75話 馬車
「ひーふーみー、4匹いますね」
「そうですね。では、僕が行くので後方支援お願いします」
「わかりました。」
人間の大陸に戻る為、現在国境を馬車で移動中だ。
目指すはブレイブという国。
その途中、狼型の魔物4匹に遭遇した。
魔大陸では、都市とダンジョン以外の場所では魔力を使った攻撃が出来ない。
それは都市にある魔力吸収装置が空気中の魔力を根こそぎ吸ってしまう為らしく。使える魔法は体内を対象に体内ある魔力を使う場合のみだ。
【射出】
自身を対象に運動ベクトルを操作する。
狼はこちらにまだ気が付いていない。
残り数メートルの所で空を切る音を聞いたのか、野菜の感なのかこちらに気がつく。
【一閃】
と、同時にこちらを察知した狼型の魔物の頭部に手刀で武技を発動させて、叩き落とす
最近、レベルが上がった為か、別に剣を使わずに武技を放てるようになった。まぁ、もちろん武器を使った方が威力は上で射角もあるのだがなんとなく手でいいや。と、なっている
いや、別に剣の手入れがめんどくさいわけじゃないよ
いつか僕に合う剣が見つかるまで癖をつけないようにしてるだけですからね
その名の通り、一瞬、魔力により手刀がひかり、魔力の刃を生み出して首を切断する。まぁ、魔力の刃自体は前述した魔力吸収装置によってすぐに消えてなくなる
(後方から二匹飛びかかって来ます)
(ありがと)
僕の左手側には今しがた倒した魔物。
目の前に牽制してくる1匹。
そして僕の見えな位置から奇襲を仕掛けてくる。
【体内加速】4倍
後ろから攻めてくる相手に対して振り向いてから迎撃してもどうせ不利だ。ならば前に出る。
周りが遅くなるのを感じながら目の前の狼に再度手刀を放つ
【一閃】
右手が輝き、魔力の刃が形成される。
別に神の指とか言って相手の頭部を爆発させたりはしない。
ただ確実に、狼の胸に魔力の刃を突き立てて貫く
そのまま前に押し出すように移動する
その直後、僕のいた位置に狼2匹が着地する音が聞こえる
右手に突き刺さったままの狼を、振り向きながら投げつける
キャン
と、可愛らしい鳴き声を言いながら2匹に激突する
(投擲します)
(はーい)
振り向き、位置を、確認して後方へ軽くバックステップ。
狼2匹が再度僕に向かって飛びかかろうとする
が、投擲された槍が貫通。
そのまま地面に深々と突き刺さり動きを止める。
動けない2匹の頭部に手を当てて【ファイアボール】を直接叩き込む
苦痛に叫ぶがすぐに狼の丸焼きが完成した。
「それやると槍が焦げて使い物にならなくなるんですよね」
「うぅ、すいません」
いつのまにか馬車で近づいてきたパフェさんに怒られる
うーん。槍が突き刺さっていい感じに丸焼きにできたのにな。
ほら、アニメであるやつみたいな?
まぁ、こっちは狼のだけど…
「それにこんな血抜きもせずにそのまま丸焼きはどうなんですか?
味が不安ですね…」
「うげ すいません」
穴を掘り、そこに臓物をなど食べられないものを入れて、食べられそうな部位だけを今日のお昼ご飯にする。
すでに馬車の旅を開始してから1カ月以上が立っている。
食事面はそこまで不満はない。
まぁ、香辛料を多めに買っておいて良かった。
一番心配だった水関係も別に都市と都市の、間は砂漠というわけではないので普通に川や小さな池がある。
初めて魔大陸に来た時は一面荒野だったが、こちらはそうではなく普通に草原や木々が生い茂る森なんかもあった。
まぁ、魔法が使えないって意味ではかなり不便するけど…
パフェさんが【遠視】を使い周囲の山や夜に星の位置を確認して随時現在位置を確認してくれているおかげでもある
「この先に川が流れているそうなので今日はそこでやすみますか」
「そうですね」
今も街で買った地図を確認して今晩の泊まる場所をきめている
魚が食べたいな…
「そういえばなんで魔列車が発達しているのに、都市間の道はある程度整備されているのでしょうか?」
今進んでいる道も石畳とは言わないがある程度土を固められて、
馬車の通りやすいようになっている
さらには川には橋が架かっていたりもするのだ。
「それは、今でもたまに使うからです。こうして私たちのように旅をしているのに人がこの道を使ったり、昼に見た狼の魔物達が移動に使ったりするそうですよ」
「魔物が道を使うんですか?」
「はい。私も直接見たことがあるわけではないのですけど、なんでも移動。という理由ならば道は走りたいやすいのではないですか?
