49話 仮面の男
あれから3日間。特に大物に襲われることなく北の村についた。
特にゴブリンからの襲撃は一度もなかった。やはりあのゴブリンキングが問題だったのだろうか?
全開のフランツ領のように拉致などの問題が発生する前に解決できてよかった。
村に入り冒険者ギルドへ向かう。
王都の石造の立派な建物と違い、こちらは木造だ。
そう言えばこの村の名前ホーミン村と言うらしい。
豊民?放置民?はて名前の由来はなんだろう?
まぁそんなことはどうでもいいんだが、王都の北の森が冒険者の活動のメインと言うこともあり
反対側のこの村も冒険者でにぎわっている。
「いらっしゃいませ。今日はどのようなご用件でしょうか?」
冒険者ギルドに入り若干、いや、どう見ても若作りした中年の受付嬢の所へ行く。
いや、ほんと若いかわいい子の方に行きたかったんですよ?
しかしですね、隣のサクラ先輩の目が怖いんですよ。
いらぬ誤解を生むのも嫌なのでそちらに行く
「やっぱいりソラ君って年上が好みなの?」
おい、ちげーから!
(違うますよ。いや、どうだろう?別に恋愛に年を気にしたことはないですけど、明らかな年の違いはどうかと思いますよ)
(よかった。ソラ君でああいう中年の方がいいのかと思った)
(・・・)
もういい、気にしたら負けだ。
何にだよ…
「こんにちは。えっと今日は討伐の報告で来ました。」
「はい、それでは討伐の証明になる部位をお見せください。」
本来は魔物の素材等を売却する時に同時に行うのだが、今回にように旅の途中で討伐したものに対し、素材を持ち帰れない等の理由がある場合、特定の部位を納品することで冒険者ランクの加点にすることができる
ゴブリンと場合には左耳だ。
サクラ先輩が腰につけたポーチからゴブリンに耳をいくつか取り出す
「えっと。1.2.3・・・14匹ですね?加点はどうなさいます?お二人がパーティなら両方均等につけますが…」
「これは均等でいいです」
「はい、それではお二人の証明書の提出をお願いします」
サクラ先輩は冒険者カード(王都の町で学生証から冒険者カードへコンバートした)。僕は学生証をだして渡す。
受付嬢はカードを受け取り専用の魔道具による操作を行い
「はい、加点完了しました。今回はお二人の昇格はございません。では、…」
「あ、まだ魔物あるんです」
「え?できれば一度にだしてくれると助かります」
あ、若干受付嬢がイラついている
「この魔物はこのにいる少年が一人で討伐しました。それで魔物なんですが…」
そう言ってサクラ先輩が魔物の耳とその魔物の魔石を取り出した
ゴブリンの10倍近くある大きさだ。魔石に至っては10倍ではきかない。ゴブリンの魔石が親指大の大きさに対し、今提出したゴブリンキングの魔石はサッカーボールくらいの大きさがあった。
いやー、胸を切り裂いてみてビビりましたよ。
あ、ちなみにだが、戦闘中にゴブリンキングが生み出したゴブリンには魔石が入っていなかった。
なぜだろう…
「これって…ゴブリンですよね?」
「おそらくゴブリンキングだと思います。僕は一度ゴブリンキングを見たことがあるので間違いないかと」
受付嬢が唖然としている。
あ、やっぱりゴブリンキングって大物なのかな?
「しょ、少々お待ちください。ただいまこの村のギルド長を読んだ参ります」
それからサクラ先輩と少し待っているとスキンヘットで右眼に古傷がある男が現れた
「あんちゃんがゴブリンキングを討伐したって言うのか?あぁ、そんな目で見るなよ俺はガレルだ。」
「こんにちわ。僕はソラです」
「サクラです」
見た目がやばいだけに若干萎縮してしまった。
しかしよく見るとその瞳は優しそうな眼をしている。
まぁ、目を見てもよくわかんないから勘だけどね!
