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幼馴染から貰った魔法がチートすぎる  作者: 作者
4章 放浪編
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72話 逃走


(パフェさんを助けることはできますか?)

(誰に聞いてるんだ?俺は悪魔だぞ?俺らの目的は命を喰らうこと。

異世界人には【死神】って呼ばれる存在だぞ?その俺に人を救えってか?)

(はい。そうです。僕の回復魔法では直せません)


前世の記憶が邪魔して、僕自身、うまく回復魔法が使えないのだ。

出来ることといえば止血くらいしか出来ず、欠損なんて直さない。

ならばその事実を改変する


【改変魔法】

→【自動回復付与】


「精霊よ、我が友を癒したまえ【ヒール】」


改変魔法により、僕の【ヒール】は自動回復を付与できるようにする

ただしその代償として僕の体内の魔力をかなり持っていかれる


(【悪魔】、魔力をよこせ)

(ククク。良いのか?魔力を何に使うかは勝手だが、きっちり代償はもらうぞ?)

(わかってます)


【悪魔】から魔力が共有されてくる。

僕自身の回復量は少なくても、対象に自動回復する機能を付与するとで、その対象、今回で言えばパフェさん基準での回復を期待できる


こんな時、チョコ様がいたら一発だ回復できるのに…

気にしないようにしてるのに、気にしてしまう。

はぁ、ダメだな……


パーティさんの四肢が少しずつ生えてくる

うぬ…。結構キモい。

そのあとパフェさんの口の布を取って台車から下ろして壁まで連れて行き座らせてあげる


「さて、…稼がないとね」

「き…貴様!いったい何をした!」


今更になって国王と騎士達がざわつき始める


「君たちイレギュラーな対応とかできないの?

まずは国王様に治療魔法じゃないんですか?」

「っく、…癒しの精霊よ。汝の力をかした・・・」

「いや、させないですけどね?」


回復魔法を唱え始めた騎士の首元に剣を突き刺す

え?どこから剣を出したかって?


「グボボボ…」


国王様に刺さっていた剣を抜いてみました。

いやー、血が噴き出すね


(ほら、悪魔さん?お命どうぞ?)

(ヒヒヒ。では頂くぜ)


喉元に剣を突き刺された騎士が力尽き倒れる

【悪魔】に与えるには目の前で殺す必要がある。死を目視する。


(ヒィィィイイイ。うめぇ~)

(はいはい。よかったね。)


僕の周りに騎士が集まってくる

全員がおそろいの甲冑を着込み、剣や盾、ハルバートを握りこちらへ構える


「なんですか?」

「貴様を国王への反逆罪で処刑する」


一番立派な甲冑を来た騎士長?のような男が宣言をする

いやー。あの甲冑重そうですね


「なんでですか?僕は国王に冤罪をかけられて処刑されかけたんですよ?

それがたまたま運よく、あちらの騎士さんが手を滑らせたんじゃないですか?」

「嘘をつくな!

私は見ていたぞ!人間には不可能な速度で動き、国王と自分の位置をすり替えたのを」


ほう。なかなか目のいい騎士ですね

今後厄介になりそうなので殺した方が良いかな?


(【悪魔】くん?こちらの騎士さんは要りますか?)

(俺に聞いたって返事は決まっているだろう)

(そうですね…では、魔力をください)

(ケケケ。良いぜ。さっさとやっちまいな)


【悪魔】から与えられた魔力が全身をめぐる


「なんなんだコイツ」

「さっきの動きといい…コイツは…」

「いいか、相手がなんであろうと気を抜くな。神経を研ぎ澄ませろ。我々は王都最強の騎士団だ」


「いや、さっきその王都の王。国王殺しましたけどね?」

「たわけぇえええええ!」


騎士の一人から魔弾が放たれる

あれはカグラさんが持っていた魔銃かな?でも弾は魔力で出来ているようだ。

弾の威力と速度を犠牲にして、弾その物を魔力に置き換えたのかな?

魔力に置き換えたと言うことはリロードも必要ないのかな?

アレを連射されたら厄介そうだけど…

でも・・・


「カグラさん…力を借ります…【自立型・魔力吸収の陣】」

「何!?」


左手を前に突き出し手の平を相手に向ける

そこから空中に魔法陣が展開される

円形の魔法陣が直径50㎝程度まで広がり、騎士から放たれた魔弾の直撃位置に移動し、魔弾の魔力を吸収する。


カグラさんから教えてもらった魔法陣。

それに黒龍戦で使用した自立型魔法。それを組み合わせてみた。


「構うな。連射しろ!」

「「は、はい!」」


いやー、甲冑にハンドガンって、アンマッチすぎるでしょ?

