26話 武術トーナメント本戦④
「【マジックショット】」
「【加速陣】」
邂逅早々、無詠唱のマジックショットを使う。相手は驚いて移動系魔法で回避を行う。
いや、加速陣とか見たことないだけど…
相手の足元に魔法陣が出現してその瞬間相手の動きが目に見えて早くなる。
距離10メートル 岩の影を利用し一度姿を隠し距離を取る。
「甘いよ」
5,6メートルはある岩壁の上から相手が姿を現す。
学ランに羽織を着て長い白髪をなびかせる。その手に持つのは黒い拳銃。見た目は某ゾンビゲームの映画にて主人公が拾ってゾンビ犬との戦いに使用していたきがする。あとアメリカの軍隊で使われているような気がする。
岩壁から飛び出し僕の頭上を通り過ぎながら発砲
パンパンパン
拳銃の先から銃弾が打ち出される。
って、魔法銃じゃないの?
【体内加速】
瞬間的に自身を加速させて回避。
もちろん自身を加速したところで銃弾が見えるわけではない。あくまでも拳銃での攻撃は点の攻撃。ならば手ぶれも含めて弾がこない位置まで移動すればいい。
回避からの腰の木刀に手をかけて反撃
【抜刀斬撃+飛剣】
直前の体内加速も含めて管理の速度で剣を振り、そこから魔力の刃を発生させる
「【魔力障壁陣】」
相手は着地後バックステップしながら左手をこちらに突き出す。その先に魔法陣が現れ魔力の刃とぶつかり両方が消滅する
「「っち」」
両者が舌打ちしながら己の武器を構える。
僕は突きのモーションから【飛剣】と【(自称)エアスラッシュ】。8回戦で侍のコタロウに仕掛けた技だ。
相手は再度魔力障壁を貼り直し再度左手を拳銃に添えて銃を構える。
【飛剣】の魔力の刃が魔法陣に当たり刃が消える。今回は剣技の組み合わせではない為威力は減少している。しかし、(自称)エアスラッシュが魔法陣を貫通する。
(自称)エアスラッシュは土魔法で岩を生み出し、それを魔力を使い空気圧縮と回転の力で飛ばしている魔法だ。岩を生み出す瞬間や打ち出す瞬間は魔力に頼っていてもその本質はただの投擲。魔力に対抗する魔力障壁では無意味。
相手は魔力障壁を抜けたのを確認して拳銃を打つのをやめて横に回避する。
うん、おかしい。
こちらは体内加速を使い通常の4倍の速度で動いている。相手はそれに追いついてきている。
やはりさっきの【加速陣】という魔法の効果だろうか・・・?
僕の【体内加速】と同性能?
相手もそれを悟ったらしく、再度バックステップで距離を離そうとしてくる。
そうはさせない。
相手の魔力消費量がどの程度かはわからないがこちらは非常に燃費が悪い。
このまま4倍加速を維持できるのは他に魔力を使った行動を何もしなくても約160秒。現実時間で40秒。
ならば一気に決めるしかない。
【射出】
自身の運動ベクトルを操作して無理矢理距離を詰める。
腰吊るした4つの格納石の内の一つに手を触れ魔力を流す。左手に投げナイフが1本現れる。
それを左手で投擲しながら回転を意識しながら【射出】を行う。
「っく【物理障壁陣】【鈍足陣】」
距離を詰められながら焦る相手は僕との間に2つの魔法陣を出現させる。
その人るに射出した投げナイフがはじかれる。
名前からしてくぐったら危険なもう一つの陣を回避する為、自身に再度【射出】を使い斜めに移動する。
岩壁を足場に壁走りを行いながら相手への距離を詰める
相手も距離を詰められないように再度移動を行いながら拳銃を発砲。
パン
【射出】
パン
【射出】
パン
【射出】連続使用による緊急回避を連続で行い距離をつめながら回避する
MP消費が半端ない。明日以降の試合の為に隠している【視界内転移】を使うしかないか…
「【炎塔陣】」
一瞬の迷いから生まれたスキを突かれる。
僕の射出による進行方向に魔法陣があらわれ炎の壁が現れる。
熱風に焼かれながら再度【射出】
危なかった。事前に【プロテクション】をかけていなかったら今のでやられてしまった。
違うな。あの拳銃を1発は耐えられたであろう保険を今失ったのだ。
次に当たったらそれで負け。
どうする?いったん距離を取るか?
