37話 聖剣
武器がない!
僕とカグラさん、勇者のエルシェさんの3人で一度王城に行く
一応国王に魔王ルシファーとの戦闘に参戦するという報告をする為だ。
「ほう。ソラ君は武器がないと」
国王がにやにやしてこちらを見る
国が魔王との戦闘中なのにこの余裕である。この国王、なかなかの大物なのかもしれない
「正式にカグラと婚約してくれるならこの聖剣を預けよう」
そういって国王は腰に掛けた剣をこれ見よがしに見せてくる。
うん。ゲスい!
「いえ、普通の刀が欲しいです」
「え?」
おい、なぜそこでカグラさんが驚く。
「仕方ないの。本当はもう少し話をしたいのだが、ことがことだ。では国王のこのワシが命ずる
王都第二学園1年生 序列2位 のソラよ。勇者エルシェの護衛を頼みたい。護衛に伴いこの[聖剣:X狩場]を貸そう。必ず魔王を撃退し、この聖剣をかえすのだ」
「はい」
うん
いろいろ突込みどころがあるがまぁ武器は手に入った。良しとしよう
「あ、カグラは留守番じゃ。さすがに女王を戦場に出すわけにはいかない」
「そんなー」
「それともあれか?ソラよ。勇者とわが娘カグラの二人を護衛できるか?」
「不安なんで留守番でおねがいします」
「「「え~」」」
…。いや何かあったら責任取れないし…
あ、国王とカグラさんの目が死んだ魚のようになってるよ
「もう良い。3人で行ってこい。・・・死ぬなよ」
「何かあったら大変なので【パーティ】魔法を使いましょう」
「え?そんなのあるんですか?」
「あー。そっかソラ君はまだ学園で座学をうけてないから知らないのか」
ん~。聞いたことない。ゴブリンキングを討伐した時も特にとんなことはしなかったし…
「えっとね。ソラ君学生証もってるでしょ?あ、私は冒険者手帳。10歳以上でもらえる身分証明書をもってる者同士で一緒に狩りや討伐を行うときにはね、それを媒体として【パーティ】魔法がつけるのよ」
「先代勇者様の開発ですか?」
「あら、それは知っているのね」
いや、大体こういうゲーム的要素は先代勇者がかかわっている気がする
で、【パーティ】魔法について…
カード状の身分証明書(冒険者手帳や学生証、場合によっては商業ギルドのカードも可能)を媒体として
8名までパーティ登録することができる。
登録を行うとお互いに登録している相手と通話が可能。
ただし、通話は基地局がない場合には100メートル程度まで。基地局がある場合は基地局から100メートル程度らしい
基地局は【決済】魔法と同じなので、違う街にいる相手とも会話が可能。
ただし、どちらかが町からでると会話できない。
お互いに近くにいる狩りの途中は会話が可能。
また、会話は念話で行うため声にだす必要はないそうだ。
なにそれ、めっちゃ便利。
早速、カグラさんとエルシェさんを登録する。お互いのカードを触れさせ合い【パーティ:登録】と唱えるだけで登録できた。
と、そこで気が付く。フランツ領にいるときに身分証明書をもらっておけばココと登録できたな…
(では、いきますか。一応冒険者としては私のほうが経験豊富なので指示にしたがってください)
((はい))
早速念話で話してみる。
うん、テレパシーだね。心の声が漏れそうで怖いな。あ、話を聞くのはいつでもできて相手に伝えるときはカードに触れなきゃいけないらしい。
北の森自体は王都に来た時にも通ったし、昨日も上空から通過したので特に問題なく中に入る
騎士の報告森に入ったすぐの所で戦闘になっているそうだ。
街道を少し進むと騎士のテントを発見する
勇者+王女の立場を利用し中に入り現在の状況を聞く。
