31話 魔王
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
腕が、斬られた!?
なんで!?
「人間としての拙者はソラ殿に劣っているでゴザル。
しかし魔王をなめるな。
我に勇者でもない人間が勝つなどはなはなしいわ!…でゴザル」
っく、右腕が二の腕から切断されてる、止血しなきゃ、血があふれ出る。
いや、回復魔法を…
「人間とは哀れでゴザルな」
「っくそ、なんで」
痛くて集中できない、イメージでの魔法では無理か。
「拙者のエクストラスキルは【未来予知】でゴザル。
拙者が魔王である。魔族最強である由縁でゴザル。」
あー。ゴザルゴザルうるさい
「我を癒したまえ癒しの精霊よ。【ファストヒー」
「話の途中で詠唱するとは無礼でゴザルな」
詠唱中に腹を蹴られ詠唱を中断してしまった。
っく、痛い。くらくらする。
「拙者の【未来予知】はこの先起こりうる未来を確認できるでゴザル。さらにその未来に干渉することもできるでゴザルよ。拙者はソラ殿に斬られる未来をみたでゴザルがそれと同時に拙者はソラ殿の太刀筋も見えたでゴザルよ
どのタイミング、どの角度、…その未来を改変させてもらったでゴザル」
こいつ、チート過ぎるだろ。
てか、悪魔なのにエクストラスキルって…
相性も最悪だ。こちらがどんなに速度を上げれもその結果を改変されてしまっては意味がない。
どうすれば…
「さて、拙者も時間がないでゴザル。」
魔王は僕の腕から刀を回収する。
国王の方にゆっくり歩きながら刀を横に構える
「させるか【ボルテージショット】」
天幕にエドモンド先輩が入ってきて電撃の魔法を放つ
しかしその電撃は刀の一振りで吸収される
「なっ!」
「さすが勇者の刀でゴザル。魔力吸収のスキルを持っていると言うのは本当だったでゴザルね」
「ならば!【真天閃】」
エドモンドがジェダイの騎士張りに雷剣をひりまわしながら国王の盾になるように剣を振るう
光の残像ができてライ〇セイバーである。
剣技をよけて国王との間に立ったエドモンド先輩へ両手に持った刀で斬りかかる
エドモンド先輩は雷剣でそれを受ける。
魔王の元々持っていた刀は雷剣によって溶解し切断されるが、もう一本の勇者の刀は【魔力吸収】により雷剣から流れ出る魔力を吸収する。
雷剣からあるで出る魔力による電流と勇者の刀が鍔迫り合いを起こす。
しかし魔王としての身体能力なのかそのまま魔王は刀を振り抜き、エドモンド先輩は場外へ飛ばされる
「っく!」
一瞬魔王の気がそれた。
立ち上がり走る。腕?出血大サービス中ですよ。
いや、マジで痛い。クソ。
回らない頭を必死に回し対策を考える。と、言うか実行する
「ん?拙者には不意打ちはきかっな!」
「悪いけど国王はやらせるわけにはいかない!」
魔王が刀を振るが当たらない。
うん、予想通り。
僕は魔王を攻撃しようとしていない。
【視界内転移】の連続使用で国王の元に転移。
やはり【未来予知】は万能ではない。
エドモンド先輩が魔術で不意打ちを狙う時に魔法は勇者の刀の【魔力吸収】能力を使った。
言い換えると、自分の刀があるのにわざわざ勇者の刀を拾って国王に構えた。
国王は王妃をに寄り添う為に倒れこんでる、刀を構える必要などない。そのまま首など急所に刀で突けばいいのだ。つまりエドモンド先輩の魔法を予知していてその対策の為に刀を拾った。
次にエドモンド先輩が雷剣で剣技を放った時はその動きを確認しながら回避を行った後に攻撃した。
未来が読めるなら国王との間に入る前に迎撃できたはずだ。
しかもその後、両手に持つ刀での雷剣を迎撃したのだ。その結果1本の刀を失った。
何のために?その後の鍔迫り合いも未来が見えているならそもそもエドモンド先輩の攻撃をよけて切れば良い。
わざわざ自分の刀を失っても鍔迫り合いをする必要はないだろう
ならば考えられる魔王のスキル【未来予知】はすべての未来を予知するものではない。
おそらく、自身への攻撃に対する未来予知だ。
そう仮定して僕は賭けにでた。
一切攻撃を行わずに国王へと移動。
結果、魔王は僕の行動を予知できずに国王の元へ僕を行かせていまう。
国王をつかみ【射出】
射出方向は上空。
「うぁぁぁあああああ」
国王が驚き情けない声を上げる。
正直今の僕の実力ではあの自称魔王に勝つことができない。
ならばできるのは時間稼ぎ。
いや、自分の利益につながる時間稼ぎ。
第一条件は自分が死なないこと
第二条件はより利益をもたらす人を助ける
この場合国王だ。
現代の勇者がこの場に駆けつければ何とかなる。ではそれまで可能な限り時間を稼ぐ
最悪、僕と国王の逃亡に魔王が怒って会場のみんなを殺してもしかたない
…本当に?
