32話 王女
ライラ先生に案内されて王都の中央にある巨大な城にはいる。
中に入るとかなり広い応接室に通される。
「では、私はいったん学園に戻る」
「えっ?いてくれないんですか?」
「先ほども言ったでしょ。私は魔王襲来について学園での話し合いに参加しなきゃいけないの。」
「はぁ、わかりました。」
「あとでこっちにも呼ぶと思うからよろしくね」
そう言ってライラ先生は部屋から出ていく。
ふかふかのソファーに座り少し待っていると扉が開き初老の老人が入ってくる
「ソラ様、そのままで良いですよ。国王ももう少しでいらっしゃいます」
「あなたは?」
「私は宰相のミハエルです。以後お見知りおきを…」
「はぁ。よろしくお願いします」
そして少し待つと側近に支えられながら国王と王妃がやってきた。
「え?」
「ふむ。驚いておるな。お、座ってて良いぞ、わしらも座るかな
まずはわしのことを助けてくれてありがとう。礼を言わせてくれ。」
「はぁ」
「では、わしの知っている限りで今回のことの顛末を話すとするかな…
そういって国王と王妃は僕の対面のソファーに座り、一通りの説明をしてくれた…
話してくれた内容をまとめるとこんな感じだ。
まず、王妃は体を真っ二つにされたがすぐに国王が回復魔法を行っていたため何とか命をつないだらしい
その後僕が上空に国王を連れ去ったり、魔王がそれを追いかけた直後に勇者が到着し僕と同じように回復魔法で助けたらしい。
いや、うずくまってると思ったけどちゃっかりしてたんだね。
てか、王妃は真っ二つからよみがえるって欠損ってレベルじゃなかったんだけど…
侍の国について…
このアネモイ王国がある大陸はユーア大陸と言うらしい。ユーア大陸はひし形の形をしていてその一番東の端に侍の国があるらしい。なんでも昔の異世界人(元勇者かな?)が300年前に魔王を倒して平和になり
その後、元の世界に戻らずに作った国らしい。
国自体は小さく、首都しかなく人口は少ないそうだ。
しかし完全に鎖国をしており、領土は棒とそれを結ぶ鉄でできたヒモのようなもので囲まれていて、その壁に触れると電撃魔法が発動し、触れた者を焼き殺すらしい。
電気柵の有刺鉄線ですね…
魔大陸について
侍の国を渡り東の海を渡るとユーア大陸と同等の大きさを誇る大陸があるらしい
らしいと言うのは勇者が過去の魔王を倒すために踏破した以外はほとんど踏み入れたことがないらしく、
大きさもよくわかっていないそうだ。
ちなみに過去何度が侍の国を迂回して人間が攻め込んだことがあるそうだが魔族に蹂躙され兵のほぼ全滅し命からがら生き延びた兵も完全に錯乱してしまいまともに会話ができない状態だったとのことだ。
魔族について…
魔大陸に住み着く人型の生物。一応魔物との違いとして、言葉を話すそうだ。
また、上司の命令には絶対らしく死ねと言われたら死ぬらしい。
基本的には魔大陸にいるらしいがたまにユーア大陸に訪れ蛮行を行い討伐される
魔王について…
10年に一度、魔王が生まれるらしい。魔王は自身の部下や同じ種族を配下として魔大陸に国を作るそうだ。魔大陸の土地も有限であるから弱き魔王はほかの魔王に侵略されて倒されるらしいく自然と魔王の人数は変わらないようだ。
ちなみに魔王に昇格するのは厳密には魔族である必要はなく、詳しい条件は分からないが過去にユーア大陸にいた強力な魔物が魔王に昇格したらしい。その時にはかなりの被害が出たらしいがその時に召喚された勇者が討伐したとのことだ。
勇者について
より強大な敵を倒す時、それが人類の敵である場合、エクストラスキル【勇者】が目覚めるそうだ。
そして、目覚める者の多くが異世界転移や転生していた人間らしい。
それを人々は神様がこの世界に招いてくれたと思っているらしい。
実際、神様が転移や転生を行っていたのでその考えは間違っていないが、実際にはもっとこの世界に転移している者は多いと思う。サクラ先輩やカグラ先輩とか…
先代勇者と先代魔王との取り決め
およそ1000年前に初めて魔王がユーア大陸に攻め込んだらしい。
その時に人間を救ったのが先代の勇者らしい。
勇者はその時の魔王と何度も各地で戦いユーア大陸から追い返したそうだ。
その時に一応先代魔王と先代勇者で不可侵条約を結んだらしい
まぁあくまで口約束である為、上記のようにお互いが今までに何度か侵略を試みたらしいが…
勇者の武器について
正確には[先代勇者の武器]
先代勇者は4名いたらしく、その4名は神様より強力な武器を授かったそうだ。
そして、人間が魔族や魔王の侵略に対して対抗できているのはこの武器のおかげらしい。
「と、まぁそんな感じで現在勇者の武器の内1つが魔王に奪われてしまったのじゃ」
「なぜ、ルシファーと名乗った魔王は勇者の刀を奪ったのでしょうか?それになぜ国王の命を狙ったのでしょうか?」
「これはわしらの推測なのだが…