現在はお互いに遠距離魔法を打ち合っているそうだ。
しかしよく魔力がが持つな。
やっぱり魔王となると所持魔力が桁違いなのだろうか。僕自身も多い部類だと思うがうらやましい限りだ。
(あちらで砲撃音が聞こえます。向かいましょう)
(あ、では保険で魔法を張ります【プロテクション】×3)
一度だけ物理、魔法攻撃を無効化してくれる【光属性魔法】の上級魔法だ
この魔法のおかげで不意打ちで全滅。みたいなことにはならないだろう…
僕たちの役割は後方支援。
そのためにはどこが後方なのかを見き分けなければならない。
魔法の着弾音や砲撃音、騎士たちの掛け声を聞きながら音の発信源に移動する
木々の影から数名の騎士の姿を発見する。
騎士はたちは北の方角を見て、戦闘に大きな盾持ち、その両側の少し後方に剣士が2名。そしてその3名に守られるように白いローブを着た魔法使いが2名いる
「来るぞ!北北東」
「了解【ホーリーシールド】」
盾持ちが盾掲げスキル名を唱えると青白い光のバリアが周囲を囲う。その直後に魔法使いからの報告通りに魔法が飛来する。
火属性系の魔法だ。
着弾。爆音と共に周囲にの木々をなぎ倒す。武術トーナメントでの生徒の魔法とは比べ物にならない威力だ。まぁそれを防ぐあの盾持ちもすごいと思うが。
ちなみに僕たちは瞬時にカグラさんが【魔法障壁の陣】を発動して事なきを得る。
うん、こう言う連携が瞬時にできるから【パーティ】魔法の念話はかなり助かる
「大丈夫ですか?聖霊よわれらを癒したまえ【エリア・ピュアヒール】」
盾持ちの防御スキルも完全には相手も魔法を無効化できなかったようで、数名軽いやけどを負い痛みをくちばしる。そこえエルシェさんが駆けつけ小回復魔法の範囲版を唱える
「助かりました。勇者様ですね。」
「はい。私たちは国王の命で後方支援に徹します。別動隊はいますか?」
「ここより東に行った先に2部隊います。他はこの魔法の威力ではぐれえしまいわかりません」
「ありがとうございます。では私たちはそちらに向かいます。ご武運を」
おー。エルシェさんが勇者してるよ。
会話も終わったようなので5名に【プロテクション】をかけておく
「5分程度しか持続できませんが、ないよりいいと思います。では!」
「そちらは魔王を撃退した学生さんと…おぉ、王女様ですね。お前ら、気合入れてぐぞ!」
「おお!」
「カグラ王女のために!」
む、どうやら騎士達にもカグラさんは人気のようだ。
よくそれで学園で王女のことを隠しきれるな…あぁ、そのための男装なのかな?
ん?でもよく考えると女子寮に住んでたら男装の意味ないよね…
不思議だ…
(6時の方向。カグラさん物理障壁お願いします)
「はい【物理障壁の陣】」
後方より爆音と共に木が根元から折れて吹き飛ばされてくる
直前で張られた魔法陣が木を防ぐ
(2時方向に援護に向かいます。ソラ君前方の魔物2匹を追い払ってください)
(了解です。【抜刀斬撃+飛剣】)
武技は該当する武器を持っていないと使えないと持ったが、どうやらそんなことはなかった。
国王より借りた両刃の片手剣でも問題なく刀術のスキルを使えたのだ。
僕はエルシェさん指定の方向に【飛剣】で発生させた魔力の刃を放ち、それを追従するように自身を【射出】する。木を根元から伐採し木の影にいた魔物もそのまま切り裂く。
木の根元に着地して周囲を見回す。
僕の動きが止まったところへ倒れた木の陰から魔物が現れる
そこか!?
一瞬動きが遅くなる。
仕方ない、【体内加速】で無理やり対応しようとして…
(ソラ君油断しないで!カグラさんカバー!)
(了解!)