狩りならば見通しが良すぎて問題でしょうけど…」
「ほへー。魔物が道をねー。」
とまぁ魔物の話をしていたら魔物が現れる
周りが森なのでよく生息しているのだろうか?
現れたのはウサギの魔物。全身真っ白な羽毛覆われてつぶらな瞳が…
血走ってる!?
やっぱ魔物なのか…
「どうします?」
「襲ってこないようなら放置しましょう」
ウサギの魔物は動きがすばしっこく、なかなか仕留め辛い。
その上、仕留めた所で食べられる場所は少なくコスパが最悪だ。
せめてもの救いは狼よりも味がいいことだろうか?
まぁ、それと魔物化によるものなのか、なんとも言えない微妙な味になってるけど…
木から顔を、出してこちらを伺うウサギ魔物に気がつかないふりをしながら通り過ぎ過ぎる。
真っ赤な瞳がこちらを見つめるが無視する
いやさ、もこうも気づいているんでしょう。
自分じゃ勝てないことに…
だから襲ってこないんだと思う。
うん。そう思うとあのウサギ。なかなかやりますね。
と、よく考えたら狼もこちらから先制攻撃しているだけで
実は襲う気なかったのかもしれないな…
「ねえ?パフェさん?」
「ん?なんですか?」
先程思った事を聞いてみる
「なるほど。ソラさんは面白い事を考えますね」
「そうですか?」
「魔物がそんな事考えますかね?」
「ほら、魔王グリードも魔物使いって呼ばれていたんですよね?
それも魔法で魔物を操っていたんじゃなくて、実は魔物の特性?のようなものを熟知していてそれを利用したんじゃないですか?」
「んー。特性ねぇ」
「ほら、よく鳥とかである。
最初に見た者を両親だと思う……見たいな?」
「確かに…それはありそうですね。
そもそも魔物を連れて都市から出れば魔法が解除されてしまうはずですからそう言う精神的な縛りを使った可能性もありますね」
「そんなわけで、次魔物を発見したら一度見て見ぬ振りして見ませんか?」
「まぁ、たしかにその理論があっていれば魔物を毎回倒さなくてよくなりますから大分楽になりますね」
「ではやって見ましょう。でも、もしかしたら奇襲されるかもしれないから気をつけましょう」
「そうですね」
その晩。馬車で寝ているとパフェさんに起こされる
あれ?もう交代の時間?全然寝た気がしないんだけど…
「ソラくん。起きてください。」
「ふぇ?まだ寝たりないてぇす」
「静かにしてください。魔物ですよ」
「ほ?」
魔物?
あぁ、魔物ね
ゆっくり起き上がりコートを羽織る
「何匹ですか?」
「この暗闇なのでわかりません。物音的には3匹ほどでしょうか?」
「では、僕が陽動で適当に暴れてきますね」
「いえいえ、さっき言ってた放置を試して見ませんか?」
「あー。そう言う事ですね」
馬車から降りて焚き火に火を追加して火を強める
これで向こうからはこちらの様子を見られるだろう
あとはもし襲ってきてもいいように周りの気配を気にする
「そんな、あからさまな事しなくてもいいんじゃないですか?」
「そうですかね?」
大剣を持って焚き火の横に座る
いや、あなたも人の事言えないと思いますか…
「紅茶。飲みますか?」
「あ、はい。飲みます」
パフェさんが立ち上がり馬車から紅茶セットを取り出し、お湯を沸かし始める。一応、女王様のお付きという事でこの辺の家事?は完璧だ。
待っている間暇なので馬車から釣り具を取り出し川には垂らしてみる
釣れねぇ…
「何やってるんですか?」
紅茶を淹れたパフェさんから声をかけられる
いや、見ればわかるでしょ。釣りですよ
釣れてないけど!
「夜なんだから川魚も寝てるに決まってるじゃないですか」
「・・・」
「そこまで気がつかなかったんですか?」
うわ。
パフェさんが哀れむような目でこちらを見てくる。
やめて!恥ずかしい!
「あらまぁ、お可愛いことで」
「ぐげぇ!」
こいつ。完全にオーバーキルや
「よ、夜に活発になる魚といるかもしれないじゃないですか!」
「はぁ」
なんだよ。その哀れむ目は
「ここは地球じゃ、ないんですよ?
