29話 武術トーナメント本戦⑥
さて、昼食はサクラ先輩とその友達2名メラニーさんとリーンさんと食べた。
ほんとはヴィクトルとジュストと食べる予定だったのだが、サクラ先輩がお弁当作ったが作りすぎちゃったからと誘ってきた。
屋台で済ます予定だったので是非といただく流れになったのだがジュトスがサクラ先輩の顔を見るなり腹をおえてうずくまってしまった。そんなジュトスをみてヴィクトルは看病するらしく僕だけ行くように言ってきた。
はて、何かあったのかな?そういえば昨日もうずくまってたな。
サクラ先輩の顔を見えると申し訳なさそうな顔をしていた。
メラニーさんとリーンさんの所に行く最中に聞いてみたらなんだも予選の1回戦でジュスト対戦したらしくその時に槍でお腹をさしたらしい。
あー。そういえばそんなこと言ってたな。上級学園の1年生にやられたって…
そんな感じで上級学園の観客席で4人で楽しく?食事をしてたわいない話をしながらこの後戦う序列5位と2位の生徒の話を聞きながら過ごした。(あ、お弁当はハンバーガーでした。)
「では準決勝を開始します。両者開始地点にて待機ください。
観客の皆様は対戦ステージには魔術障壁を張りますので、観客の方はぜっていに手を出さないでください」
さて、開始地点まで移動を行う。
対戦相手は上級学園2年生、ブレソール・デュシャン。紫色の髪の毛をして長身の男だった。
名前の通り姓がある。相手は貴族らしく、親は伯爵らしい。
下手にボコボコにしたらあとで問題になるのかとサクラ先輩たちに聞いてみたら、学園にいる以上関係ないそうだ。勝ったら処罰とかだったら嫌だからな。
あれ?これフラグかな?
開始の合図とともに【身体強化】を発動させて相手を探す。
しっかりお昼休みに休んだこともありMPも全回復している(もともと今日はほとんど使ってないけど…)
「【ファイアアロー】」
遠距離から火の矢が放たれる。1本だがなかなかの速度がある。アロー系の特徴として自動誘導の機能がある魔法が多い。姿の見えない敵への攻撃や、距離が離れている場合には有効な魔法だ。
しかし、僕に対しては完全に悪手だ。
はて、今までの、少なくても今日までの僕の戦いを見ていないのだろうか?
確認していれば、僕が無詠唱で魔法を行使できることがわかるはず。
魔法の打ち合いになったら明らかに僕に有利。あんな魔法を使ってしまっては現在位置を僕に教えているようなものだ。
考えられるのは2択。
一つ目は直接的な罠。わざと誘い出して僕に有利を取れる状況にする自信がある。あの魔法を放つ地点に特大魔法を放つとか?
二つ目は思考的な罠。そもそもあの魔法自体が僕の思考を誘導させる罠。実は剣士でしたー。とか?
どちらにしても声のする方に進む。
相手とみあえば勝てる。ここからは全力だ。
【視界内転移】は切り札だからとっておくとしてそれ以外は出し惜しみしない。
相手を目視できた瞬間に【体内加速】の16倍速を使用し、自身の運動ベクトルを操作する【射出】で一気に距離を詰める。あとは相手が倒れるまでタコ殴りにする。
ただし、まっすぐ進んでも相手の思うつぼになる可能性もある。
少なくても相手を目視しなければならない。
なので、勢いよくジャンプし、上空に向かって自身を【射出】する。いつかのゴブリン退治で父さんを飛ばしたアレだ。あの時はまだ僕自身、魔力制御が低かったこともありほんとに飛ばしていただけだった。
でも、今は違う。ジャンプで斜めに運動エネルギーを一瞬強めて跳躍する。
放物線を描くように跳躍して落下に入るところで自身にかかる重力を調整して着地音もしない程度に緩やかに着地する。そして数歩助走をして再度跳躍。
岩壁の都合で着地が困難な地点がある時は最適な位置に魔力による足場を作る。
土魔法の物質創成で足の大きさとほぼ同じの岩を創成して、その岩に片足で着地と同時にその岩にかかる重力を操作して足場にする。そこから跳躍。
うん、見栄えは悪いけど一応空を飛んでる?空を駆けている。一度そのイメージを固定させるように魔法名を作成する。【空駆】と名付ける。
そうすることで2歩目以降はこの魔法を発動することで勝手に足場が作成される。
うん。魔法って便利!