「【魔法障壁陣】【物理障壁陣】」
相手が正面に2枚の魔法陣を出現させる。
相手の引き金に合わせて
【視界内転移】
パン
自分が先ほどいた場所を銃弾が通り過ぎる。
斜めに転移し距離を詰めながら再度自身に【射出】を行う
【視界内転移】
パン
パン
2連射された弾丸はまたも僕がいた場所と射出による移動ルートを通る
再度【視界内転移】を使用し相手の真横に出現。人間の視野は目は正面についている為真横を見ることはできない。さらに【視界内転移】を使用し気配でこちらを察知し振り向こうとする相手の正反対へ移動。
結果的に相手の後ろを取った。
下段からの切り払い
相手の腰から直撃し相手が吹き飛ぶ
しかし転移しなかった。
っち、相手も保険ありか。距離がかなり離れたので一度体内加速を解除する
そしてすかさず【無限魔力炉】を使用しMP回復に努める
「あなたも保険をかけていたんですね。1年生で【プロテクション】が使えるなんて…どんな化け物ですか」
「お互い様でしょう。それより先輩、その拳銃どうしたんですか?」
「拳銃ね…。何を言ってるんですか?これは魔法銃ですよ?詠唱もなく大きな音と同時に標的に穴が開く。これが拳銃ねぇ・・・」
あ、やばい気がする。
「君…転生者ですね?」
「何のことですか?」
一応シラをきる。ばれて不味いことはないんだろうけど、あえて名乗る必要はない。
サクラさんと時は相手がかわいかったからつい告白してしまった。
今思えばあれは失敗だった。
確かにコミュニケーションは取れたけど現状そこまで転生者・転移者として、この異世界の情報を調べる必要はなかったのだ。むしろ今後元勇者と戦う可能性を考えたら失敗だった。
「この武器を渡してくれた方が言ってたんです。“この武器のことを知る者がいるとすればそれは私と同じ異世界人”だと」
「その言い方だと先輩はこの世界の住人なんですか?」
「えぇ、もちろん。まぁ正直あなたが異世界人であっても、そうでなくても関係ないのですが…」
ではなぜ聞いた?
「しかし、この拳銃なる武器がある世界のことは興味があります。そうですね。この試合、私が棄権しますので詳しく教えてくれませんか?」
「え?」
「私は序列などに興味はありません。結局この序列って高ければ戦闘系の職業。特に王宮騎士や宮廷魔法使いになるには有利ですが、そういう者に興味がない者にとってがただの娯楽なんですよ。」
「はぁ」
そうなのだろうか?ライラ先生曰く序列で地位が決まるとか言ってたけど…
「確かに序列が高いと学園から学生通しの交流費と言う名のおこずかいが出たり、寮の部屋がよくなったりはしますが…」
え?いいじゃん。序列高いとお金もらえるの?。しかも寮の部屋がよくなるって、あの硬いベットともおさらば?最高じゃん。序列さいこー。筋肉サイコー
ん?筋肉は関係ない?
「今、関係ないこと考えてましたな?あ、目が泳いでますよ。まぁ序列が低すぎるのは問題ですが上位100位以内であればそれほど不自由しませんよ?」
「そうなんですか?」
「えぇ。なので私の序列は19位ですのですでに結構裕福で満喫した学園生活を送ってるんですよ」
「はぁ。ところで先輩は何者ですか?」
めっちゃ気になる。異世界人から拳銃をもらいほどの学生ってなんだ?
「それは今は明かせません。それよりどうですか?私の降参を条件に君の世界のことを教えてください」
「断ります。」
「なんと!」
「そうですね。先輩、こういうのはどうですか?先輩がかったら僕の生きた世界のことを話します。
その代り、僕が買ったら先輩の正体を教えてください」
「ふっ。いいでしょう。それなら私も本気でお相手しましょう」
え?今まで手抜き?
どうしようやっぱり話して降参してもらおうかな?
かっこつけてみたけどこれはやらかしたかな?
「我が盟友からの贈り物。我が敵を打つ為にその力を貸したまえ。限界せよ、その力の象徴よ。
【カートリッジ】」
相手のでに長方形の物体が現れる。
うん、弾倉だね。
拳銃からソレと同型のものが地面に落ちて、今現れたのを者を装填する
「では行きます。王都第二上級学園2年、序列19位。神楽美琴。参る!」
うん、バリバリ日本人だね。そして女性。まぁそれはパッと見わかったけど…
ガイドブックにはカグラって名前で書いてあった。
一応隠しているのかな?