ヴィクトルは?ジュストは?
それにサクラ先輩は?一応ライラ先生も…
「っクソ!【プロテクション】」
国王に【プロテクション】をかける。これで着地……落下時の衝撃は無効化できる。
自身にも【プロテクション】と→右腕に【ファストヒール】をかける。
回復魔法はまだ不得意で止血の応急処置が限界だ。
あー、王様、僕の腕、なおしてよね?
さすがに宮廷魔導士みたいなのいるでしょ?詳しくは知らないけど…
たぶん、欠損も回復できる魔法があるはず…あるよね?あって!
国王をさらに上空に【射出】
2段階打ち上げ?その時に国王の腰から剣を拝借。
格納石からMPポーションを取り出し丸のみ、
「さて…」
「さて、ではないでゴザル」
「!?ッツ」
忘れてた、コイツ飛べるじゃん!
めっちゃ羽生えてるし!
魔王の一閃、それを国王の剣で受ける。
若干刃が黄色く光ってる気がする。
数度の斬撃を受け、小刻みに【射出】を行いながら相手との位置を調整する。魔王の真上に位置取りし、剣を構える。
魔王は追ってくる。【射出】を緩めて下から剣を振ってくる魔王の斬撃を受け止める。
そして自身を真下に【射出】
あくまでも僕は攻撃してない。落下ベクトルをいじっているだけ。
押されながら魔王は僕と一緒に地面に落下する。
落下ベクトルの方向をいじって街の場外に落下。
僕は地面にスレスレで【射出】を、使い衝突回避したけど魔王は爆音と土煙を上げながら地面にたたきつけた。
うん、この方法なら多少はダメージを与えられるか。
「やはり自分への攻撃以外は予知できないみたいですね」
「さすがソラ殿でゴザル。それによく片腕で剣を触れるでゴザルね」
土煙から魔王が姿を現す
片手で剣を引きづるようにして構える。
「まぁ【身体強化】を使えば何とかなりますね。それよりその口調なんなんですか?魔王がゴザルとか違和感半端ないんでづけど」
「そうでゴザルか?人間に擬態する為に頑張ったら慣れてしまったでゴザルよ」
「そうですか。あと、東の国と言うのは嘘なんですか?」
今はなるべく時間稼ぎが必要。
少しでも会話を長引かせこちらにくるであろう勇者を待つ。
「嘘ではないでゴザルよ。ソラ殿がこの大陸の東の端にある侍の国と勘違いしたのでござろうが、拙者はそこから海を渡りはるか東にある魔大陸から参ったでゴザル」
「魔大陸?」
「ソラ殿は知らないでござるか?ふむ、ではこれからの学園生活で学ぶといいでゴザル」
「じゃぁ、見逃してもらっていいですか?」
「ならばさっさと国王を殺させるでゴザルよ。ほら、道を開けるでゴザル。」
僕は王都に行かせないように再度剣を構えてスキルの発動の準備をする。
「道を開けないなら強行突破させてもらうでゴザル」
漆黒の翼をはためかせこちらへ飛翔する
【身体強化】を使い無理やり剣で受ける。クソ、重い。
【射出】で押し戻すようにして剣を払う。
「なかなかやるでゴザルね」
「そではどうも!【飛剣】」
剣を払うように剣技を発動させる
魔力の刃を魔王の足元に打ち込こみ、それにより再度土煙を発生させる。さらに自身の足元に意識を向けて魔法を発動させる
「【ロックウォール】」
「そんれでは拙者を止められないでゴザル【サンターボルト】」
それどこの魔法カード?って、しかも無詠唱!?