「えっと、なんでしょうか?」
「いやな、あー。ここじゃ目立つな。奥の部屋に来い」
そう言ってギルド内にある応接室に案内される。
これはあれですね。よくなろう小説とかであるやつですね。
「まぁ座れや」
「「はい」」
お、このソファーふかふかだ。
と、ふと横を見るとサクラ先輩がガチガチになってる。
ロボットかよ。カクカクした動きで椅子に座る。すこしほぐして上げよう。
「キャ」
ほっぺたにキスしてみた。
うん、顔を真っ赤にしている。かわいい。
「お前ら緊張感ないな。俺はギルド長だぞ?もう少し緊張しろよ」
「あぁ、すいません。緊張しすぎもどうかと思いまして…」
「まぁ、それはそうだが…まぁいいか、それより本題だ…」
そこで語られたのはゴブリンキングが本当にいたのかどうかの確認と
なぜE級冒険者の僕が討伐できたのか?と言うことだった。
前者はゴブリンにしては異常に大きい耳と魔石をみせることで証明した。
後者について、実はフランツ領にいるときに一度倒したことがあったということを話、ついでに現在は王都の学園での序列2位ということで納得してもらった。
いや、納得はしていないようだったので一瞬【体内加速】を使い勇者の刀を寸止めで振り、首筋に充ててみせた。ギルド長もその斬撃を見切ることができなかったようで驚いていた。
「確かに今の武技を見ればB級の魔物を討伐できてもおかしくないかもしれないな」
「いえ、どうも」
ほんとは武技ではないのだけど説明するのも面倒なのでそのままにしておく。
「一応B級の魔物を一人で討伐した。と言うことでお前のギルド評価に加点しておく。それとその魔石売ってもらえないか?」
「えー、どうでしょう?値段しだいですかね?」
魔石は魔道具を作るのに使用する。
その際に魔石の大きさで魔力貯蔵量、魔石の純度で扱える魔法の内容が変わってくる。
ゴブリンキングから取り出した魔石は
大きさ:B級
純度:E級だ。
さすがゴブリンキング、ゴブリンの王だけはある。大きさのみB級で純度はそのままかよ。
この場合は難しい魔法を使った魔道具を作成することはできないが、魔力の貯蔵量が大きいため、これはこれで使用目的がある。
「そうだな…50万ギルでだ。」
「もうひと押し」
このクラスの魔石になると出回ることが少ないのか事前に決められた値段設定がない。
その時によって値段がかわるのだ。需要があれば高く買い取り額が付くし、需要がなければ買い取り額は低くなる。
「55万ギルでどうじゃ」
「ん~。60万ギルならいいですよ」
「む!・・・よしわか」
「ギルド長お待ちを!今月は村の外壁の修理代等で出費が多くそんな大金はギルドに残っていません!」
「なんだと!?」
っち。余計なことを、横からしゃしゃり出てきた受付嬢を睨む。
って、なんで受付嬢がここにいるの?
「そんなに睨まないでください。私、これでもこのギルドの副長なんです」
「はぁ」
いや、かわいこぶってもこの中年では時めかないよ。
「あとで払ってくれればいいですよ。別に来月でもいいですし…」
「む、そう言ってくれるとたすかる」
「支払いが来月なら65万ギルです」
「「「な!」」」
その場にいた3名から白い目で見られる。
サクラ先輩は見ないでよ。
「しかたない。65万ギルで良いだろう。その代り振込は再来月にさせてくれ」
「わかりました。再来月でいいです」
「よし、交渉成立だな。」
それから村の宿を取り1泊する。
あ、そう言えばレベルと冒険者のランクがだいぶ上がっていた。
名前[ソラ]
レベル[31]
王都第2上級学園1年生[冒険者学部]
序列[2位]
使用可能残高[---]
冒険者登録[D級]
備考欄[]
B級の魔物を倒してD級にしか上がらないのか…加点式だからしょうがないのかな?
ちなみに宿はサクラ先輩とは別の部屋を取った。
サクラ先輩からは大クレームだったけど、自身の保身の為だ。
今はそう言う気分ではないのだ。
昨日の夜まではサクラ先輩の勧誘がひどかった。
交代で見張りをすると言うことになったのだが、僕が眠ると服を脱がそうとしてくる
いや、ズボンを脱がされた。
そんなことがり飛び起きる。だめだ寝られない…
結局ぼくはこの4日間一睡もしていない。
いや、本当にゴブリンとかの魔物に襲われなくてよかった。
そう言えばギルド長と話している時いきなり抜刀するとかよく考えたらおかしいだろ
だめだ寝不足で頭がまわっていないんだ…
そして翌日…
気が付くと僕の寝るベットにサクラ先輩が入っている
てか、抱き着かれている
「サクラ先輩。起きてください」
「ん?むにゃむにゃ」
かわいい……
じゃない!
やわらかい……
それも違う!