上空から声のした方向に移動して対戦相手を探す。
魔法名を決めることによって空中の移動には意識をさかなくてよくなった。
青髪の少年を発見する。
予想通り少し場所を移動して何やら詠唱を行っている。
そのまま空中を移動して相手の真上まで移動する。しかしそこでこの魔法の弱点に気が付く。
当たり前なのだが足場に使った岩が地面に落ちるのだ。
次からは足を話した瞬間に魔力に変換されるようにしよう。【格納魔法】の応用だ。
「上だと!?」
ですよねー。さすがに気が付くよね。だってすごい岩が砕ける音が近づいてくるんだもん。
岩を目視できれば上から降ってきている。
上を見れば僕がいる。
あー。やらかしたなー
「距離があるが仕方ないか。【ドラゴンファング】」
何その魔法?かっこいい!僕の失われた中2病を刺激する。
ブレソール先輩から青い強大な炎は作り出されその炎が竜の頭の形をする。そして僕の方に誘導してくる。
【空駆・改】(使用済みの足場岩を魔力に変換して吸収した。燃費UP,消音化)を使用して真横に回避する。竜が口を大きく開けて僕がいた空間をかみ砕く。それで消えると思った竜の顔は再度口を広げこちらへ誘導してくる。
「フゥハハハ。無駄だ。我がデュシャン家に伝わる秘伝魔法だ。対象をかみ砕くまで遅い続ける」
ほう。秘伝奥義ね。あれかな?光属性魔法や強化魔法と同じような区分なのかな?純度100%の魔法。物理学とか無視したおとぎの国の魔法。それゆえに対処は分かるが、実際の対応は難しい。
今回の自称秘伝奥義の魔法【ドラゴンファング】
対処方法は分かる。竜の頭を作る魔力消せばいい。わかるができるかと言われると微妙だ。
あー。こんなことなら【視界内転移】で魔法を使われる前に倒せばよかった。
仕方ないか…
【体内加速】+【射出】
竜の頭を回避し続ける僕を下から見上げているブレソール先輩を視界内にとらえて【体内加速】を始動。
目標に向かって【射出】。そして真上からの【抜刀斬撃】
なんか違和感があったがスキル自体は問題なく発動した
正面からの剣技は想定していたかもしれないが上空からは無理だろう。脳天をたたき切って転移させた。
さて、ここからが面倒だ。
純度100%【ドラゴンファング】は相当な魔力を練られている。
正直1学生が使用してもいいのか疑うレベルの魔法だ。本来魔法を使用すると消費魔力に対し魔法の変換した魔力は等しくない。
たとえば100のMPを使ってファイアボールを使っても実際にはファイアボール(熱量)に変換された魔力は50程度だ。
残りはどこに行ったのかと言うと火を持続させる為の物質や酸素へ変化されてある程度は物理現象で熱量を生み出している。
しかしあの【ドラゴンファング】と言う魔法。おそらく使ったMPをすべてを使っている。
なんと表現すればいいのかわからないが、魔法を見て思った第一印象通り、おそらくあの魔法は強化魔法と同じ区分の魔法だろう。
100%魔力の不思議な力で燃焼している。
下手をすれば周囲からの魔力吸収の性質をもっているかもしれない。
そう思うくらいに協力な魔法だと思う。
ここで万が一あの魔法をくらうみたいなことになると置き土産を食らったとして両者引き分けになる可能性がある。あの魔法の魔力がなくなるまで回避することはできるが正直いつ消えるかわからない。
