53話 前夜
「ふぅー。やっと着いたは」
「長かったですね。」
「・・・疲れた…」
魔列車に揺られ5時間。
僕達は[竜の山]の麓にある街、ドラゴンホームに到着した。車窓から駅や他の街並みを見たがどこも高層ビルのようなコンクリート?の建物がいくつも乱立していて、どこも明かりが眩かった。
魔大陸には個人用の通信機器があるらしく駅を降りると格好は普通だがチョコ様のお付きらしい人が何人も出迎えしてくれた。
[竜の山]に挑むのは明日からといことで本日はドラゴンホームで一番高価だというホテルに通された。
いや、全然隠れる気なくて逆に笑える。
「ここのホテルは私の実家なんですよ。なので安心さてください」
と、パフェが教えてくれた。
今は長男がこのホテルの経営を行なっているらしく、パフェ氏は女王のお付きに就職したそうだ。
まぁ、その結果こんなことに巻き込まれて大変そうだけど…
「私達は隣の部屋にいますからゆっくり休んでくださいね。最後の晩餐になるかもしれない夕食の時間になりましたら呼びにきますね」
「なんか凄いこと聞いちゃいましたけど…」
「そりゃ、古龍に挑むですからそれくらいの気持ちでいないとダメでしょ?ちゃんと私達の事を守ってね」
「本当にいどむんですね」
「そりゃそうですよ。やっぱり強力な武器が必要でしょ?それに……まぁ、これは後のお楽しみね」
「なんですかもぅ。まぁ、夕食の席ででも古龍の情報を教えてくださいね」
「ええ。それは勿論。」
「では、」
部屋に入る。
おぉー。
ここは異世界なのかな?
部屋に入ると最初に目に入るのが大きなベットに天幕。
キングサイズかな?それだけ大きなベットをおいても全然狭さを感じさせない広い部屋だった。
部屋に入りすぐのところにはガラス張りの部屋があり、そこにはジャグジー付きのバスタブが見える。
たか、ラブホ?
このホテルってそういうお店なんじゃない?
衝撃の事実に唖然としていると部屋をノックする音がきこえ我にかえる。
夕食はえーな
「はーい」
「聞いて!このホテルすごいわよ!」
ドアを開けるとさっき別れたばかりのチョコ様がはしゃいでいた。
返事も、待たずに僕の部屋に入る。
「わー。こっちもすごい!何このガラス張りのお風呂。」
この世界でのホテルはこんなもんなのかと思ったが、どうやら違うらしい
女王様の知らないホテルって…そりゃしらないか。
「チョコ様の部屋はどんなんだったんですか?」
「え?私の部屋。でっかいハート型のベットが部屋の真ん中にあったは」
「お、おう。てか、お前パフェさんと二人部屋じゃなかったか?」
「そうなんですよ!あの部屋じゃベットが一つしかないから困っていたんですよ!」
まるで僕の部屋なら解決みたいな言い方だね
「ホテルの支配人の子供を床に寝かすわけにはいかないですし、だからと言って私が床で寝るとパフェが気を使うじゃないですか」
「まぁ、そうかもしれないですね」
「なので…」
「さて、シャワーでも浴びよう。ささ、部屋を出て行ってください」
「こ、この女王を追い出すんですか!?しかも話の途中で!」
相手の話を聞かずに服を脱ぎはじめる
いやさ、なんかすごい嫌な予感がする。
あれでしょ?いっしょに寝ましょうってやつでしょ?
ムリムリ。ってかそんなことしたら仮にこの国の魔王を退けても国王に殺されるわ
「って、なんで服脱ぎ始めてるんですか?」
「そりゃ、服着てシャワー浴びないだろう」
「そうじゃなくて…もう!」
そのまま服をすべて脱いでお風呂へ向かう
って言ってもガラス張りで相手から丸見えなんですけどね
平常心平常心
ほら、さすがの女王様も同様して部屋から出て行ったかな…?
!?
「そっちがその気なら私もシャワー浴びます」
「は?」
チョコさんも服を抜いて風呂場に来る。
そこまで大きなお風呂場ではない。ある程度はゆったりしているが、基本バスタブだけで後が何もないのだ。そんな部屋に二人で入ればもう相手との距離がちかちかのちかよ。
女王と言うわりには若い外見。この距離だからわかるがほとんど化粧をしていないようだ。
そもそもこの世界に化粧があるのかはよくわからないが…
一種の幻影魔法の効果を持ったクリームを顔にぬると言うことをサクラ先輩から前に聞いたな。
「チョ、チョコさんはおいくつなんですか?」
「女性の裸を見て、まずは年齢を聞くとか失礼ですね」
そう言いながらさっきまでの動揺を一切見せずにシャワーのお湯を出し始めるチョコさん。
胸は普通。Cカップくらいだろうか?いや、適当に言ってるけどね。そんな子の胸は何カップですねとかわからないからね?