ダメだ。寝起きで頭が回らない
それから数分自分自身の理性と格闘して何とか布団から抜け出した。
わかったことは一つ。
サクラ先輩の胸は日々成長している。
確実におっきくなっている。
今ではカグラさんより大きいと思う。この成長どこまで行くんだ・・・
あ、理性に負けて胸を触ったところでサクラ先輩は目覚めました。
「なにしてるの?」
「たまたま手が当たりました。」
そう言い訳をして誤魔化した。
いや、誤魔化せてはないんだろうけど言い張った。
もし認めてしまったら完全に合体コースだろう…
「じゃぁ行ってくるね」
村の出口でサクラ先輩を見送る
「はい、行ってらっしゃい。それとコレ。持って行ってください」
「これは?」
サクラ先輩に格納石を渡す
ココに渡したものと同じだ。いや、前回よりも魔石の純度が高いから高性能かな?
そう言えばココからその話は出てなかっけど大丈夫だろうか?
冒険者みな依頼として活動してるって手紙にはかいてあったから不安だけど、まぁ何とかなっていることを祈ろう。
「僕の魔法が入った格納石です。いざと言う時に使ってください」
「魔法って、あの瞬間移動するやつ?」
「あー。そっちじゃなくて周りがゆっくりになる魔法です。一瞬しか使えないから気をつけてください」
馬車に乗るサクラ先輩を送り出す。
馬車が見えなくなりまで見送り帰路につく。
さて、僕は王都に戻るか…
【空駆・改】を使い空中に移動して【射出】を利用して空を移動する。
馬車で4日かけた距離を空を飛ぶことで半日くらいでつく速度で移動可能だ。
森を4分の3程度進んだあたりで呼び止められた
え?
空中で?
進むのをやめて【空駆・改】で空中に足場を作り出し振り返る
「遠藤空だな?」
振り返ると
膝まである真っ黒のロングコートを羽織り、顔には何もない真っ白の仮面をつけている。
「お前はだれだ?」
この世界で遠藤空=ソラってことを知っている者はカグラさんとサクラ先輩だけだ。
あの二人がその事実をバラすとは思えない。
では、コイツはだれだ?
「俺は…いや、そんなことはどうでもいい。その腰にさした刀をよこせ」
「勇者の刀を?」
腰にさした刀に手をかけていつでも武技を発動できるようにしておく
「あぁ、その刀は持つべく者が持つべきだ。お前はまだその資格はない」
「何言ってるんですか?。お前中2病ですか?」
「フン。悪いが時間がない。力ずくでいかせてもらう」
刀を握り、
【抜刀ざ!?
急に体重が重くなるような感覚に見舞われる。
これって重力魔法!?
そのまま謎の力に逆らえずに地面に落下する。
墜落する直前に【射出】を使い衝突は無理やり回避する。
「っく!?」
瞬時に抜刀して刀を横に構える
そこに魔力弾が撃ち込まれた。こっちの回避先を読まれている?
左手で木刀をつかみ【飛剣】
魔力の刃が相手に当たる瞬間に…
消えた?
「え?」
気が付くと背中に衝撃がはしる
痛い。殴られた?
衝撃で吹き飛び地面を転がる。
その時に両手に持った武器を手放してしまう。
「なつかしいな」
仮面の男が地面に転がる勇者の剣を拾い構える。
上段の構え。
とっさに格納石から予備の木刀を取り出し魔力を宿す
「「【飛剣】」」
両者が刀を振り、そこから魔力の刃が生み出される
え?勇者の剣で【飛剣】を放った!?
魔力の刃同士がぶつかり…
相手の魔法の刃にこちらの刃が吸収される。
「やば!」
自分の体を横に【射出】して緊急回避する…
が、その先にまたも仮面の男が陣取る。
刀を持たない左手で殴られる。
「っく…」
意識がもうろうとする。
なんなんだよコイツ…
全身に力が入らず立ち上がれない。
仮面の男が近づいてきて僕に手を当てる
「じゃぁな。【・空転・】」
そして視点が高速で切り替わる。
最初に目に入ったのは王都
いや、真っ赤に燃える王都。
そして次が山。
和城
海
・・・
そして気が付くと一人荒野に立っていた。
不思議と体の痛みはない。
「ここはどこだ?」
一瞬のことで理解が追いつかない。
まずは落ち着こう…
目をつぶり深呼吸
すって
すって
すって
「ゲホゲホ」
はくの忘れた。
咳が収まった所で周囲を確認する…
ここはどこよ?