なんですか?うなぎあたりでも狙っているんですか?
あらまぁ、それは楽しみですね」
「うげぇ」
この世界での知識はパフェさんの方がよく知ってるので言い争っても勝てないか…
こうなったら実際に魚を釣って目にもの見せてやる
「と、あ、魔物が、遠ざかっていきましたね」
「おお、ほんとですか?よかったです」
僕の立てた仮説がすこし証明された。
まぁ、検証回数が少ないので、まだなんとも言えないが…
でもおそらくたが、
もともと知性のない魔物は同様の事が言えるのではないだほうか?
逆に知性がある魔物だと思うどうなるんだろう
それに、ゴブリン見たな個の意思が、ない魔物の場合はどうなるのだろう。その辺りをしっかりと確認してしていきたい。
「目が覚めてしまったのでパフェさん、寝ていいですよ。ぼくが見張りをします」
「そんな…ソラくん全然寝てないじゃないですか」
「大丈夫ですよ。ほら、最悪眠くなってもぼくは日中馬車の中でねれますから」
「んー。そうですか?ではお言葉に甘えて私は寝ますね」
「はい。おやすみなさい」
そう言ってパフェさんは馬車に入っていく。
さて、暇だな。
やる事もないのでその辺に落ちている木の枝を拾い剣に見立てて振る。
うん、悪くはない。
最近手刀ばかりで戦っていたからすこしなまっている気がする。
素振りでもしてるか…
「で?なんでこなかったんですか?」
「へ?」
朝からパフェさんご立腹だ。
はて?何のことかな?
「河原で野宿は久々だったじゃないですか」
「そうですね。」
基本的に日が沈み始めたらの野宿の準備をして、
翌朝、片付けをしたら移動の繰り返した。
時折地図を確認するしながら水辺によるために遠回りすることはあるが、その水辺で泊まったことはなかったな
「せっかく体を流せる環境があるんですよ?」
「そうですね。やっぱり体を洗うのは大切ですよね。
あ、今から水浴びしてきます。僕は朝食の片付けしてますよ」
「そうじゃなくて…」
なんだろう?
なにが不満なのだほうか?
「昨夜、馬車で待っていたのに何で来てくれないんですか?」
「ふへ?」
「アレから全然して無いじゃないですか?
私も流石に溜まって来てますよ。もー!ほら!」
「へ?、へぇ?うぎゃー!」
パフェさんに馬乗りにされて押さえつけられる
あ、そう言う事ね…
「言ったでしょ?今はお互い慰めてあいましょうって」
「そうですね」
「それとも私のこと嫌いですか?」
「いや、好きとか嫌いとかじゃなくて、パフェさんは良いんですか?こんなよくわからない冒険者とシテも…
そう言うのは好きな人とにとっておいたほうが良いんじゃないですか?」
「よくわからなくはないですよ。同じ転生者仲間じゃないですか
それに私はソラ君のこと好きですよ」
「へ?」
今なんて?
うん?パフェさんが僕の事を好き?
イヤイヤ、あるわけないでしょ。
「それで?あなたは?ソラ君は私のことどう思ってるんですか?
わたしにこんなに恥ずかしい思いさせておいて、あなたはダンマリですか?」
「えっと、…嫌いではないで
パカーン
いやー、知ってる?人って空を飛べるんだぜ?
いやさ、
そりゃ責任あるだろうよ?
でもさ、朝は良くないと思うよ。
正直割り切らなきゃいけないのかもしれないけど、
やっぱり僕はカグラさんの事を諦められない。
安否がどうなっているのかも分からないけど、それでもまだ亡くなっているとは決まってない。
だから…
「パフェさん。あなたの気持ちはとても嬉しく思います。
でも、ごめんなさい。僕はこの魔大陸に来る前に好きだった女性がいます。
その女性がどうなっているかはわからないのですが…
それでも僕はまだ諦めきれないんです。
だから…」
「からだを…洗って来ます…ね」
パフェさんは着替えを持って川の方に行った。
うーん。
ここでパフェさんを受け入れても良いのかもしれないけど今の僕の気持ちはしっかり伝えたい方が良いと思った。
やる事やって都合がいいかもしれないけど
それでも僕は正直でありたい。
いやさ?
僕はハーレムを作りたいのであって、
決して修羅場を作りたいわけじゃないんですよ。
そんな目先の事ばかりを考えていたってダメだよ。
(お前、最低だな)
(うるせーよ)
悪魔に囁かれた。
次回は5月11日に更新します




