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幼馴染から貰った魔法がチートすぎる  作者: 作者
4章 放浪編
56/85

55話 山


徐々に地面が坂になっていく。

すでに道はなくなり、獣道すらなくなった。

と、言っても別に雑草が生い茂るわけではないので木と木の間を進めばいい。


「坂がきつくなってきましたね。チョコ様大丈夫ですか?」

「はぁはぁ。私は大丈夫よ」

「チョコ様。無理はなさらないでください。少し休憩にしましょうか?」


口では大丈夫と言っているが結構辛そうだ。

普段から冒険者として活動しているわけではないことを考えると、

このなかで一番体力がないのはチョコ様だろう。

すでに太陽はてっぺんまで登っているし、ソロソロお昼ごはんにしてもいいかもしれないな


「あら?そう?私はまだまだ大丈夫よぉ…?」

「目が死んでますよ。パフェさん休憩にしましょうか?僕はこのあたりを一回りして、

周囲の安全を確かめてきますね」

「ソラさんお願いします。私はお昼ごはんの準備をしています。」

「もー。私は大丈夫なのに…」

「これから本格的に山道になっていきます。一度ここで落ち着かせてから出ないと、この先すすめなくなりますよ?」

「そうですよ。ソラさんの言う通りです。一度休憩しましょう」

「わかったは…でも、少しだけね。なんだか嫌な予感がするのよ」

「わかりました。ではチョコ様はお昼の準備ができるまで休んでいてください」





周囲を見回してくるが特に何もない。

地面にキノコが生えていたのをたまたま見つけたので持ってくる。

スープにでもいれてみようかな?

この世界には【解毒】魔法と言う物があるのでだいたいの食材は食べれるのだ。

まぁ、美味しいかはわからないけど…


「もどりました。特に問題なかったですね」

「そうですか…」

「チョコ様?やっぱり心配なんですか?」

「はい。索敵魔法は随時つかっているので大丈夫だとは思うんだけど…」

「勘ですか?」

「はい…【聖女】のスキルの一つに【危険察知】ってスキルがあるんですけどさっきから随時鳴りっぱなしで…」


僕の【時間魔法】の【体内加速】や【空間斬撃】みたいに一つのエクストラスキル内にいくつかのスキルが併合されているのだろうか?

しかし、【危険察知】って、どんな危険かわからなきゃ意味がなさそうだけどな…

実際ビビっているだけでは何もできないし…


「古龍に近づいているからかもしれませんね」

「そうかした?この距離からスキルが発動していたら、実際対峙した時にスキルが発動しっぱなしになって、なんの意味もないスキルになっちゃいますね」

「確かに…」

「ほら、準備できましたよ。話していてもしょうがないので、さっさと食べちゃってください」

「「はーい」」


今日のお昼は白パンにチーズと温野菜だった。

いやー。魔道具って便利!

筒状の容器に野菜やキノコを入れて蓋をして、備え付けの魔石に魔力を注ぐと勝手に温まり温野菜になるのだ。魔力でなんでも解決ってやつですね。


「おいしいですね」

「ほんと!ん?ソラさん、このキノコどうしたんですか?」


チョコ様がちょうど温められたキノコを見つけて聞いてくる

茶色と白でほんのりと松茸のような香りのするキノコだ。

ホントは焼いて醤油をかけて…と、やりたかったがさすがに自重した。


「そこで生えていたので摘んできました」

「・・・」

「え?どうしましたか?」

「これ、魔物ですよ?」

「え?」


と、その瞬間温められてしなっていたキノコの傘の部分に口の割れ目ができてうねうねと動きだした


「キィィィィノノノノノ!」

「わ!?」

「気持ち悪い!?」

「なんてもの食べさせようとするんですか!?」

「ソラさん。気を付けてくださいね」


パフェさんがチョコ様の手からキノコの魔物を奪い取り、素早く真っ二つに裂いた

中からどろっとした内臓のような何かと緑色の血液が地面に垂れる…


「うぁ。グロイですね」

「良いですかソラさん…基本的にダンジョン内にいる生物を食すことはおすすめできません

なぜなら基本的にダンジョン内には魔力が貯まっていて、どんな些細な生物でも魔物化してしまうからです。一度ダンジョンの外に出た魔物ならば特に問題はないのですがダンジョン内では死体ですら魔物化してしまうのです。

だからこのキノコもその辺に放置するの別の魔物に成します。しっかり灰になるまで処分しましょうね?