射撃音と共に魔物の脳天に穴が開く
うん、グロイな。
小型のダンジョンが乱立している森だけあり頻繁に魔物の遭遇する。
今撃退したのはイノシシの魔物化した魔物だった。
と、自分のなかで話をそらそうとしていると
(ソラ君油断はだめですよ)
(す、すいません…)
注意されてしまいました。
うん、冒険者っぽいことしてて興奮してしまった。
もう少し気を引き締めていかないと。
エルシェさん、カグラさんと共に騎士たちの補佐を行いつつ戦場を確認する。
現在魔王は魔力探知を行いながら森を移動し、反応がある場所に先ほど見たような強力な魔法を放っている
騎士たちは盾の武技を使い魔法を防ぎつつ、魔王を囲おうとしている。
魔王が空に飛ぶと包囲を外れてしますが、その場合は槍の武技使いの勇者カレルさんが空中戦を行うそうだ。
可能な限りの遠距離戦を行う。魔王ルシファーはエクストラスキルの【未来予知】で自身が、ダメージを負った時にタイムリープする。
そこからの相手の攻撃を見切ってカウンターを行う。
それに対する対策はカウンターが出来ない遠距離攻撃を行う
さらに数で有利なこちらは、相手に魔力を消費される事で最終的にカウンターできない物量攻撃を行う
(やはりポイントは相手の魔力貯蔵量ですね)
(そうですね。すでに戦闘が始まって4時間以上経過していると思われます。カレルとの戦闘も含めれば相当の時間戦闘状態が続いています。
そろそろこちらの作戦に気がつき強行突破してくるかもしれません。そうなれば私達が迎撃する必要があります。2人とも大丈夫ですか?)
(私は大丈夫よ)
(僕も一応大丈夫です。)
(では、油断しないでください)
むしろエルシェさんの方が心配だ。
精神的にも…
僕もカグラさんも魔力探知が得意ではないので周囲の索敵はエルシェさんに頼りっきりだ。しかも実際の補助は回復魔法を使えるエルシェさんが行うことになる。僕達ができるのはせいぜい溢れ出た魔物の撃退くらいだ。
まぁ、僕達は勇者の仲間って立ち位置だからそれでいいのかもしれないけど、…自分たちの不甲斐なさを感じる
「後方の騎士団へのダメージがなかなか通らないと思って来てみたら、勇者様御一行でござるか」
「くっ」
突如、空中から魔王ルシファーが漆黒の翼をはためかせ飛来する
この距離、斬れる。
と、思い剣に手をかけたところで、突如魔王ルシファーが後方のへ10メートルほど飛び距離をとる
ちっ!
「ソラ殿でなないか。今斬られてたでゴザルよ」
「なんのつもりだ?なぜエルシェさんを!」
「何がでゴザルか?拙者魔王でゴザルよ。人類の敵でゴザルよ。
目の前に自身を強化できる手段があり、しかも勇者を弱体化できるなら迷わず実行するでゴザルよ」
(ソラ君。そのことはいいからまずは相手を迎撃することを考えて!)
(はい…)
ついルシファーの顔を見たら熱くなってしまった。
相手は魔王。しかもただ今全敗中。冷静に行かないとすぐにやられる。しかも今は僕だけじゃない。エルシェさんに、ガグラさんがいるんだ。
「投降してくれる?」
「拙者が?無理でゴザルよ。いくら学友の頼みでも」
「あら?私はあなたの事学友と思ったことも後輩だと思ったこともないわね」
パンパン
ガグラさんが話しかけながら射撃を行う。
異世界で制服(学ラン)少女が拳銃とか違和感半端ない!
どこのアクションゲームかな?
「っ!危ないでゴザルね。拙者学生時代からその黒い塊から出る飛び道具は嫌いだったでゴザルよ」
「あら?そう?」
流石魔王。拳銃による射撃を左右に飛ぶことで回避する
もしかしたら一度食らってタイムリープしてきてるのかもしれない
ならば当たらなくても相手への魔力消費を、促せるかも
流石に【未来予知】の魔力消費量が0とかないだろう。
もしそうなら詰んでる
(ソラ君。あと3発でリロード。時間稼げる?)