歴史に残る魔王の侵略は基本的には一人の魔王の独断だった。あの魔王はほかの魔王と協力してこのユーロ大陸をせめ落とそうとしているのではないかと考えておる。
その為には、ほかの魔王を説得する必要がる。その材料として、勇者の武器とこのユーロ大陸の3大王国のひとつアネモイ王国の国王の首を用意したかったのではないだろうか」
「と、いうことは近々魔王の軍勢がせめてくるかもしれないと?」
おい、神様。話が違うじゃないか。
勇者のやりすぎを止めるとかそう言う問題じゃないだろう。むしろ勇者自重せずに魔王狩りつくせよ
「いや、このたびソラ君がわしの命を守ってくれた。そのおかげであのルシファーと名乗る魔王もほかの魔王との交渉ははかどらないだろう。国王を目の前にして勇者ではない少年に魔王暗殺を妨害されたのだぞ?むしろ勇者でない人間がそれだけ力を持っていたら警戒するじゃろう」
「そうだといいんですが…」
「一応そのあたりの調査も先ほどソラ君や王妃のメアリーを助けてくれた勇者に調査を依頼した」
「なるほど…ちなみに勇者って今何人いるんですか?」
神様に言われた自重しない勇者はあの二人ではないだろう。なんとなくだが…
それに今の話を聞くと勇者とはエクストラスキル【勇者】を持っている者らしい。結構いそう
「他国のことなので正確なことはわからないが、…このアネモイ王国には現在5名の勇者がおる。
ユーア大陸の西側の大国、アポロン王国にはわしの知っている限りで3名の勇者、
ユーア大陸の南側の王国、セレネ王国には6名の勇者、
ユーア大陸の東側のいくつもある小国で勇者がいると言う話は知らない。まぁ侍の国は鎖国を通しておりもし勇者がおってもこちらにはその情報は流れてこないと思われるがな…」
「知っている限りで14名もいるんですね」
「あぁ、実際にはもっといるだろうが、自分からステータスを開示してくれないとスキル【勇者】は確認できんからな。おそらく騒ぎに巻き込まれたくない者は公表せんだろう」
なるほど、あくまでもエクストラスキル【勇者】を持っている者をこの国では勇者と認知しているのか…
では、逆にエクストラスキル【魔王】も存在するのだろうか…
「【勇者】ってどんなスキルなのでしょうか?」
「詳しいことはわからんのじゃ、なんでもそのスキルは全員が同じ能力ではなく、個人個人が奇跡のような魔法や武技を使えるらしい。ほれ、おぬしを助けた勇者おったじゃろう?
エルシェと言う魔法使いなのじゃがの、彼女は最上級単体回復魔法をMPなしで使えることができるのじゃ
それに槍を持っておった方はカレルと言う勇者でな、あやつはすべての槍技を使うことができる」
「名前からしてその二人はこの世界の住人なんですね?」
「彼らは冒険者として活動していたどこにでもいる者だったのじゃが、ある時魔族に村が襲われてそこで魔族と戦っている最中に【勇者】に目覚めたそうじゃ」
ふむ、詳しくその話を聞きたいがすでに二人は魔王ルシファーを追ってこの街からは出て行っているだろう。
「さて、おぬしの聞きたそうなことを教えてやったが、そろそろおぬしのことを教えてもらってもよいかの?主に【ステータス】をみせてくれると助かるのだが…」
「ですよね…【ステータス開示】」
うん、これだけ聞いたら転生者の勇者と思われるよね
仕方ないここは素直にステータスを開示するか…
【ステータス】
[ソラ]10歳(遠藤 空)レベル28
魔力保持量(MP):170,000
最大魔力出力:85,000
最大魔力制御:74,400
使用可能スキル(魔法)
通常スキル
【生活魔法】
【刀術】レベル3
属性スキル(魔法)
【火属性魔法】
【水属性魔法】
【風属性魔法】
【土属性魔法】
【光属性魔法】レベル5
【重力魔法】
強化スキル(魔法)
【身体強化】レベル4
【思考加速】レベル2
エクストラスキル(ギフト)
【時間魔法】レベル3
【転移魔法】レベル2
【成長速度UP】レベル1
【無限魔力炉】レベル1
【格納魔法】
【???】
「なんだこのMPは! 属性魔法が6つだと!それにエクストラスキルも6つある。」
「あ、MPはやっぱりおかしいのか。」
基本的に他人のステータスは見ない、見せないがこの世界のマナーらしいので自分もほかの人のステータスを見たことがなかったからわからなかったがMPはどうやら多いらしい。
あ、マナーと言うのは、感覚的には前世でいう裸を見せるようなものらしい。
転生して間もない時に母さんにステータスを見せてと言ったら怒られた。
いくら親子でも見せ合わないらしい…
「いや、このさいMPはいいとして…それになぜ属性魔法にレベルがないのだ。」
「さぁ?」
おそらくそれは僕がイメージで、無詠唱で魔法を使うからだと思われる。その為光属性魔法だけは詠唱して使ってるからレベルがあるのだろう。でもそれを言えないしなー。この際無詠唱で魔法を使えることを言っちゃてもいいかな?