回避に専念しつつ先ほどの違和感を確かめる為に【ステータス】を確認する。
ふむ、仕方ないので、斬ることにする。
あー、めだつだろうなー
いったん距離を取るように後方に【空駆・改】を使って下がる。
少し高台に着地して構える。
竜の頭はこちらを口をあけなが一直線に向かってくる。
【空間斬撃+抜刀斬撃】
僕が抜刀斬撃と同じモーションで木刀を振るう。
すると切り裂いた空間に亀裂ができる。
その亀裂は周囲にあるものをブラックホールのように飲み込む。
僕は後ろに下がって見守る。
竜のの頭が切り裂かれた空間に突撃し…飲み込まれた。
先ほどステータスを確認するとエクストラスキル【時間魔法】がレベル3に昇格していた。おそらくい昨日カグラ先輩との戦闘中ではないだろうか。今日はほとんど使ってないし…
で、時間魔法のステータスがコレである
【時間魔法】レベル3
体内時間を操作できる魔法。レベルが上がることで体を過去の状態に戻したり、意識を過去に飛ばすことができる。
・使用可能魔法(発動型)
【体内加速】自分自信に加速魔法をかける。通常の4倍に加速する
強化魔法の思考加速は思考のみを加速し周りがゆっくりに見えるのに対し、
こちらの魔法はゆっくりに見えてなおかつこちらは通常通り
【空間斬撃】剣技と同時使用でのみ使用可能。剣技で空間そのものを斬ることができる。
斬撃を受けた空間は、虚の時間になり、世界から存在しないと認識され消失する
その過程で周囲にあるすべての物質、熱量、魔力を吸収し消失する
いや、虚の時間とかかっけーなー。中2病全開である。詳しいことはよくわかんないかけど斬った場所を存在しなくできるらしい。(一定時間?周囲をまきこんで?)もとに戻るけど…
今回はその吸収を利用して【ドラゴンファング】の魔力を消失させた。
「勝者ソラ選手!」
少し遅れて審判の先生が入ってくる。うん、正直自分でも意味が分からない。ってか怖い。斬ったあたりが地面を含めて楕円体に削り取られている。
いやー。やっちゃった感満載である。おそらくだが今のを人間に使った場合【プロテクション】とか関係ないしに消失させちゃうんだろうなー。完全に模擬戦においてはオーバーキルである。
使うとしても相手の魔法かな?魔物相手に使ったとしても、魔物自体を消失させちゃうだろうから素材も取れなくなっちゃうかな?
消したいほど憎んでる相手もいないし、正直死にスキルかな?若干【体内加速】の消費MPが下がったのはうれしいな。
そんな思考をしながら観客席に戻り次の選手のことを予習する。
次は序列2位。エドモンド・フォンタネージ
この学園の園長の息子らしい。学年は3年生。雑誌によると魔剣を使うらしい。
この異世界での魔剣についての文述がほとんどなく何を指しているかがわからない。
魔法の力を持つ剣なのか
剣技で魔法を使うのか
どっちだろう?雑誌には緑に燃える炎の刃がすべての者(物)を切断した。…と、書いてある
わからない…
なんでも、入学当初からずっと序列上位で対戦回数自体が少なすぎるらしい。
教員とのエクストラマッチも今の所全戦全勝で、しかも遠目でみたらふつーに近づいて、剣技?を使って倒しているらしい。
「ソラ君いいかな?」
そんな感じで雑誌を見ながらMPポーションを飲んでると先生が呼びに来た。
茶色の髪をした女性の先生だ。ライラ先生の例にもれず黒いスーツ姿だ。わりとミニスカ!