(了解です。【抜刀斬撃+飛剣】)
ガグラさんが射撃を終えると瞬時に魔王とガグラさんの間に入りスキルによる魔力の刃を放つ
魔法を使ってもいいんだけどこの武技ってお手軽で高威力の攻撃が行えるからかなり便利だ。
その分、応用が、出来ないのが難点だけど…
「その技は見飽きたでゴザルよ」
「ですよね!【マジックショット】」
魔力の刃を回避する位置を予測して、そこに魔力弾を、打ち出す。
しかしその攻撃は魔力吸収効果を持った[勇者の刀]により無効化されてしまう
「援護します!【アイスバレット】!」
エルシェさんからの援護魔法が来る。氷を魔力で作成して弾丸にして打ち出す魔法だ。
物理攻撃の為[勇者の刀]で打ち消す事は出来ない
魔王は横に飛び回避する。
「【リロード】!」
魔法により弾薬の作成が終了して射撃が開始される
「3対1とは小賢しでゴザル」
「4対1だぜ!【ホーリースピア】!」
空中より勇者カレルさんが飛来し、持っている槍から光の攻撃を生み出す。
スピアってついてたらなんでもいいのかよ。明らかにソレ魔法だろ
「それは聞かないでゴザルよ」
「「アイスバレット」」
光の槍を[勇者の刀]で打ち払ったところにエルシェさんが放つ氷の弾丸が襲い掛かる
今度も横に飛んで回避しようとして、その先にガグラさんの拳銃からの射撃が迫るのを察知して即座に後方への回避に移る
その先にには僕が国王から借り受けた剣を構えて待ち構える
【視界内転移】を数回繰り返し事前に待機していたのだ。
うん、即席パーティとしてはうまく連携出来たと思う
「くっ」
やる事は1つ
相手に回避できない状態を作る。
この間合いに入れた事で僕の斬撃を回避できるか、
もしくは、タイムリープを行なっても回避できなかった。
どちらかだ。
うん、魔王ルシファーの顔が驚愕している
ならば後者を信じてやれる事をやるだけ
【身体加速】
自身の時間を4倍に加速する
さらにそこから【身体加速】の重ねがけ
後方への飛翔モーションからこちらに振り向きながら剣技を使おうとする。おそらく【受け流し】だろう
事前にガグラさんに確認しておいた。
剣技【受け流し】は自身への物理攻撃を最適な回避方法で回避、受け流す。[勇者の刀]による魔力吸収を含めたら実質無敵である
しかし、それにも欠点ごある
剣技を使うと一瞬であるが自由に動けない
先ほどのように連携攻撃をする事で剣技【受け流し】を使用できなくすることができる。(使ったらガグラさんの射撃を回避できなかった)
そして、もう一つ欠点がある
それは武技や魔法共通して、魔法名を発音しなければならないこと。
つまり、【身体加速】で発音の終わる前に斬る
「【受けな…」
【身体加速】を再度発動。
4倍の三乗 64倍に加速された状態から剣に魔力を込める
前回もだが今日使ってみて改めて気づいた。
国王の剣[聖剣:X狩場]は魔力を込めることで発光する
カッケー
「【飛剣】えくすかりばー」
はい。叫んでみたかっただけです。
白い魔力の刃が魔王を襲いかかる。
魔王は、体を、ひねり回避しようする。素晴らしい反応速度だと思う。
身体加速は自身のみを加速する。つまり魔力の刃までは加速しない
ゼロ距離ならいざ知らずここから魔王までは5メートル近くあり着脱まではまだ時間がかかる
(【飛剣】の魔力の刃の速度は剣を振った速度に比例して早くなるから、相手からしたらほぼノーモーションで放たれた神速の魔力の刃とか普通は回避出来ないけど)
なのでこの【飛剣】は相手に回避をさせる為の布陣。
結果、回避せざるおえなく魔力は回避モーションを開始する
【視界内転移】を、2度発動して回避方向へ移動
回避中の魔王を、斬る
赤い血を捌きを上げながら魔王が地面に転がる
魔王の血は赤いんだね
うん。切断面は魔王の右手の二の腕から右足の付け根、そして左足の膝ほど。
今の斬撃もギリギリで回避られてしまった。
魔王が握っていた[勇者の刀]が空中に投げ出さらそれをキャッチ
突きを放とうとするがこちらは翼を全力で、振られ飛ぶことで回避される。
流石に3乗はきつい、もうMPがない。
クラクラしながら刀を杖にしてなんとか踏みとどまる
すでに先ほどの突き途中からMP切れで【身体加速】は切れてしまった。
「ここは、撤退しましょう。、次に会う時にはソラでも容赦しませんよ」
おい、口調戻ってるぞ
ぼやける視界で空へ逃げる魔王の姿を追いながら倒れる
まぁ、撃退は成功かな?
僕を抱きかかえるガグラさんの顔を見ながら意識を手放す