「まぁいい。エクストラスキルの多さもいいとして、少なくても勇者ではないようだな。いやこの【???】はなんだ?」
「それは僕にも分らないんですよ。たしか6歳の時にゴブリンキングを倒した時に現れたんですけど…」
「6歳でゴブリンキングを!あの噂、と言うはフランツ寮の教員が言うことは本当だったのか!」
「まぁ」
無詠唱のことを言うタイミングのがしたな。
ま、いっか。
「なるほど…おぬしは勇者ではないが規格外と言うことは分かった。そこでわしからのお願いなのだが・・・」
「なんでしょう?」
まぁ、予想はつくけど。勇者として戦ってくれとかかな?
「この国の国王になってくれんかの?」
「は?」
「わしはすでにこの年だ。昔はある程度戦うこともできたが今ではもうまともに剣を振ることもできぬ。
国王として民を導いてほしいのじゃ」
「お断りします」
「そうか…ではせめてわしらの子供と婚約せぬか?」
「いや、それ結果的に将来国王ですよね…」
「あら、ペンドラゴン。たまにはいいこと言うわね。この子なら婿養子になってもらってもいいわ」
今まで空気だった王妃がしゃしゃり出てくる。
ハーレム作りたいと言ってもそんな相手もわからない相手はダメですよ
しかも将来国王とかマジ無理ンゴー
「…いや、そういうのは本人同士の気持ちが大事たと思います!僕はお二人のお子さん知らないですし!」
「そんなことないわよ。それにすでに娘はあなたのことをしたっているわよ」
観客席から見ていたのだろうか?
そのしたっているって、カッコイイとかそんな感じのだろう。
ダメでしょ!
「えっと、…なんで僕なんですか?勇者を国王にすればいいんじゃないですか?」
「それはダメなのじゃ。国の決まりで。いや、このアネモイ大陸にある人間の国の決まりで【勇者】を国王にすることができないのじゃ。
それは、国王の器は武力ではない。と、言うことを示しており、それと同時に基本的には勇者は異世界人。異世界人にこの国を総べれせることは当時の諸国の王は反対したのだ。もしそれを破るのであれば人間の国すべてでその国を攻め落とす決まりになっておる」
「えっと、でも侍の国は?」
「そうじゃ、侍の国は異世界人の国じゃ。だからわしらはあの国とは戦争をしておる。
と、言ってもあの国ができたのは500年以上前のこと今では鎖国と言う形冷戦状態じゃ。
まぁ、最近はお互いに留学と言う形で少しずつその傾向をうすめているのじゃが…」
なるほど…
魔王ルシファーはその留学の機会を狙って、本来のコタロウとすり替わったのだろうか?
「では魔王ルシファーは、いえコタロウ先輩は、東の国からの留学と言っていましたが、留学自体はあったんですね」
「そうじゃな。そしてコタロウの妹、エルサという娘はこちらで確認したら間違えなく人間だった。
今は侍の国に確認の使者を送って確認中であるが、おそらく魔王ルシファーはコタロウと言う少年とどこかですり替わったのだろう。」
やはりそうなのか。
しかし妹を守ってくれと言うくらいだ。おそらく魔王ルシファーも入れ替わりの生活の中でエルサのことを多少なりとも何か思うところがあったのかもしれないな…
「と、話をすり替えられては困る。」
「ダメでしたか…」
「あなら、娘を読んだ方が早いんじゃないの?」
「そうだな。ミハエル、呼んできてもらえるか」
「承知しました」
そう言って宰相の初老の老人が部屋を出ていく
「実はな、わしらには子供ができなかかった」
「え?」
「そこで養子をとったのだ。当時身寄りのない子供がこの王都に投げ捨てられてな。その話を聞いたわしらはその子の様子を見に行った」
「えぇ、そこで一目みて思ったわ。この子を家の子にしようと」
「はぁ」
そして扉が激しく開く。
「ソラ君やっほー。私と結婚しよう!」
「・・・」
そこにはカグラさん。
いや、神楽美琴が立っていた
これで2章は終わりです。
次回は2章までの登場人物一覧などを載せます
(ちょっと休憩!)