「はい、何でしょう?もう試合ですか?」
「いえ。えっとですね。国王がおよびです」
「はい?」
あれかな一応貴族であるブレソール先輩を倒したのがまずかったのかな?うー、サクラ先輩の嘘つき!
言い訳を考えつつ僕は先生の後に続き歩いていく。
途中で騎士の方に武器を出すよう言われたので木刀と腰に掛けた格納石を預ける。
その後簡単なボディーチェックを受けて天幕に入る。
あ、先生は武器を渡した所でお役目ごめんで帰って行った。
「しつれーしまーす」
「うむ、きたか」
正直礼儀とか知らない。そういえば学園の入学試験で礼儀がD判定だったな(笑)
国王は少し大きめな椅子に座っていたが、僕が入ると席を立ち前に来るように促した。
「先の試合での勝者はおぬしで間違いないか?」
「はい。ソラと申します。」
「うむ。まずお主に礼を言いたい。」
なんだろう?なんか良いことしたっけ?いやあれか、適当なことを言ってほめつつ、貴族の息子を倒したことを攻めてくるのかな?上げて落とす作戦か?
ってか、国王てこんなキャラだっけ?演説と全然違う。いや、演説がわざとだったのかな?
「デュシャン伯爵の息子ブレソールを倒してくれて感謝する」
「え?」
あ、声に出してしまった。
周りの親衛隊?からにらまれる。ヒレー、あ間違えた、ッヒエー。
国王は特に気にする様子もなく話を続ける。
「デュシャン伯爵の息子には本来戦時中以外では使用禁止の禁忌魔法の私的利用の容疑がかけられておった。本人はデュシャン家に伝わる正当な魔法だと勝手に解釈していたが、
実際にはこの国国王、まぁわしなのだが、国王に武力が集中しすぎないように、初代国王の使った厄災級魔法の使用方法をこの国を治める貴族に管理してもらっているのじゃ。」
「はぁ」
「本人もまだ学生ということで本来の性能をまったく引き出せていなかったが、とにかくそれを無断利用しておる。今までは表立って使用することがなく、証拠がなく捕まえることができなかったが、おそらくおぬしの今までの戦い。特に[魔術師殺し]の異名通りの実力を見てこの場での使用に踏み切ったのだろう」
ふむ、やはりあの魔法は強力だったのか。てか厄災級で使用禁止とか…
あれ?母さん使ってたけどなんで覚えているんだろう?
実は母さんって…
って、なんで国王まで僕が魔術師殺しって呼ばれてるのしってるんだ!
「わしもブレソールが詠唱を行っている時は焦ったぞ。すぐに模擬戦を中断して確保に行きたかったのだがお主が空を駆けるもんだからどうすればいいかわからなくなってしまった。
まぁ、最悪お主があの魔法をくれっても転移するだろうからそしたら会場内にはブレソール一人になるからなんとかなるだろうと踏んで見守らせてもらった。
結果、おぬしはどうやったかわからないが厄災級魔法を消し去った。さすが[魔術師殺し]の異名を持つだけある」
あー。もう好きにしてください
すごく嫌な予感がする
「そういうことで正式にお主に[魔術師殺し]の称号を授けようと思う。どうじゃろう」
「いりません」
「即答とな」
称号がどんな効果を持つか知らないけど、不安すぎる。
「仕方ない、今回の件の礼として多少の金品を報酬として渡そう」
「ありがとうございます」
「現金なやつよの」
うん、現金の方が良いな。何とでも言え。僕はこの先冒険者になるんだ。お金を溜めなければならない…
ん?でも冒険者とかだと称号とかあった方が良いきがするな。
あー、よく考えてから返事をすればよかった。
「まぁ、詳しくはこの大会の後の城でパーティがあるからその時にでも時間を作ってはなそう」
「はぁ」
そんな感じで国王との会話が終わり観客席に帰ってくるとすぎに決勝の試合を始めるアナウンスがなった。
むしろ国王との面会の為に決勝を遅らせたのかな?




