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幼馴染から貰った魔法がチートすぎる  作者: 作者
4章 放浪編
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66話 移動


「正面突破で行きましょう」

「わかりました。けど…この数をですか?」


僕は魔王討伐隊の同じD班の仲間のセルンさんと合流する事ができた。

しかし現在、20体以上の魔物に包囲されている。

その中でひときわ目立つ魔物が虎の魔物。

その魔物の周囲に僕らを取り囲むようにゴリラ型の魔物が多数いる。


本来魔物は種族ごとの生態系があるらしく、何故このように一緒に行動しているのか疑問が残るがおそらくは魔王のせいだろう。


なんでも困ったら魔王のせいにしておこう。

魔王本人が文句を言って来そうだけど、その魔王もこれから討伐してしまえば問題ないだろ?


「ハハハッ」

「ソラさん何笑ってるんですか?」


おっと、考え事で笑ったら思わず声まで出てしまった。

さてさて、さっさとパフェさん達とも合流しよう


「セルンさん。パフェさんの方向とかを【魔力探知】とかで調査する事はできますか?」

「それはさっきから何度もやってるんですけど……

ダンジョン内の魔力濃度が高まりすぎててうまく反応しません。」


え?何それ?

ダンジョン内の魔力濃度が高くなると【魔力探知】でさがせなくなるの?

むしろ魔力が濃くなると魔法の威力があがるものだと思っていたけど、【魔力探知】の場合はうまく発動しないのか


詳しい理由は後で調査しよう

まぁ、それはいいとして、こいつらをどうするかか…


「僕が魔法で正面に道を作ります。セルンさんはそこの面突破をお願いします」

「わ、わかりました。」


本当はパフェさん達の方向に向けて魔法を使おうと思ったけど結局わからないな…

でもいったんはこの方位を突破することが先決かな?


周囲を警戒しながら地面に右手を当てる。

魔力の流れを意識しながら少しずつ地面に自分の魔力を流す

イメージは大地を上空の【射出】

イメージを実現させるために、僕らの正面の敵の足元の地面に魔力を通していく。


「行きますよ」

「はい!」


その掛け声に反応してか、周囲の魔物がこちらへ一斉に襲い掛かってくる

本来なら囲んでいる敵に対し全方位からの攻撃は好手

しかし、僕が今から行う魔法により完全に悪手に代わる


左手にも魔力を集め、勢いよく地面を殴る。

左手より放たれた魔力は僕を中心に周囲数メートルに拡散されていく


「【フレアウォール】」


僕らの半径3メートルより炎の壁が現れる。

魔物達は急な方向転換も、止まることも出来ずに炎の壁に突撃してその身を焦がす

しかし、それでは魔物の勢いは止まらない。

体を焦がしながらもこちらへ怒りの意志をこめながら襲い掛かってくる。


準備はできた。

右手より放たれた魔力を発動さる。


「【ストーンエッジ】!」


僕らの前方に道ができる。

そこはさっきまで魔物がいた場所だ。

僕の放った魔力により、僕らの前方の地面は上空に向けて【射出】された。

足ものの土が急に空中に持ち上がる。

魔物からしたらたまったもんじゃないだろう…

元に魔物は空中へ放り投げられている


「今です!」

「はい!【突進】!」


セルンさんが盾職用の武技を発動させる。

【突進】は前方に軽度な【物理防壁】を張りながら素早く直進する武技だ。

やっていることは僕の【射出】に似ている。

ってか、僕の【射出】と【物理防壁の陣】で代用できるんじゃね?