土煙より雷が放たれ岩壁が一撃で破壊される。真っ二つに割れた岩壁から魔王が刀を構えて現れる
慌てて後方に【射出】して距離を取る
「逃がさないでゴザル」
魔王は左手に持った折れた刀を投擲する。
直撃コース。
【空駆】で足場を発生させて上に跳んで回避する。
「予想通りでゴザルね」
「な!」
魔王も翼で飛翔し同じ高度まで迫る。【空駆・改】で足場を再度作成して逆にこちらから距離を詰めて斬りかかる。近づく相手にはその不意を付く。
「かかったでゴザルね」
やばい!これは相手への殺意を持った一撃。気が付いて攻撃を中断しようとするが時すでに遅し。
一度は魔王を斬れたであろう。しかしその未来を【未来予知】によって見切られてしまう。
「【受け流し】」
「ぐぁああああああああ」
左足を切断された。
悲鳴を上げながら地面に落下する。
痛い痛い痛い痛い…
追撃するように魔王が空中から迫る
「【マジックショット】」
剣を一度離し魔法で迎撃する。
しかしその魔法も魔王の刀の効果で吸収される。
そしてそのまま僕に刀を振り下ろそうとして…
魔王が翼で急遽に軌道を変えて移動する、いや回避した。
「【ドライブスピア】」
先ほどまで魔王がいた場所に、…僕の目の前に極太の光のビーム?が通り過ぎる
【未来予知】で回避したのだろう。
「っち、はずしたか」
「君、大丈夫?」
ビームが放たれた方向を確認すると二人組の男女がこちらによってくる
槍を持った20歳くらいの黒髪の少年が魔王に向かって槍から光の魔弾?を連射する
魔王は刀でその魔弾を吸収ながら応戦する。
なるほど、未来予知からのカウンターが基本的な戦い方だからカウンターされない位置で戦っているのか…
「【ミッシングリカバリー】」
16歳くらい少女がこちらに来て僕の欠損した足と手に両手をあてて回復魔法を唱える
すると白い光に包まれて、光が収まると腕と脚が生えていた。
立ち上がろうとするが頭がくらくらしてうまく立ち上がれない
少女が僕をそっと抑えて座らせる
「血液までは戻らないから今は安静にしてて。一応【プロテクション】」
僕に魔法をかけて少女は立ち上がる。
少女は少年の横に寄り添うように立つ。
「魔王。人界に何しに来た。それにその刀…」
「これはこれは勇者でゴザルな。拙者はこの勇者の刀とこの国の国王の命をいただきに来たでゴザルよ」
「その刀を返せ!」
「それはできないでゴザルね。しかし勇者2名とはさすがに拙者では不利でゴザルね。仕方ないのでここは引くでゴザル。まぁ王妃を殺せただけましでゴザルかね
では、ソラ殿、約束は守るでござるよ?【転移-魔大陸】」
そう言い残し魔王は光の結晶となり消えた。
約束って…妹のエルサのことか?いや、魔王の妹って…
そこまで考えて意識が途切れた。
うん、極度の緊張から解放されたってやつ?
気が付くと白い天井が見えた
「知らない天井…」
いや、言ってみたかっただけ…
ベットの上かな?個室のようだ。周りにはほかのベットはない。
右手は何かに触れる…
黒髪の少女…サクラ先輩だ。いや、サクラ先輩の胸だ。
ぷにぷに
やわらかい…
「ム!」
ボカ!
殴られました。
「やっと起きたね。やっと起きたと思ったら、いきなり胸をもむとか…今のは無かったことにしてあげるから次に揉むきは覚悟きめてね」
「すいません。ここは?」
「王都の治療院よ。ちょっと待ってて、今先生、あ、お医者さんね、呼んでくるわ」
ちょっと頬を赤めながら部屋から出ていく。
その後治療院の先生の軽い診断を受けて、その途中でライラ先生が入ってきて城に連れていかれる。
ちなみに診断された結果、ただの魔力切れだったようだ。