今度は両手から同様に作成して計3つの自立型魔法陣を浮遊させる


(悪魔さん?操作よろしく!)

(は!?自立型じゃねーのかよ。俺をコキ使う気か?)

(見てるだけでしょ?なら協力してください。その方がいっぱい食べられますよ)

(・・・良いぜ協力してやるぜ)


【悪魔】は自我を持ったエクストラスキル

つまりは【悪魔】自身も僕の一部。ならば僕の指揮下にある物は基本、悪魔も操作できる

まぁ、僕が許可を出したらだけど…


激しい銃撃音が鳴り響くがこちらへ着弾することはない

僕の移動に合わせて2つの魔法陣が遠隔攻撃を妨害する。

そしてもう一つの魔法陣は…


(スキありィ! 良いぜぇ。やっちまえ!)

(はいはい)


騎士の脳天に背後から魔法陣が突き刺さる

正確には頭から魔法陣をくぐらせた。魔力を吸収する魔法陣…

この世界の人体構造は魔力があるのを前提に作られている。

そんな所から魔力を奪ったらどうなるのか?


「ぐびびぃぃぃ」

「おい、しっかりしろ!」


奇声を発しながら騎士の一人が倒れる

その騎士を助けるように二人の騎士が銃撃をやめる

一人が肩を貸し。もう一人が盾を構える。


通常なら問題ない対応だろう。

しかし考えてみてほしい、敵は一人で動きまわるだけで特に攻撃のような動作は取っていない

にもかかわらず、仲間が一人倒れたのだ。

第一に行わなければならないのは周囲の警戒だろう?

自分達の知らない攻撃方法。もしくは敵がもう一人いる可能性があるのだ。


初見殺し

予習すれば対応できるかもしれない。しかし、なぜダメだったのからいつ前も放置していたらずっと初見のままだ。

だからほら・・・


「ギギギギィ」

「!?」


肩を貸した騎士が奇声を発して倒れる

【悪魔】が再度頭上から魔法陣を効果させたのだ。結果対応策も一切していなかった騎士はまた倒れる

頭上へまったく警戒していないのだ…


(ヒヒヒィィ 楽しいなコレ)

(はいはい)


【悪魔】さん。ご機嫌である

さらに4人が発狂して倒れた所で【射出】を使い前面に魔法陣を突き出しながら一気に距離を詰める

戦闘の騎士が抜刀するよりも早く顔面に魔法を放つ


「【ファイアドライブ】!」


両腕より放たれた魔法を至近距離で直撃したことで騎士の上半身が吹き飛ぶ

その後方にいた騎士数名を巻き込んで…


(おいおい。それは人相手に使う魔法じゃないだろ?さすがの俺も衝撃だぜ)

(はいはい。頭の魔力を抜き去って興奮している悪魔に言われたくないですね)


残り15人

騎士の隊列が正面から攻略しようとすればかなり苦労する。

しかし、中に入ってしまえば…


「この!…グェ」

「隊列を組め!」

「私があいてぇ…ガ」

「よくも兄さんを!」


一人一人はたいしたことはない

こちらは通常の4倍速で動き、所々でさらに4倍。16倍で相手の攻撃をかわしてカウンターを決める

対処しにくい遠距離攻撃も【自立型・魔力吸収の陣】と追加で作成した【自立型・物理衝撃反発の陣】を使い対処する。もちろんその操作は【悪魔】に擦りつけたけど…


「さて、あなた一人で最後ですね」

「わ、私の…最強の騎士団が…」


10分後には30名近くいた騎士団は騎士長を残すのみとなった。

周囲には原型を留めていない死体が転がる


「いや、あなたの騎士団ではないでしょう?国王様の騎士団でしょ?」

「っく…ここまでか…これほどの力…そうか、貴様が【魔王】なのか」

「はい?」

「おかしいと思ったんだ、1冒険者が魔王を討伐できるはずないと。そうかそう言うことか、魔王を討伐したのは冒険者ではなく【魔王】だったんだな」


(ハハハハ コイツが傑作だな。魔王だってさ!言ってやれよ、【悪魔】だって)

(言ってどうなるんですか?)

(いいか、この惨状をよく見ろ。俺は直接手をくだすことはできないんだ。

これは間違いなくお前のやった結果だ。まさに悪魔だな!)