【射出】で突進するセルンさんの後を追いながら準備をする。

その途中で気が付いたが【突進】は僕の【射出】と違い、あくまで地面に足を付けて走っているので移動し続けるのが前提になる。

一方僕の【射出】は、自分にかかる運動エネルギー操作なので1回の発動でかなりの距離を移動することができる。

宇宙空間とかなら空気抵抗がないのでずっと移動できそうだが、あくまでも重力圏内の場合は空気抵抗や重力で地面に足がついてしまうので定期的に足で地面を蹴る必要がある。

その時の上方向へ働くベクトル操作を応用したのが【空駆】なんだけどね

まぁ、今回の場合はみんなの戦闘に立って移動するのが前提の使い方なので空に上がっちゃダメだけどね。


そんなことを考えながら準備を終えたので、セルンさんに止まるように指示する

だいぶセルンさんの息が上がってるな

距離にしたら数百メートルは走ってきた。

体力だけではなく武技の連続使用による魔力消費も多いのかもしれない


「交代しましょう。ハイ コレ飲んでてください」

「え?あ、はい。ありがとうございます」


すでに周囲の魔物とは距離を離せたのでいったん落ち着かせる

その間に準備の最終段階に入る


「何やってるんですか?」

「ん?あぁ、コレ?」


そう言ってセルンさんにさっき拾った棍棒を見せる。

そこには僕が魔法陣を書き込んでいた。

書き込む魔法陣は【物理障壁】と【魔力障壁】

以前、カグラさんから教えてもらった魔法陣だ。

本来は空中や地面に魔法陣を書き込む魔法を使って印字するのだが、今回はこの棍棒に直接魔法陣を書き込んでみた。


「これはですね…と、思ったより早いですね」

「え?・・・あ!」


セルンさんが盾と剣を構える

すでに周囲を魔物に囲まれているのだ。

ちょっと飲み物飲んだだけじゃん

この魔物の数は異常な気がする。ダンジョンの[竜の山]の最深部もここまで魔物は出てこなかったんだけどな


「さっそく使ってみますか。セルンさん、僕の手をつかんでください」

「はい」


僕が棍棒を持たない左手をセルンさんに差し出すと、少し頬を染めながらつかむ

いや、男と手をつないで喜ぶ趣味はないからね…

適当に方向を決めながら魔法を発動しながら棍棒を投げる


「【魔法陣発動】+【射出】」


棍棒が僕の狙った方向へ空中を駆ける

僕もそれを応用に自身に【射出】をかける


高速で進む棍棒は刻まれた魔法陣の【物理障壁の陣】と【魔力障壁の陣】により周囲の魔物や障害物をなぎ倒していく。本来は防御用の魔法陣だが、今回はその魔法陣そのものが移動する。

つまりそうだな。鉄板が高速で飛んで行くと思えばわかりやすいだろうか?

本来は防御用の盾でもその盾その物を投げつければ攻撃力を生み出すのと一緒だ


「なななな!?」


お、セルンさん良い反応。

驚いているね~

棍棒の後を追うように何度目かの【射出】をしていると前方に火柱が上がるのが見えた。

一度移動をやめて棍棒を回収した後セルンさんと相談する


「どう思いますか?」

「え?ええ?」

「いや、さっきの火柱。なんでしょう?」

「さぁ?なんでしょうか…でも、近づいちゃダメなのはわかりますよ」


おや、僕とは意見が食い違うようだ。


「そうですか?僕はこれから今の火柱の方向へ行ってみようと思いますが…」

「え?あんな火柱見たことないですよ?もしかしたら【魔王】がいるかもしれないですよ?」

「それならそれでいいじゃないですか?ぼくら魔王を討伐しにきたんですよ?」

「僕ら二人で魔王を倒せると思っているんですか?」

「え?ダメですか?」

「・・・」


ありゃ?魔王ってあれかな?

経験値が美味しいからみんなで倒さないといけない決まりでもあるのかな?

でもチョコ様の国を侵攻してきた魔王って人間の大陸も侵略するって言っているみたいだしな…


「セルンさんはみんなの場所がわかりますか?」

「いや…ちょと待ってくれ【魔力探知】…」


セルンさんが目をつむり集中する…が、


「ダメですね。全体的にモヤがかかっている気がしてわからないです」

「そうですか…なら…結局僕らにできるのはさっきの火柱の方向に行くしかないんじゃないですか?」

「どういうことですか?」


そこでセルンさんに説明する。

移動しながら…

え?だって常に移動しないと魔物にすぐに囲まれるのだ

いったいどこから出てきているのだか…


「それでですね、なんで火柱が立ったのかを考えてみるとですよ

結局、あそこは戦闘地帯だったんじゃないか?って言う推測ができるんですよ」

「確かにそうですね。意味もなく火柱が出るほども魔法を放つなんて聞いたことないですよ」

「まぁ、意味はあるとは思いますけどね…

それでですよ。つまり現状戦闘を行うのは誰でしょうか?

一つ目は今まで僕らが戦ってきた魔物。

二つ目は僕らの仲間

そして三つ目は魔王、または魔族

基本的に魔物と魔族が戦闘することがないと考えています。」


木の影からその先を除くとそこは一面まっ黒に炭化した地面があった。

ここまでの威力がある魔法を放つなんて…もしかして本当に魔王なのかな?


