゼロ距離どころではない。ゴブリンの頭部、…脳に直接火の玉を発生させる。その結果ゴブリンは瞬時に動かなくなる。
「どんどんこいや」