欠損は当たり前。焼け焦げた者。破裂した者。全身に血を抜かれた者…

周囲は血の海だ。


「僕は【魔王】なんかじゃありませんよ?これは単なる復讐ですよ。それも個人的なね。

仕返しって方がしっくりくるかな?」

「なんなんだ貴様は…」

「僕ですか?僕は冒険者ですよ。正確には…

人間の大陸、アネモイ王国、王都第二学園、上級学部1年生です」

「へ?・・・人間…?」

「そうですよ。あなた達亜人、いや獣人は人間に一方的に殺されたんですよ。」


腰に掛けた【格納石】から杖を取りだす

【勇者の杖】

チョコ様が黒龍老人からもらった杖だ。


「そこの国王様。死んだふりしてないでよく見ておいてくださいね。あなたの騎士が全滅するところを…」

「な!?」

「国王様! 無事だったんですね…た、助けてください」


いや、バリバリ瀕死だけどね。無事じゃないよ?

そんな国王に助けを請おうとあゆみよるが…


「はじけろ…【爆撃打】」


【射出】でゼロ距離まで急速移動して国王の元へ駆け寄る騎士長の後ろから強打する

転がるようにして倒れ…上半身が転がる


「国王様?これであなたを守る者はいないですよ?」

「ぐぅ…はぁはぁ」

「待て…私にやらせてくれ…」


僕が杖を振り上げた所で止められる

杖をそっと下ろしてその女性に渡す。


「国王殺しの罪は私に背負わせてくれ…そうじゃないと、私が…」

「わかりました。」


パフェさんは両手で杖を構え魔法を詠唱する

それはチョコ様がよく使った魔法。と言うか、チョコ様の攻撃魔法はこれしかなかった


「爆せろ【爆撃弾】」


杖から放たれた魔弾が国王に直撃する

数秒後…


「あぁぁ…!?」


国王が腹から爆発して四散する

血の海の周囲はさらに国王の血がまき散らされる


「行きましょう」

「あぁ、…」


僕とパフェさんは大広間から出る

幸い周囲には誰もいなかったようで騒ぎを聞きつけて来た兵士とばったり遭遇…と言うことは無かった。





「ごめんなさい」

「なんで謝るんですか?」


白銀城からまっすぐ駅に行き、列車に乗り込み南に向かう。

その後、王都の西側を迂回しながら徒歩で移動する

目指すは人間の大陸。

その途中、列車の個室でパフェさんが謝ってきた。


「私のせいで…王都に戻ったせいで…」

「いや、パフェさんが悪くないでしょ。衛兵長に捕まって、まさかこうなるとは思わなかったですよ」

「そう言ってくれると嬉しいですが…それでもソラさんには辛い思いをさせてしまいました」

「…」


確かにそうかもしれないが

それはパフェさんが悪いわけではなかったと思う

元に衛兵長に捕まった時は騒ぎを起こさなくて結果的に正解だったと思う

衛兵長がアレで、その上の騎士も酷く。さらに国王までクズだったとは…

よくアレに嫁に出したな。チョコ様の両親は…


「私で出来ることがあれば何でも言ってください。

今、私には使えるべき主人がいません。

まずはチョコ様との契約を引き継ぎ、ソラさんを必ず人間の大陸まで責任もって案内しますね」

「ありがとうございます」


国王殺しのことは伏せられているのか、列車から降りてもとりわけ騒がれていなかった。

パフェさんの話では都市間の通信網は完全に設備されているとのことで、

場合によっては騒ぎになり、列車到着と同時に検問される可能性もあると言っていたが…


まぁ確かに魔王と戦争をしている最中に国王が殺されたとなれば問題だろう…

情報が伏せられたのかな?


「今日はこの街で宿を取りましょう」

「わかりました。何か宛があるんですか?」

「いえ、特にはないですが、明日から徒歩での移動になります。

と言ってもここからかなりの距離になりますので、馬か何かを調達したいので、これから店により探します。場合によってはもう何泊かして準備を整えましょう」

「はい。そうですね。さすがに何もない状態で徒歩はきつそうですし…」


魔法の使えない荒野を徒歩で移動は辛いよね

…つらたん…


「幸い、検問等もされてなかったので助かりました。

もし、検問されていたり…そうですね、衛兵が何かを探すような怪しい動きをしていたら準備に関わらず逃げます。場合によっては実力行使も視野に入れていきましょう」

「わかりました」


王都でのことがあったからなのか、

王都とは全く逆の判断だ。

まぁ、そうなっても仕方ないか…


「まずは宿を探してその後ごはんにしましょうか」

「あ、はい」


そっか、ごはんか…

そう言えば全然食べてないな…絶望と興奮でまったく食欲を感じなかった。

3人で食べたかったな…

僕にもっと力があれば…

これ以上仲間を傷つけさせない。絶対に…

その為に協力してもらうよ?悪魔さん

(人の命と引き換えに“力”を授けよう…)








次回は5月5日に更新します

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