「では、この場所での戦闘となると考えうる可能性は仲間と魔物か仲間と魔王なんですよ」

「まぁ、そうなりますね」

「そうです。と、なると…こっちに足跡があります。こっちに行きましょう」


僕らは火柱が立ったであろう場所から人間の足跡のようなのを追って進んで行く

不思議とさっきまで頻繁に襲ってきた魔物が出てこなくなった。


「そうなるとですね。結局ここで戦闘が行われたのはどちらかが仲間なんですよ」

「あ!そうですね」

「はい。そして現在。こうして足跡を追えていることを考えると仲間は生きているんじゃないでしょうか?」

「なるほど…」


周囲には土壁の残骸があることから一度ここで防戦して魔物を集めて、さっきの火柱で一掃したんじゃないだろうか?はて、そんな大魔法を使える者はD班にいたかな?

一番魔法に精通してそうなチョコ様はは【爆発魔法】しかできないしな…


「この先に仲間が…」

「そうですね。無事で居てくれるといいですが…って!?」


とっさに僕は左手で【物理障壁】を作りだしながらセルンさんを右手で押す

前言撤回。

このあたりの魔物は一掃されたと思ったけど普通にいましたね

まったく、ちゃんと始末してほしい者だ。


「先を急ぎましょう。セルンさん。僕の手に捕まって!」

「はい!」


狼の魔物の噛みつきを【物理障壁】で耐えながら、その腹に蹴りを入れる

キャンと言うかわいらしい鳴き声をしながら狼の魔物が倒れる

その隙に先ほどまでと同じように棍棒を移動したい方向に投げてそれを応用に【射出】を使う


そう言えばこれって乗り心地はどうなんだろうか?

自分に使っている分にはあまり気にならないが、自分の体を勝手に後ろから押されるような感覚なのだろうか?もしそうならかなり気持ち悪くなりそうだな


「大丈夫ですか?」

「え、えぇ・・・何とか」


若干顔が蒼いセルンさんを引っ張りながらひたすら移動する。

はてさてこの先何がでるかな?





「魔王様」

「ん?なんだ?」


戦闘後の余韻に浸っていると馬鹿な部下が話しかけてくる。

まったく、少しの間は黙っていられないのか?


「そちらの雌騎士。わたくしめがもらってもいいですか?」

「こいつか?もうひん死だぞ?」


片手を切り裂かれ、もう片方の手は弾け飛び、そして腹を俺の持つ剣に貫かれた女冒険者がいた。

まったくこんなひん死の奴の何がいいのか?


「は、はぁ。わたくしめはそういうひん死のやからが一番の好物なのですよ」

「変態の考えることはよくわからんな…まぁいい、ホレ。やるぞ」

「は~。ありがたき幸せ」


剣に刺さった女冒険者を頭が異常にデカい2頭身の魔族へ渡す。

コイツはそのデカい頭に入った脳みそで様々なことを立案し、成功に導く天才的な頭脳の持ち主なのだが。残念なことに変態なのだ。

しかも自分より戦闘力の高い者を犯すのが趣味だそうだ。


「ほどほどにしろよ」

「は!・・・ではでは。わたくしめはお楽しみしますか…」


一度敬礼をしてこちらに挨拶をした後に、変態魔族は自分のテントに入っていく

あの女冒険者の意識が戻らないことを祈ろう。

かわいそうだがこれも戦争。敵兵をどう扱うかは自由だ。

あくまでも殺し合いの報酬なのだから…


「ほかの者はいかがしましょうか?」

「そうだな…」


俺の周囲には30名近い人間の死体が転がっている

そのどれもが俺が殺した者だ。

魔界では殺した者がすべての権利を得ることになっている。

まぁここは魔界じゃないから一概にそのルールは当てはまらないだろうが…


「ほしい者がいるなら持っていけ

あまりものはすべて燃やせ!」


魔族の中にはより亜人や獣人に近い種族もいる

そういう種族は肉を欲する。

なので相手の死体を食わせるのだ。


しばらくすると周囲が炎に包まれる

この魔大陸は実に素晴らしい。

はたして魔大陸よりも潤った人間の大陸とはどのような物なのだろうか?楽しみでたまらないな…


早く人間に大陸を侵略したい気持ちもあるが、今は仁義の方が優先だ。

まずは魔大陸をこの手に収める。

楽しみはその後だ。


「お前ら…ちゃんと片付けるよ」


炎を抜けて森の奥へ移動する。

その途中に側近の魔族の部下を見るが、そのどれもが今しがた殺した人間の死体を食っている

はぁー。嫌だな…こいつらは美しくないのだ…









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