少なくてもカグラさん、サクラさんよりは大きい。ライラ先生には負けるけど…
エルサ?例外よ。あの子は壁だ。鉄壁だ。鉄壁のエルサだ。
「僕は冒険者なので、そんなこと気にしないですよ。」
「な、何を気にしないんですか?あ、ちなみに19歳ですよ」
「え?年齢ですか?あ、ぼくは14歳です。」
「5歳差ですね・・・」
「そうですね…」
ちなみに、会話にまったく意味はない。
あくまでお互いに少しでも気を反らそうとしているだけだ。
ほら、意地の張り合いってやつ?
こうなったら相手が否定するまで行くとこまで行ってやろうと思いまして…
「ふぅー。さっぱりしました。やっぱり旅の疲れはあったかいお湯で洗い流すにが一番ですね」
「そうですね。では邪魔なのでさっさと出て行ってください」
「そうですね。お風呂場は狭いですからね。じゃぁベットに行ってますね」
「・・・」
マジ?
「どうしましたか?」
「何でものないですよ。チョコさんは堂々としていますね?」
「そうですか?ソラさんは緊張しているんですか?もしかして初めてですか?」
「そ、そんなことはない・・ですよ」
一応前世ではね。
シャワーを浴び終わりタオルで全身をふく。
ベットに戻るとチョコさんが裸でベットに腰かけている。
「そうですか。私は初めてなので優しくしてくださいね?」
チョコさんが立ち上がり僕のことを抱きしめる。
僕の身長も最近伸びてきたこともあり、ほとんど同じくらいの身長だ。
ちょっとチョコさんの方が大きいかな?
チョコだけに?
「【聖女】さまがこんなことしていいんですか?」
「未来の【勇者】様になら良いですよ」
「【魔王】かもしれないですよ?」
「そうですね。でも、その時はその時です。今を楽しみましょ?」
・・・
やべ、どうしよう?相手乗り気だよ。え?意地の張り合いとか思ってたの僕だけ?
これって浮気だよね?
いやでも相手は聖女様で女王様だし。
王女のカグラさんとの友好を気づくための橋渡しに…
「どうしました?やっぱりこんな人妻な私では嫌ですか?」
やばいよこれ。マジだよぜったい
…どうしよう。
ん~
よし、決めた
来るもの拒まずにしよう。
ほら、神様もハーレム賛成だし!
「そんなことないですよ。チョコさん綺麗だし。スタイルすごくいいですね。」
「これでも私毎日鍛えていますので。そこそこ武術をたしなんでいるんですよ?」
「それはすごい。活発的な女王様ですね。」
「そうですかね?ほら、そんなとこに立ってないでお布団はいりましょ?」
「あ、はい」
二人で布団の中で抱き合う。
「こんなにおっきくして…」
「そりゃ、チョコさん綺麗だし…」
ガチャ
・・・ん?
「なにしてるんですかーーーーー!!!!!」
「え?」
「もう時間切れですか?」
ゲフ!
いきなり部屋に入ってきた何かに蹴飛ばされる。
チョコさんに覆いかぶさるようにしていたので、綺麗に僕だけベットから落ちる
「大丈夫ですかチョコ様?」
「大丈夫じゃないわよ」
「え?ではすでに…チョコ様は経験してしまったのですね?」
「してないわよ!あなたのせいで邪魔されたのよ」
「なんだ。よかったです。」
「よくないわよ…」
パフェさんがチョコさんに服を着せはじめる。
ふー。まぁ、これで一応僕の純潔が守られてよかった。
いや、ノリ気だったけどさ。まぁ、それはそれよ。
結果、何もやってないんだからセーフだよね?
「まったくチョコ様は自分が気に入るとすぐに手を出そうとするんだから!」
「えー。だったソラ君かっこよかったんですもん。とっても魅力的な魔力をしているわよ?」
「はー。もう何も話さないでください。ほら、部屋にもどりましょうね?」
「むー。ソラ君じゃぁーねー」
「あ、はい」
「あなたはそこで夜ご飯まで反省しててください。」
二人が部屋から出ていく。
やっと静かになった。
僕は立ち上がり服を切る。
魔大陸、なかなかさすがです。こんなに刺激的な町だったとは。
それから1時間後くらいにパフェさんが夕食ができたと呼びに来た。
「で、ほんとにやってないんですか?」
エレベーターのような魔法具に乗りながらパフェさんが話しかけてくる
チョコ様はいない。先に行っているそうだ。
「何もしてないし、されてないですよ。」
「本当ですか?」
おー、怖っ!