手に持つ物を燃やせ…ハンドファイア】」


パフェさんが手に持った絶命したキノコの魔物を燃やしながら説明してくれた。


「そうか…すでにここはダンジョン内なんですね。

すいません。気を付けます」

「事前にこちらで説明していなかったのも悪いです。失礼しました。」

「あ、【危険察知】が鳴りやんだ…」

「え?じゃぁ原因は僕?」

「そうなりますね」

「すいません…」

「いらぬ予感神経使ってしまったは。じゃぁ、午後からは気楽にいきましょう!」

「ソラさん。チョコ様はいつもふざけているので、それが治るならいつでもチョコ様の食べ物に毒や、生きた魔物をいれてくれてかまいませんは」

「な!?  ・・・パフェの裏切者~~~!」





それから僕らは昼ごはんの片づけをして早々に進行を再開した。

片づけも含めて食事…

その辺はパフェさんがよく考えてあると思う。

魔法鞄を使って効率的に格納しているのだ。

1アイテムしか格納できない格納石とは大違いだ。



午後に入りゴブリン系の魔物が増えた気がする。

基本は人間の国にいたゴブリンと同じだがこちらのゴブリンは若干色が茶色っぽい気がする

まぁ、気のせいかもしれないけどね…

そしれさらに山へ向かって進んでいくと…


「ついに出ましたね。コボルト!」

「あれがコボルとですか」

「ソラさん、チョコ様気を付けてくださいね」


ゴブリンより少し大きい程度の身長で、頭は角の生えた犬をしている。

若干デフォルメされたような顔つきでアニメに出てきても違和感があまりなさそうな外見だ。

例にもれず、何を言っているのかわからない。

最初は武器を一度しまって道を通してくれないか交渉してみる


「僕たちはこの先の山に行って古龍に会いにいくのです。道を譲ってくれませんか?」

「なにいってるんですか?コボルトに人間の言葉なんてわかるはずないじゃないですか」

「そうですよ。彼らは集落をつくって生活をしていますが、その生活っぷりはゴブリンと対して変わりません。しかし、他個体との連携はゴブリンよりうまいので気を付けてください」

「「はい!」」


コボルトたちはお互いに何か言葉を察しながらこちらの様子をうかがっている

お?これは通じたか?


「一応二人ともいつでも戦闘を開始できるように注意してください。このまま道を譲ってくれることを信じて先に進みましょう」

「わかりました」

「周囲への魔力察知を行いながら移動します。目に見える範囲に10匹はいますから少し右にそれて移動しましょう」

「わかりました。では僕を先頭に移動します」


盾を構えないがらカニ歩きで移動して目に見えるコボルト3匹から距離を取る。

経験値をかどれくらい手に入るか気になるが、まずは先に進むことを一番に考えて行動に移す。


3匹のコボルトのわきを移動しようとした時に一匹がこちらは襲いかかってきた。


「止めます!」


盾を構えて攻撃を受け止める

コボルトは片手に錆びた短剣と片手盾をもつ。

身長が1メートルくらいの為非常にやりづらい。腰を落として屈んで攻撃受け止める。

その瞬間に先ほど覚えたばかりの盾術のスキルを使う。


「【衝撃緩和】!」


コボルト自体が小さい事もあり、武技を発動して完全に受け止める。

そのまま盾で押し返してコボルトを中に浮かせる。


「【炎剣】」


こちらも昨日覚えたばかりの片手剣術の武技

自身の魔力を使って剣に炎をまとわせる。

武器の威力は上がるがその分武器の耐久力や、切れ味にが悪くなってしまう。


本来冒険者はいかに消耗品を消費せずに低コストで魔物を討伐して、その素材を売って利益を出すかが重要なのだが、この武技は武器自体のかなりの負担をかけて耐久力を消耗為あまり冒険者向きの武技ではない