なんか名乗るのかっこいいから僕も真似しよう
「王都第二学園学年1年、序列20位 遠藤空 受けて立つ」
「【飛剣+抜刀斬撃】」
「【加速陣】【転移陣】」
神楽さんの足元に2重の魔法陣が現れ姿を消す
パン
パン
パン
後方から銃声。振り向きながら木刀を横に一閃。
イメージは剣による風圧を魔力で増強する。すさまじい風は発生させ、こちらにに向かってくる弾丸をすべて吹き飛ばす。そのまま風は神楽さんへと迫る。
「剣の風圧で弾丸飛ばすとか化け物ですね。【転移陣】」
神楽さんの姿が消えていきなり僕の目の前に現れる
とっさに剣を振ろうとするが何も持っていない手で腕を抑えられて触れない。
「あんまりこんな使い方したくないんですけどね」
拳銃を持つ手を上から振り下ろされる。
いや、それはやばいって。女子が行っていい攻撃じゃないと思う。
ギリギリでよけによけて回避
抑えられた手を逆に持ち反対を向いて投げる。
背負い投げ
柔道なんてやってないないから綺麗には投げれなかったけど一応は投げることができた。
その拍子に神楽さんが僕の手を放す。
起き上がろうとする神楽さんに今度は僕が上から木刀で叩き斬る
「それを女子にやるってどうなの?」
神楽さんは横に転がるように回避。そしてその反動を使い飛び起きる。
そのままバックステップをしながら発砲
【体内加速】【視界内転移】
「【転移陣】」
お互いに転移を繰り返し相手を捕捉→攻撃→転移を繰り返す。
無限に続くと思われる戦い。しかしそれには終わりがくる
僕のMPが切れるギリギリ。
15回目発砲音が響く
その銃弾を自身への【射出】で回避して【視界内転移】で距離を詰める
僕の斬撃から距離を取る為に神楽さんの足元に魔法陣が現れる。
「【転移じっ!」
【体内加速】×【体内加速】
今までの4倍。16倍に加速された世界で剣を振るう。
神楽さんはこの世界に来て長いのだろうか?顔立ちは年相応日の本人顔だが、髪の毛は真っ白だ。
転生者なのだろうか?
どちらにしてもよく聞く勇者とはすこし違う感じがした。
その証拠に完全な無詠唱魔法は使えないようだ。
神楽さんは必ず魔法の発動は声に出す。その隙をついた。
【体内加速】の二乗により16倍で加速して声で発生する前に剣で斬る。
驚愕の表情を浮かべながら転移していった。
「勝者、ソラ選手!」
大歓声を聞きながら観客席に戻る。
これで今日の試合は終わりだ。うん、最後のがかなりギリギリだった。残りMPは1/10もない。
「ソラ君またかちましたね」
「流石俺のソールパートナー」
ヴィクトルとバカが出迎えてくれる。
いやー疲れた。
ため息をつきながら椅子に腰掛ける。
「ふぅー」
「ソラ君すごい年取ったみたいになってますよ?」
心配してくれるヴィクトルに返事をしつつ【無限魔力炉】を発動させる。無限と言う割には自信が移動すると5分程度で切れてしまうのだ。
なぜか寝てる間は維持され続ける。
「ソラ君この後ご飯どうしますか?明日まで学食は休みですが今日は僕ら王都で結構人気のある定食屋に行くんですけど、一緒にどうですか?」
「ああ、誘ってくれたのに悪い。先約があるから2人で行ってください。」
「わかりました。」
「さては女だな?この俺様を差し置いて彼女を作るとは!
まさか、サクラって先輩か?一緒にお昼食べてたみたいだし、
は、まさかさっきの対戦相手の綺麗なお姉さんか?」
だれかこのバカなんとかしてくれ
ほら、ヴィクトルも信じてるし
「流石ソラ君。もうガールフレンドつくったんですね?」
「ちがうからな!ただ男友達にご飯を誘われてるだけだ。先に約束しちゃったからそっちにいってくる」
「そうでしたか。なら安心です」
ヴィクトルは何に安心してるんだ。
「そうだよな。ソラに彼女ができるはずないよな。近くにこんなにカッコいい俺様がいるんだから!後で二人にも分けてやるからな」
「「……」」
ダメだ。こいつは早くなんとかせねば!
そんな感じでくだらない会話を時折しつつ会場が空いてくるのを待って席を立つ。
いや、めっちゃ混んでるんだもん
はぁー。疲れた。
早く学園生活を楽しみたい。
それにしても神楽さん可愛かったなー
は?!
ジュストに染まりつつある。まさかあのバカは感染するのか?!