ちょっと握られたくらいだ。
危うく牛になるところだったヨ
「え、えぇ。それよりパフェさんはこのホテルの支配人の子供なんですよね?」
「無理やり話をそらしましたね…まぁ、いいでしょ、ただし次回はないと言うことを覚えておいてください。それでもと言うのなら本気でチョコ様を愛してあげてください。」
「え?どういうことですか?」
「チョコ様は誰からも愛されないで育ったのですよ。
両親は早くに死んでしまい。貴族の子供ができないご夫婦に引きとられました。しかしチョコ様を引き取った直後に子供を授かってしまって…結局自分の腹を痛めて生んだ子供の方がかわいかったんでしょう。
チョコ様を雑用係のように扱いました。
その結果、彼女の心が荒んでいってしまったのでしょう。
「全然そんな感じには見えなかったけど…」
「それはソラ様に気を許したからでしょう。いつも下ネタを言っているんですよ。あの方は」
「そうなんですか?はいじめてであった時しか言われてないけど…」
「それこそ、あなたと会って少しづつ心が癒されていったのでしょう。私にはできない役割ですね。正直嫉妬します。」
「はぁ…」
かちゃーん
エレベーターの扉が開く。
どうやら目的の階についたようだ。
いやー。完全に異世界っぽくないね。
「ほら、こっちよ。あ、さっきの話は秘密ね」
「あ、はーい」
ラブホのわりにはその日の食事はしっかりしていた。
いや、ラブホではないんだろうけどね。
勝手な予想だけど、異世界人がこういうホテルの情報をこの世界の住人に教えてそれを真似しただけだと思う。特に深い意味はないはずだ…
ちなみに夜ご飯は10㎝くらいあるステーキにパンとスープだった。
お肉は口に入れるととろけるような肉でかなり美味しかった。
しかし亜人がいるのに肉があるなんて…
牛の亜人が牛肉を食べても問題ないのだろうか?
でもそのあたりを亜人本人に聞けないからなー。
夜ご飯を食べ終わり、チョコ様とパフェさんと一緒に街をぶらつく。
古龍に挑むにしても僕の装備が全くないからだ。
せめて刀が欲しいが…
「これはどうですか?」
「チョコ様…それなんだかわかりますか?」
「さー?でもなんか強そうですよ?」
「ダメではないですけど、それはまた今度にしましょう」
「ふーん」
チョコ様が持ってたのは長い木の棒の先端に細い糸が付いていて、さらにその先に返しのついた針が付いている。糸の反対は木の棒に沿って括られ、木の棒の持ち手あたりでコイル状に巻かれている。
うん、どう見ても釣り具ですね
って、そりゃそうか。
今は釣り具屋に来ている。
さすがに世間知らずで少しズレている女王様でも武器と釣り具の違いはわかるだろう…
わかるかな?
不安になってきた。
まぁ、それでなんで釣り具屋に来ているかと言うと[竜の山]はその山頂。つまり古龍のいる場所まで10日以上かかるらしく。山なのでもちろん川もあり、そう言ったところで食糧調達を行う必要がある。
なので、現在は武器屋に行く道の途中にあった釣り具屋に顔をだしているのだ。
ちなみにチョコ様の釣竿を断ったには、現在僕らが捜しているのが折りたたみできる釣竿なのだが
例の女王様はがっつり海釣り?用の大きな釣竿を提示してきた。
カツオでも釣るのだろうか?
そんな感じで寄り道をしつつ、目的の武器屋につくころには営業時間終了で武器屋はしまっていた。
・・・
本来の目的の場所にいけないとは…
これは朝市よるしかないかな?
・・・翌日…
「って、なんでここで寝ているんですか?」
「むにゃむにゃ」
朝起きると裸のチョコ様が僕に抱き着いていた。
あー。コレはやばいかな?さすがに…
そっとベットを抜けようとしたところで部屋のドアが開く
「これはどういうことですか?」
そこには鬼のような顔のパフェさんが立っていた。
いや、実際鬼じゃない?
ほら、おでこと頭の間から布野が2本生えてるし…
後から知ったのだが、彼女は鬼人という種族らしい
なんでも通常は人間と同じだが、怒ると角が生えて全能力が上がるらしい…