今回はあくまで武器を入手するためにこのダンジョンの攻略を目指している為、

最悪この武器自体は今回1回限り持てばいいかなと思っている。


炎を帯びた剣激を受けてコボルトが悲鳴を上げながら地面を転がりまわる。

それを横目に次のコボルトへ盾を構えて突撃する。

【衝撃緩和】の武技は盾で受けた攻撃による僕自身への衝撃を3割ほど弱めてくれる。

その性能を盾に付与して、盾で敵を殴るとどうなるか…


一方には100%の衝撃が伝わる。

一方には70%の衝撃が伝わる。

単純に70の力で100の攻撃力で攻撃できるのだ。

パフェさん曰く本来は防御の為の武技だぞうなのだが、気が付いてしまった以上、有効活用しない手はない。


コボルトが悲鳴を上げながら吹き飛び、近くの木にぶつかり動かなくなる

【身体強化】もあいまって数メートルを余裕で吹き飛ばすことができた。

3匹目のコボルトへ狙いを定め距離を詰めていくと、チョコ様が魔法を発動させた。


「【爆撃槍】」


横にそれてコボルトとチョコ様の間に射線を作ってあげる。

魔力でできた槍が一直線に飛んでいき、コボルトに直撃。貫通する。

槍は貫いたものを次々に爆撃させていく…

例外なく槍が貫通したコボルトも、体にできた穴付近が膨れていき、もりもり盛り上がり爆散する。

最終的には木々を数本爆散させたところで止まった。


「チョコ様…その魔法は近接戦闘ではやめていただけると助かります…」

「え?なん・・・そうね。気を付けるは」


振り向いた僕を見て理解できたようだ。

そりゃぁそうだろう。目の前にいる者が肉片になるのだ。

返り血どころの話じゃない…


「チョコ様、ソラさん。のんきに話している時間はないですよ。」

「そうですね。先を急ぎましょう」

「はい」


コボルト3匹を瞬殺してあちらもどうするか決めかねているようだ。

こちらを標的にしないうちに急いでそのばから離脱する。





「どうですか?追いかけてきますか?」

「今のところは大丈夫です。」

「では、そこの木の影で休憩しましょう」

「「はい」」


30分くらい小走りを続けてコボルトから距離を付けて木の影で休む

ふー。なんとかなったかな?


「さすがにコボルトを10匹や倒すのは面倒なので巻けてよかったです…」

「そうですね。私も魔法は得意なのですが、訓練では的相手に魔法を使ったり、対人や対魔物戦では相手が体であることがほとんどなのであんに数がいると緊張してしまいます」

「その割に二人ともノリノリでしたね」 


ばれたか…

いや、戦闘自体がこのダンジョンではあまり発生しないのだ。

と、言ってもダンジョンに入ったことはほとんどないから比較対象がないのも事実だけど…

僕が入ったことがあるダンジョンは王都にあった国営ダンジョンのみだ。

見習い冒険者ってこともあり、それ以外のダンジョンに入ることができなかったのだ。


「だって城の訓練ではなかんか実践訓練をさせてもらえなくてつまらなかったのだもん」

「それは仕方ないですよ。だったチョコ様は女王ですもの。どこの国に王族を実戦になんかさせるんですか」

「むぅ~」

「・・・」


あれ?カグラさん王族だよね?

ってことはあるじゃん。王族を実戦訓練に参加させる国…


「どうしてソラさんは黙っているのですか?」

「え?いやー。ないですよねー。そんな国…」


ここは同調しておこう。

変に返答するとめんどくさくなりそうだ。

ただでさえチョコ様の魔法がめちゃくちゃめんどくさいのにこれ以上面倒ごとを抱えたくない

なんだよ【爆撃魔法】って…

せっかくのダンジョン攻略なのだから楽しまなきゃ(現実逃避)




「これは…?前方に敵がいます。…」


探知魔法を使っていたパフェさんが報告してくれる。

邂逅の可能性も踏まえて各自武器を握る

まだ、抜刀はしない。相手をみてからだ…


「あ。私の方も引っかかった。ゴブリンだと思います。5匹かな?」


チョコさんの方にも探知魔法で敵が引っかかったようだ。

【探知魔法】は人によってさまざまな方法がある

3名のなかで探知魔法の有効範囲が一番長いのがパフェさん

3名の中で正確な情報を探知できるのがチョコ様だ。


え?僕はって?

相変わらず探知魔法は苦手のままです…


「ゴブリンですか…では僕が先行して場を荒らすので、チョコ様は魔法で援護射撃をお願いします」

「はい。わかりました。」

「では私は前回同様補佐に入りますね」

「よろしく願いします」


武器を構えてゴブリンのいる方向へ進む…

目指すは[竜の山]。その弊害となる魔物がいるのなら討伐しよう。

僕は冒険者なのだから…


しかしこのとき僕ら3人は勘違いしていた。

ゴブリン5匹を相手すればいいわけではないことを…




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